=== 原発への対応と将来の展望 3 (k) ===

「生活復旧に 20 年超」 6 割 福島県民に共同世論調査

東日本大震災の発生と原発事故から 2 年になるのを前に、朝日新聞社は福島放送と共同で、福島県民を対象とした世論調査(電話)を実施した。 福島県全体で元のような暮らしができる時期の見通しについて 4 択で聞いたところ、「20 年より先」が 6 割に上った。 国や自治体の今後の除染作業に「期待する」と「期待しない」は二分された。 2 - 3 日に調査した。 同様の調査は事故半年後の 2011 年 9 月、1 年後の昨年 3 月にもしている。

今回、「元のような暮らしができるのは、今からどのくらい先になると思うか」と聞いたところ、「5 年ぐらい」は 3%、「10 年ぐらい」は 14%、「20 年ぐらい」は 19%。 「20 年より先」は 60% で、年代別では 30 代の 80%、40 代、50 代の 73% が選んだ。 事故から 2 年になるのに、前途が見いだせない県民の苦しい胸のうちがうかがえる。

これまでの除染作業について「評価する」は「大いに」 2%、「ある程度」 36% で、合わせて 38%。 「評価しない」は「あまり」 45%、「全く」 17% で、計 62% だった。 これからの除染作業に「期待する」は「大いに」 12%、「ある程度」 38% で、計 50%。 「期待しない」は「あまり」 39%、「全く」 10% で、計 49% だった。 「期待しない」人で、元の暮らしができるのが「20 年より先」と答えた人は 71% に達した。

「放射性物質に汚染された地域は森林を含めてすべて除染すべきだ」との福島県の主張に「そう思う」は「大いに」 38%、「ある程度」 35%。 「そう思わない」は「あまり」 18%、「全く」 6% だった。 「放射性物質があなたや家族に与える影響について、どの程度不安を感じているか」との質問に対する答えは、1 年前の前回調査とほぼ同様で、「感じている」は「大いに」 31% (前回 32%)、「ある程度」 45% (同 46%)。 「感じていない」は「あまり」 21% (同 17%)、「全く」 3% (同 4%)だった。

「放射性物質による被害を避けるため、県外や放射線の量の少ない地域へ、できれば移り住みたいか」との質問には、26% が「移り住みたい」と答えた。 4 人に 1 人にあたるものの、前回の 32% よりやや減った。 今回の調査の有効回答は 1,014 人。 回答率は 59% だった。 (asahi = 3-5-13)

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原発防災計画遅れ、「めど立った」 5 割 156 首長調査

原発の立地・周辺自治体で、事故対策を定める「地域防災計画」の策定や見直しが遅れている。朝日新聞が各原発から半径 30 キロ圏にある自治体の首長 156 人にアンケートしたところ、来月 18 日の期限までに「めどが立った」と答えたのは約 5 割にとどまった。 現政権による原発ゼロ政策の見直しが進む中、危険性と直接向き合う地域の対策の遅れが浮き彫りになった。

原子力規制委員会は昨秋に原子力災害対策指針を一部改定し、防災対策の重点区域 (UPZ) の目安を原発の半径 8 - 10 キロから同 30 キロ圏に拡大。 国は来月 18 日までに重点区域に入る自治体に地域防災計画の「原子力災害対策編」を作るよう求め、規制委の田中俊一委員長は「計画整備が再稼働の前提」としている。

調査は重点区域内の 21 道府県と 135 市町村の首長を対象とし、2 月中旬までに全員が回答。 計画を「策定した・見直した」、「見通しがついた」と答えたのは 86 人だった。 「見通しがついていない」は 34 人で、作成段階とした 36 人を含めると、計画ができていない自治体が半数近くに上った。 (asahi = 2-23-13)

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戻った村民 4 割弱 新住民受け入れへ 福島・川内「帰村宣言」 1 年

東京電力福島第一原発事故で全域が避難対象になった福島県川内村が、ほかの避難自治体に先駆けて「帰村宣言」してから 31 日で 1 年。 村民の帰還が進まない中、村は住民の呼び込みに苦心している。 (asahi = 2-1-13)

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福島 2 千ヘクタール米作解禁 農水省、13 年作付け方針

【笠井哲也、貞国聖子】 農林水産省は 29 日、東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県の今年のコメの作付け方針をまとめた。 避難区域の再編に伴い、立ち入りが自由な「避難指示解除準備区域」になった地域など、約 2 千ヘクタールで新たに作付けが認められる。

福島県では東日本大震災の前、約 8 万ヘクタールでコメを生産。 原発事故翌年の 2012 年は原発から 20 キロ圏の警戒区域などの約 7,300 ヘクタールで作付けが禁止された。 13 年産では、5 年以上住民が戻れない帰還困難区域などの約 5,300 ヘクタールで引き続き作付けが禁止される。

