=== 海外の動き 4 (d) ===

加藤官房長官、中国報道官を非難

加藤勝信官房長官は 10 日の記者会見で、葛飾北斎の浮世絵の模倣画で東京電力福島第 1 原発の処理水放出を皮肉った中国外務省の趙立堅副報道局長を非難した。 「感情的にあおっており、極めて遺憾だ」と述べた。 削除に応じていないことにも不快感を示した。 趙氏による処理水放出方針への批判に対し「科学的根拠に基づいていない。 日本は中国を含む国際社会に透明性を持って積極的に情報提供している。」と強調した。 2019 年度に中国の原発から海洋放出されたトリチウムの量は、日本による放出の 5 倍以上あったとも指摘した。 (kyodo = 5-10-21)

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福島に猛クレームの中韓の原発 ケタ違いのトリチウムを垂れ流していた

またしても中国と韓国が噛みついてきた。 福島第一原発の「トリチウムを含む処理水」の海洋放出に、中国外務省は「極めて無責任」、韓国政府は「断固反対する」などと非難する。 こうした批判について、「非常に悪質なもの」とするのは、原子炉工学が専門の奈良林直・東京工業大学特任教授だ。

「トリチウムは自然界に膨大な量、存在する放射性物質です。 今回の海洋放出にあたって、処理水は WHO が定める飲料水基準の 7 分の 1 (1 リットルあたり 1,500 ベクレル未満)まで希釈され、IAEA の目も入れて監視すると決まっています。 中韓の批判は、日本を貶める政治的な意図を持った圧力としか考えられません。」

なにしろ、中国や韓国が稼働させる原発も、トリチウム水を排出しているのだ。

「日本の原発が軽水炉であるのに対し、韓国の一部の原発はトリチウムの排出が多い重水炉です。 日本海に面する韓国の月城原発は 4 基の重水炉を稼働させ、福島第一原発に貯留される量の何倍ものトリチウムを海に流してきました。(同前)」

在韓日本大使館は、韓国の原発が 2018 年、海水や大気に年間約 360 兆ベクレルのトリチウムを排出したと説明する。 福島第一原発に貯蓄されるトリチウムは約 860 兆ベクレル。 それを年間 22 兆ベクレル以下の量で放出していく計画だから、"韓国からの排出のほうがケタ違いに多い" のである。 また、経産省のまとめた資料によれば、中国の大亜湾原発は、2002 年に約 42 兆ベクレルを排出した。

「韓国政府の設置した専門家を交えた部会の報告書でも、海洋放出による影響はないとしているのに、文在寅大統領は不安を煽ろうとしている。 月城原発では誤って放射性物質が漏れた問題も報じられた。 文政権は福島原発の放出を国際海洋法裁判所に提訴すると言っていますが、提訴したら逆に "あなたの国はちゃんとやっていますか?" と言われて恥をかくだけでしょう。(同前)」

いつになったらフェアな議論ができるのか。 (New Post/