新たに作付けが認められる避難指示解除準備区域は、南相馬市、田村市、大熊町、楢葉町、飯舘村、川内村の約 1,600 ヘクタールが対象。 実証栽培の形をとるが、出荷もできる。 また、11 年産で放射性セシウムが当時の国の基準である 1 キロあたり 500 ベクレルを超えたコメが出るなどしたため、12 年は作付けが禁止された地域も、試験栽培の結果が良好だったことから新たに作付けを認める。 福島、伊達、二本松、相馬の 4 市の約 400 ヘクタールが対象。 (asahi = 1-30-13)

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原発給付金事業、22 年間独占 経産省 OB 天下り法人

【大谷聡、白木琢歩】 原発近くの住民に現金を支給する「原子力立地給付金」制度で、経済産業省 OB が天下っている財団法人「電源地域振興センター(東京)」が、給付金の交付事業を 22 年間独占して自治体から請け負ってきたことが朝日新聞の調べでわかった。 センターは交付実務を電力会社に再委託し、2010 年度で約 3,800 万円の差益をあげ、OB らが役員報酬を得ている。

給付金は、国が電気料金を原資に原子力関連施設の立地自治体と周辺自治体に払う「電源三法交付金」の一部。 朝日新聞が関係する 14 道県に取材したところ、いずれの自治体も住民への交付事業をセンターに請け負わせてきた。 12 年度から事業者の決定を公募に切り替えたが、14 道県とも応募したのはセンターだけだったという。

センターは、事業の計画作りや道県への実績報告などを除き、給付額の計算や払い込みなどの交付事務を電力会社に再委託している。 自治体から受け取る補助金と、センターが負担する事業費の差額は、10 年度決算で約 3,800 万円だった。 理事長は、1990 年の設立から 4 代続けて経産省(旧通産省) OB が就任し、現職の新欣樹理事長(09 年 7 月就任)は元中小企業庁長官。 公表資料によると、理事長は常勤で年収 1,658 万円と規定されている。 (asahi = 1-3-13)

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「町に戻りたい」 4 割に減る 福島・楢葉町民アンケート

【小島泰生】 東京電力福島第一原発事故による警戒区域が解除された福島県楢葉町の町民を対象にしたアンケートで、町に戻りたいと答えた人は 39.4% だった。 1 年前の調査では 69.7% が帰還を希望しており、大きく減少。 避難の長期化に伴い、住民の意識が変化している。

楢葉町は今年 8 月、警戒区域から、早期の帰還を目指す避難指示解除準備区域に再編された。 これを受け、町は 16 - 79 歳の町民 3,022 人にアンケートを行い、1,609 人が回答した。 「帰町したい」が 19.3%、「できれば帰町したい」が 20.1% で、合わせて 39.4% が帰ることを希望。 一方、「現実的に考えると帰町は難しい」が 34.7%、「帰町しない、したくない」が 13.2% で、合わせて 47.9% が戻らないほうを選択した。 (asahi = 12-18-12)

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アジアの原子力災害備え、福島に拠点 IAEA と合意

【西川迅】 福島県と国際原子力機関 (IAEA) は 15 日、アジア地域の原子力災害に備えて、緊急対応を訓練できるほか、放射線測定器や防護服を備蓄する「IAEA 緊急時対応能力研修センター」を来年にも福島県に設けることで合意した。 東京電力福島第一原発事故に伴う除染や健康管理でも協力を強化していく。

福島県郡山市で開催中の原子力安全の国際会議で、佐藤雄平知事と天野之弥 IAEA 事務局長が覚書に署名した。 緊急時に対応する拠点が、IAEA 本部のウィーン以外にできるのは初めて。 同センターでは、国内外の参加者が、事故時に汚染の監視や測定などの訓練をする。 実際に事故が起きた場合は、保管する資機材を IAEA が現場に運んで使う。 拠点は、福島市の自治会館内に設ける。 (asahi = 12-15-12)

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除染の地域指定から解除 群馬・福島の 3 町村

【井上実于、森治文】 環境省は 14 日、東京電力福島第一原発の事故による被曝(ひばく)線量が年 1 ミリシーベルト以上の「汚染状況重点調査地域」に指定された群馬県みなかみ町、片品村、福島県昭和村について、27 日付で指定を解除すると発表した。 最近の調査で線量が基準を下回ったため。東北・関東 8 県の 104 市町村が指定され、解除は初めて。

3 町村は小規模な除染または放射性物質の自然減衰によって線量が下がったという。 環境省に指定解除を求めていた。 みなかみ町観光課は「放射能汚染を事前に問い合わせてきた観光客もいただけに、スキーシーズン前の解除にほっとしている」と話している。 (asahi = 12-14-12)

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原発事故時、毎時 500 マイクロシーベルトで避難 規制委案

原子力規制委員会は 13 日、原子力発電所で事故が起きたときに住民を避難させる放射線量を毎時 500 マイクロシーベルトとする基準案を公表した。 国際原子力機関 (IAEA) が基準とする毎時 1,000 マイクロシーベルトの基準より厳しくした。 地方自治体がつくる地方防災計画などへの反映を求める。

新基準は年内にまとめる予定。 今後改定する原子力災害対策指針に反映させる。 基準案は、主に原発の半径 5 - 30 キロメートル圏の住民避難を想定。 原発事故のレベルに応じた緊急事態の区分にあたる「緊急時活動レベル (EAL)」と、避難指示や被曝の影響を抑える措置を出すための判断基準となる「運用上の介入レベル (OIL)」の 2 種類に大別して示した。

EAL は原発立地道府県で震度 6 弱以上の地震や大津波警報が出た場合など 3 段階に分類した。 事故後数時間以内で、毎時 500 マイクロシーベルトに達する地域は避難するよう指示を出す。 毎時 20 マイクロシーベルトとなる地域は 1 週間以内の一時移転をする。 毎時 0.5 マイクロシーベルトが測定された地域では、地元で生産される飲食物をなるべく摂取しないよう求める。

今後は放射線計測器での測定値が基準を超えればすぐに避難指示を出せる。 従来の指針では、避難基準を 50 ミリシーベルトなどと定めていたが、事故発生直後に判断しづらいため、避難が遅れるなどの問題があった。 規制委は半径 5 キロ圏については、放射性物質の放出が始まる事故発生直後に避難を開始するとの方針を示している。 (nikkei = 12-13-12)

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大熊町の警戒区域解除 = 再編後も立ち入り規制 - 福島

東京電力福島第 1 原発 1 - 4 号機がある福島県大熊町で 10 日午前 0 時、全域にかかっていた警戒区域の指定が解除され、放射線量に応じて 3 区域に再編された。 線量が高い範囲が広く、解除後も全域で立ち入り規制が続く。

再編は原発周辺 11 市町村で 6 番目。町民の 9 割以上が住んでいた町の東側は、少なくとも 5 年間は戻れない帰還困難区域(年間被ばく量 50 ミリシーベルト超)として立ち入りを原則禁止。 数年後の帰還を目指す居住制限区域、早期帰還を目指す避難指示解除準備区域の計約 390 人が先に帰還しても生活できないとして、町全体で 5 年間は帰還しない方針だ。 (jiji = 12-10-12)

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「帰宅困難区域」再編前にバリケード設置 福島・大熊町

東京電力福島第一原発事故のため全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町で 7 日、事故から 6 年以上は帰れない「帰還困難区域」に再編される地区との境にバリケードを設置する作業が始まった。 区域の再編は 10 日に実施される。

年間の放射線量に応じて町は三つの区域に再編され、このうち西部などが住民の日中の立ち入りが可能な区域になる。 しかし、町の人口約 1 万 1 千人のうち 96% が住んでいた地域は帰還困難区域に指定され、立ち入り禁止が続く。 同区域への進入を防ぐためのバリケードが国道などの 23 3カ所に設置される。 この日は午前 10 時ごろから、双葉町境に幅 6.5 メートルの開閉式のバリケードが据え付けられた。 (asahi = 12-8-12)

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町民 96%、5 年以上帰れず 大熊町の避難区域再編

野田政権は 30 日、原子力災害対策本部の会議を開き、東京電力福島第一原発事故で全域が警戒区域になっている福島県大熊町について三つの区域に再編すると決めた。 第一原発が立地する大熊町の人口約 1 万 1 千人のうち、96% が住んでいた地区が 5 年以上帰れない「帰還困難区域」になる。 (asahi = 12-1-12)

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再編の避難区域、年末年始の宿泊可能に 福島の 6 千世帯

政府の原子力災害現地対策本部は 28 日、東京電力福島第一原発事故による避難指示区域のうち、避難指示解除準備区域と居住制限区域に再編された地域で、12 月 29 日から 1 月 2 日までの年末年始、住民が自宅に泊まることを認めると発表した。

これらの区域は通常、立ち入りはできるが、宿泊は認められていない。 今回対象となるのは福島県南相馬市、田村市、飯舘村、川内村の約 6,100 世帯。 楢葉町も再編済みだが、上下水道の復旧が進んでいないため見送られる。 住民から「正月を自宅で過ごしたい」との要望が出ていた。 線量計や身分証明書の携行などが必要。 5 月の大型連休や盆休みも宿泊を認めることを検討する。 (asahi = 11-29-12)

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核融研の重水素実験、地元同意へ 年度内にも協定 岐阜

自然科学研究機構・核融合科学研究所(岐阜県土岐市)が計画する重水素実験について、岐阜県多治見、土岐、瑞浪の 3 市が、実験実施に向けた協定書の締結に同意する方針であることがわかった。 重水素実験は放射性物質トリチウムや中性子線が発生するため、安全性に不安を持つ住民の反対運動が起き、実験の開始が当初の予定から 10 年以上遅れている。

核融合科学研究所は、核融合の基礎研究をしており、核融合反応に不可欠な高温のプラズマを「大型ヘリカル(らせん状)装置」でつくり出す実験を行っている。 これまでの実験は水素を使ってきたが、水素の同位体「重水素」を使うと、核融合反応に必要とされる 1 億度に近い温度までプラズマの温度を高めることが可能になるという。 しかし、重水素実験では中性子線と放射性物質トリチウムが発生し、装置自体も中性子線で放射化され、放射性物質になる。 (asahi = 11-20-12)

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「もんじゅ、13 年度中に運転再開」 原子力機構が方針

高速増殖原型炉「もんじゅ」の今後の研究計画を策定する文部科学省の作業部会が 8 日開かれ、もんじゅを運用する日本原子力研究開発機構は、2013 年度中にもんじゅの運転を再開して性能試験に入れるとの見通しを示した。

原子力機構によると、設備点検を来年夏前に終了。 再開に向けて機能を確認し、さらに約 4 カ月間かけて準備を進め、来年度中に運転再開できる見通し。 40% 出力試験から徐々に出力を上げる性能試験を 2 - 3 年かけて行い、その後本格運転に入るという。 ただし、もんじゅの敷地内には断層があり、原子力規制委員会による調査や耐震評価などが予定されている。 原子力機構は「規制委員会の対応などの状況により時期の変更はある」と説明している。 (asahi = 11-8-12)

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規制委、拡散予測また訂正 玄海・川内の 2 原発でミス

全国 16 原発で重大事故が起きた場合に放射性物質がどう拡散するかを示した予測結果で、原子力規制委員会は 6 日、九州電力玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)の 2 原発で放射能が拡散する方向が誤っていたと発表した。 九電がデータ提供の際に誤った説明をし、規制委が検証せずに使ったことが原因という。 規制委は 10 月 29 日に両原発を含む 6 原発で訂正したばかり。

規制委はほかの原発でも間違いがないかチェックする。 2 原発の正しい予測図は 8 日に公表する。 予測図は、原子力災害の防災重点区域の目安を原発から半径 30 キロ圏内に拡大するのを受け、道府県が防災計画を改定する際の資料として、規制委が示した。 度々の訂正は防災計画づくりにも影響を与えそうだ。 規制委によると、拡散予測を作る際に、電力会社から各原発の気象データの提供を受けた。 鹿児島県からの指摘を受けた九電が調べたところデータに誤りがあると気づき、6 日に規制委に報告した。 (asahi = 11-7-12)

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「町に戻らない」 5 割近く 福島・大熊町で全世帯調査

復興庁は 6 日、東京電力福島第一原発事故で警戒区域に指定されている福島県大熊町の全世帯を対象にした調査結果を公表した。 大熊町に「戻らないと決めている」との回答が 5 割近くあり、理由は「放射線量への不安」が約 8 割を占めた。 帰還を望む世帯はわずか約 1 割にとどまった。 調査は 9 月 7 日から同 24 日にかけ、福島第一原発が立地し、立ち入りが制限されている大熊町から避難した全 5,378 世帯に郵送によるアンケート方式で実施。 63.7% にあたる 3,424 世帯が回答した。

調査では 45.6% が大熊町に「戻らない」と答え、「戻りたい」は 11.0%、「現時点でまだ判断がつかない」は 41.9%。 10 - 30 代で「戻らない」が 54.7% と多かった。 「戻らない」とした理由を複数回答で聞いたところ、「放射線量に対する不安」が最多で約 8 割、次いで「原発の安全性に不安」が約 7 割。 避難の状況については「世帯でまとまって避難」が 6 割近く、「複数箇所に分かれて避難」も 3 割を超えた。 (asahi = 11-6-12)

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原発事故想定し訓練 過去最大規模

東北電力東通原発 1 号機(東通村)の過酷事故を想定した県原子力防災訓練が 3 日、行われた。 6 市町村と原子力規制庁、自衛隊、海上保安庁、東北電力など計 33 団体約 700 人が参加。 原発の防災対策の重点区域の目安が 10 キロ圏から 30 キロ圏に拡大したことで、船やバスを使った広域避難を実施するなど、過去最大規模となった。 訓練内容は今後、市町村が策定する避難計画の参考にする。

県は訓練を毎年実施しているが、昨年は県が避難のあり方などを検討中だったため中止し、2 年ぶりの開催となった。 東通村と六ヶ所村、むつ市、横浜町に加え、新たに重点区域に入った野辺地町と、東通村民の避難先となる青森市が参加した。

午前 8 時頃に発生したマグニチュード 8.1 の地震の影響で同原発の全電源が喪失し、原子炉の炉心冷却ができなくなったとの想定で訓練は始まった。 東北電力から通報を受け、県と東通村に災害対策本部が設置され、同 9 時半に政府が原子力緊急事態を宣言、原発から 5 キロ圏内の住民に避難指示を出した。 その後、原発から 30 キロ圏内で緊急時環境モニタリングが実施され、政府が午後 0 時半、10 キロ圏内の住民の避難と 30 キロ圏内の住民の屋内退避を指示した。

東通村では体育館に住民 51 人が避難したほか、バスに乗車した住民 30 人が被害が軽微だった国道 279 号で青森市宮田の市立東陽小学校に移動し、スクリーニング検査(放射線検査)などの緊急被曝(ひばく)医療を受けた。 また、陸路での移動が困難となる事態に備えて、むつ市の住民 29 人が海上自衛隊船に乗り込んだ。

三村知事は訓練後、課題として子どもや一人暮らしの高齢者の避難や交通手段の確保、雪への対応などを挙げ、「今回は第一歩。 様々な場面を想定することが大事だ。」と強調した。 県は原発事故時、30 キロ圏の住民約 7 万 1,000 人が避難することを想定している。 風向きなどで避難対象者の規模は大きく変わる可能性もあるため、訓練で参加自治体をさらに拡大することも検討している。 (yomiuri = 11-4-12)

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6 原発の放射能予測に誤り 規制委、方角や距離を修正

原子力規制委員会が 24 日に公表した全国 16 カ所の原発で重大事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、規制委は 29 日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)など 6 カ所で、データの入力ミスなどが原因で放射性物質の拡散する方角や距離が誤っていたと発表した。 修正した予測図を改めて公表した。

誤りがあったのは、柏崎刈羽、日本原子力発電東海第二(茨城県)、北陸電力志賀(石川県)、日本原電敦賀(福井県)、九州電力玄海(佐賀県)、九電川内(鹿児島県)の 6 原発。 拡散予測は、福島の事故と同規模の事故が全国の原発で起きたと仮定し、放射性物質の広がりを調べた。 原発からどこまで国際原子力機関の避難基準「1 週間で 100 ミリシーベルト」被曝するかを 16 方位でみた。

誤りは 16 方位のうち 1 方位分(22.5 度)のずれ。 柏崎刈羽では時計回りにずれていた。 この結果、避難基準に達する最大距離は東南東に 40.2 キロの魚沼市内だったのが、東に同じ距離の長岡市内に訂正された。 東海第二と敦賀は反時計回りに、志賀は時計回りに、それぞれ 1 方位ずれていた。 玄海と川内は時計回りにそれぞれに 1 方位ずれたうえ、方角によって最大 300 メートル距離がのびた。

同日夜に会見した規制委事務局、森本英香・原子力規制庁次長は「大変ご迷惑をおかけし、おわび申し上げる」と謝罪した。 原子力災害対策指針の改定で、原子力災害の防災重点区域を原発 30 キロ圏内に拡大する。 予測図は、道府県が重点区域の範囲を決める際の資料として示された。 (asahi = 10-29-12)

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琵琶湖源流の一部高線量の想定 関西 1,450 万人の水源

関西に暮らす約 1,450 万人の水源となってきた琵琶湖まで放射能汚染は広がるのか。 今回公表された拡散予測では、琵琶湖の源流部の一部が高線量にさらされる結果が出た。 滋賀県は原発事故時の琵琶湖への影響を独自に検証しており、予測データを注視している。

予測によると、福井県敦賀市の敦賀原発で事故が起きると、1 週間の積算被曝線量が 100 ミリシーベルトを超える地域が滋賀県最北部の長浜市余呉町付近まで及ぶとされる。 この地域には琵琶湖につながる河川の一つ、高時川が流れている。

滋賀県が実施した独自の拡散予測では、福井県内の原発で福島並みの事故が起きた場合、放射性ヨウ素が琵琶湖の上空を広く覆い、水への影響が出る可能性が示された。 さらに放射性セシウムやヨウ素は自然落下や雨で琵琶湖に直接落ちるだけでなく、陸地からも川や地下水を通じて湖に流れ込む可能性があるとする。 今年から湖への流入予測のシミュレーションを始め、湖内の放射性物質の濃度変化をつかんで取水場所などの検討材料にする考えだ。

琵琶湖の水は、西は神戸市から南は大阪府最南端の岬町まで、関西一円で広く利用されている。 実際に琵琶湖が汚染されたらどうするのか。 関西広域連合は、水道水への影響のほか、水を飲めない場合の給水態勢や住民避難の必要性などについて、策定中の「関西防災・減災プラン」に考え方を盛り込む方針だ。 しかし、現時点で汚染予測の具体的なデータがなく、担当者は「滋賀県と連携し、これから検討していくところ」と打ち明ける。 (asahi = 10-24-12)

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4 原発、30 キロ圏外も被曝限度超え 事故想定を公表

原子力規制委員会は 24 日、全国 16 カ所の原発で東京電力福島第一原発事故のような深刻な事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を公表した。 関西電力大飯原発(福井県)など 4 原発が、規制委が新たに防災の重点区域の目安とした範囲よりも広い地域で、避難の基準となる積算被曝線量に達した。 原発によっては従来の想定を超えた広い範囲を重点区域にした防災計画づくりが迫られる。

国が全国の原発で大事故を想定した被害を予測し、公表したのは初めて。 目安の範囲を超えたのは、大飯原発のほか、東電柏崎刈羽原発(新潟県)、福島第二原発(福島県)、中部電力浜岡原発(静岡県)。 規制委はこれまで重点区域としていた原発から半径 8 - 10 キロを、福島の事故を受けて国際原子力機関 (IAEA) の基準に合わせて 30 キロに拡大。 これを受け、自治体は来年 3 月までに防災計画を見直す。

さらに、重点区域を指定するには、1 週間あたりの積算被曝線量 100 ミリシーベルトとする IAEA の避難基準も参考にする。 今回の予測は道府県が重点区域の範囲を具体的に決めるための参考として示された。

今回、福島の事故と同規模の事故が全国の原発で起きたと仮定し、各地の原発の基数や出力に応じて放射性物質の拡散を予測。 その結果、大飯原発など 4 原発で、30 キロを超える地点が積算被曝線量 100 ミリに達した。

全国で唯一稼働中の大飯原発は、南南西から南東方向に放射性物質が広がりやすく、県境を越えて南に 32.2 キロ離れた京都府南丹市内でも積算被曝線量が 100 ミリに達した。 隣接する関電高浜原発の予測では、大飯原発が避難基準値に達する地域に入る。 高浜原発で事故が起きれば大飯原発も影響を受ける結果となった。

全国で最も広範囲に放射性物質が広がると予測されたのは柏崎刈羽原発で、東南東方向に 40.2 キロ離れた新潟県魚沼市内でも避難基準値に達した。 全国最多の 7 基が集中立地し、合計出力も最大。 このため、予測上の放出量が最大になった。

規制委が示した原子力災害対策指針案の重点区域で対象となる自治体数は、これまでの 15 道府県 45 市町村から 30 キロ圏内に拡大するのに伴い 21 道府県 135 市町村に増える。 今回の予測で 30 キロ超の地域でも避難基準値に達したことを受け、原発によっては対象市町村がさらに増えることもある。 (asahi = 10-24-12)

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原発の新安全基準づくり、25 日から本格化

国の原子力規制委員会は 19 日、原発の新しい安全基準づくりのための検討チームを立ち上げ、25 日から本格的に作業することを決めた。 安全基準は停止した原発の再稼働の可否を判断する基準になる。

検討チームは、規制委の更田豊志委員を中心に、外部の専門家、原子力安全基盤機構参与ら 16 人。 東京電力福島第一原発の事故を踏まえ、炉心が溶融するような過酷事故も想定。来年 3 月までに骨子をまとめ、来年 7 月までに策定する。 外部の専門家は、阿部豊・筑波大教授、勝田忠広・明治大准教授、杉山智之・日本原子力研究開発機構 (JAEA) 研究主幹、山口彰・大阪大教授、山本章夫・名古屋大教授、渡辺憲夫・JAEA 研究首席の 6 人。 (asahi = 10-20-12)

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原発防災、重点区域 135 自治体に 規制委が新指針案

原子力規制委員会は 3 日、原発事故が起きた際の住民避難などの対応を定めた原子力災害対策指針の改定案を示した。 事故時に避難や屋内退避できるように備えておく重点区域をこれまでの原発から半径 8 - 10 キロから 30 キロに拡大。 これによって、対象市町村は 45 から 135 に増える。

規制委は原発周辺の立地自治体などから意見を聴き、10 月中に指針を策定し、これまで内規だった指針を法令化する。 自治体は来年 3 月までに、指針をもとに防災計画を改定し、その中で重点区域も見直す。 規制委によると、今回の見直しで、新たに富山、岐阜、滋賀、鳥取、山口、福岡の 6 県が重点区域に含まれ計 21 道府県になる。 対象市町村も 45 から 135 に増える。 防災計画の改定にあたっては、現地の地形や気象条件をふまえるため、対象市町村の数は増減する。

指針案によると、これまで想定していなかった大量の放射性物質が飛散する過酷事故を想定して防災計画をつくることを定めた。 また、地震や津波も同時発生する複合災害を想定した訓練の実施を求めている。

また、東京電力福島第一原発事故で SPEEDI (緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)が活用できなかった反省から、事故時の放射線のモニタリングを規制委が司令塔となって進めることを明記。 原発半径 5 キロ圏内では緊急事態が発生した場合には、即時避難するよう改めた。

改定指針づくりと原発の防災体制整備は、規制委が優先的に取り組む課題に挙げていた。 田中俊一委員長は「地域の防災計画ができないと再稼働の最低限の条件はそろわない。 法的条件ではないが、立地地域の住民の気持ちからすれば、そこがきちっとしていないととても再稼働はできない。」と述べ、防災計画の改定が、現在停止中の原発の再稼働の条件だとの考えを示している。 (asahi = 10-3-12)

新しい原子力災害対策指針のポイント

・原発の周辺住民の被曝防護対策を確実にする
・原子炉格納容器や原子炉建屋の機能が失われ放射性物質が大量放出するような過酷事故を想定
・規制委が緊急時モニタリングの司令塔を担う
・防災対策の重点区域を原発から半径 30 キロ圏に拡大。 即時避難区域は同 5 キロ圏。
・現地拠点オフサイトセンターは原発半径 5 - 30 キロに立地。 代替施設を 30 キロ以遠に複数準備。
・複合災害や過酷事故に対応できるよう訓練を計画
・避難者の精神面や入院患者の負担を踏まえた避難計画を策定
・緊急時被曝は年間 20 ミリシーベルトまで、長期的には 1 ミリシーベルトを目標
・将来の潜在的な健康影響に関する懸念に対応して、長期的な健康評価システムの確立

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枝野氏、原発国有化を著書で提案 脱原発を進める狙い

枝野幸男経済産業相は 28 日発売の著書で「事故が起こったときのコスト負担を考えれば、原発の運営は民間企業に任せることはできない」と記し、原発の国有化を提案した。 「脱原発」や電力会社の発送電分離を進めやすくする狙いだ。

著書は「叩かれても言わねばならないこと。(東洋経済新報社)」 脱原発の必要性を訴えて、「国がリスクを負担する代わりに、稼働や廃炉の時期をコントロールできる決定権を持つようにする」という国有化を掲げた。 脱原発は、(1) 安全確認できた原発は再稼働するが、安全基準に達していない原発は廃炉、(2) 安全度ランキングの低い順に計画的に廃炉 - - の 2 段階で進めるとしている。

ただ、「最後まで残る問題」に使用済み核燃料の処理を挙げ、「最後は電力消費地がこれまでの原発依存度に応じて受け入れざるを得ない」との案を示した。 (asahi = 9-30-12)

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茨城・高萩市長「断固反対」 汚染灰最終処分場候補地

東京電力福島第一原発事故の影響で高濃度の放射性物質に汚染された焼却灰や汚泥などを埋める最終処分場について、横光克彦環境副大臣は 27 日、茨城県の橋本昌知事と同県高萩市の草間吉夫市長をそれぞれ訪ね、高萩市上君田の国有林野を候補地として示した。 草間市長は「断固反対」との考えを伝えた。

横光副大臣は処分場の安全性を説明し、建設への協力を要請。 市側には前日に非公式に伝えていたが、草間市長は「寝耳に水という感想。 国の進め方に憤りを感じる。」と述べた。 一方、橋本知事は「地元にとって大きな問題。 住民の意見も聞き、対応を進めたい」と答えた。

選定の理由について、横光副大臣は報道陣に「広さを確保でき、地形地質も悪くない、地下水系に影響を与えない、人家もかなり遠く離れている、などの点から適地と判断した」と説明した。 (asahi = 9-27-12)

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原発防災の新指針策定へ 重点区域 30 キロ、規制委検討

国の原子力規制委員会は、防災対策の重点区域の目安を 30 キロに拡大する新たな原子力災害対策指針をつくる方針を固めた。 26 日、定例会を開いてたたき台を示し、10 月中の策定を目指す。 今後、新たな指針をもとに地方自治体が地域防災計画を見直す。

これまでの指針は、半径 8 - 10 キロ圏内を重点区域の目安にしていたが、東京電力福島第一原発の事故では半径 20 キロ圏内が立ち入り禁止になるなど想定の甘さが浮き彫りになった。 事故時の対応拠点となるオフサイトセンターも複合災害に対応しておらず、ほとんど機能しなかった。

このため、規制委は新たな指針づくりに着手する。 規制委の発足で廃止された原子力安全委員会が今年 3 月、防災対策の重点区域を原発から半径 30 キロに拡大し、5 キロ圏内を即時避難の区域にするとの改定案をまとめた。 新指針はこれをもとにする。 また、これまで内規だった指針を法令化することにした。 (asahi = 9-26-12)

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連合会長「2030 年代原発ゼロは乱暴」 政府方針批判

連合の古賀伸明会長は 21 日、2030 年代までに原発ゼロを可能にするとした政府の「革新的エネルギー・環境戦略」について、「道筋やビジョンが明らかでないなか、(目標時期を)デジタル的に書き込むのは少し乱暴」と批判した。

古賀会長は政府方針を「原発ゼロが可能になるよう、あらゆる政策をやっていくということ」と評価。 ただ、実現には原発の安全性や代替エネルギーのコストを検証しながら、議論を深めるべきだと指摘した。 連合はこの日正式決定したエネルギー政策で、安全対策などを条件に原発の再稼働を認めた。 最終的には脱原発依存を目指すとしたが、目標時期は「検証する力がない(古賀会長)」として明記を避けた。 (asahi = 9-21-12)

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「原発ゼロ」新戦略、あいまい閣議決定 骨抜きのおそれ

野田内閣は 19 日、「2030 年代に原発ゼロ」をめざす革新的エネルギー・環境戦略の全文の閣議決定を見送る一方、「戦略を踏まえて、不断の検証と見直しを行う」との一文を閣議決定した。 原発がある自治体や経済界などの反発に配慮したためで、今後、エネルギー基本計画などをとりまとめる際に「原発ゼロ」が骨抜きになるおそれがある。

閣議決定されたのは「今後のエネルギー・環境政策について」という一文。 「革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて、関係自治体や国際社会などと責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」とした。 (asahi = 9-19-12)

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原子力規制委発足:新たな安全基準作りへ 田中委員長認証

新たに原子力の安全規制を担う「原子力規制委員会」が 19 日、発足した。 皇居で、前高度情報科学技術研究機構顧問の田中俊一委員長の認証式があった。 事務局の原子力規制庁も約 460 人でスタート。 原発の再稼働の判断や安全審査で用いる新たな安全基準作りなどに取り組む。

これまで原発の安全性をチェックしてきた経済産業省原子力安全・保安院は、推進側の経産省内にあって独立性を疑問視され、内閣府原子力安全委員会も権限が限られ十分に機能しなかった。 この両組織に加え、文部科学省などに分散していた規制機能も規制委と規制庁に一元化。 環境省の外局とし、推進官庁からの独立を図った。

規制委は 5 人の委員で構成。 それを支える規制庁の約 460 人のうち、8 割の約 350 人は保安院の原子力規制部門がほぼ丸ごと移った。 残りは安全委と文科省から約 40 人ずつ、環境省から約 10 人、警察庁や国土交通省などから計約 10 人。 初代長官には池田克彦前警視総監が就いた。 (mainichi = 9-19-12)

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原発ゼロ方針 : 福井知事が批判 副経産相に「再考を」

牧野聖修副経済産業相と神本美恵子文部科学政務官が 13 日、福井県庁で西川一誠知事と会談し、政府が 14 日にも決定する新たなエネルギー・環境戦略について、「2030 年代の原発稼働ゼロを目標とする」などを盛り込むことを伝えた。 西川知事は「国民的な議論による方向性とはいかない」と批判した。

牧野副経産相らは高速増殖原型炉「もんじゅ」(同県敦賀市)を研究炉とし、研究成果が出た後に廃炉にする方向で調整していることも説明した。 西川知事は「高速増殖炉の研究をやめるのか、やめないのか、はっきりすべきだ。 矛盾したいろいろな問題をそのまま提示されては、極めて迷惑千万だ。 受け入れがたい状況にある。」と不快感を表明した。

西川知事は、原発ゼロ目標について、国民への情報開示が不十分と強調、「もう一度考える局面だ」と訴えた。 原発の廃炉の難しさも指摘、「即撤去し、更地に戻してもらうことが基本になる。 使用済み核燃料の引き取り先の確保など、政府に対応できる見通しがあるのか。」と語った。 牧野副経産相らは国内で唯一、原発が稼働する同県への配慮から、正式決定を前にエネルギー・環境戦略を西川知事に説明した。 (佐藤慶、山衛守剛、mainichi = 9-13-12)

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経団連会長「原発ゼロ了承しかねる」、首相に直接電話

経団連の米倉弘昌会長は 13 日、2030 年代に「原発ゼロ」を目指すとの政府方針について、野田佳彦首相に直接電話し、「了承しかねる」と伝えた。 首相は「これから色々と説明したい」と答えたという。 米倉会長がこの日、緊急記者会見を開いて明らかにした。

米倉会長は会見で「無理に政策を進めると、電力価格が高騰し、供給不安が生じる。 原発ゼロを宣言すると、原発の安全を支える技術の維持・向上や人材確保が難しくなる」と指摘。 日米の外交、安全保障にも悪影響が出るとの懸念を首相に伝えたという。 経団連はこれまで野田首相とは良好な関係を保ってきたが、今回の原発ゼロをめぐる動きについて、米倉会長は「首相は立派な方だが、取り巻く閣僚が選挙を意識して右往左往している」と批判した。 (asahi = 9-13-12)

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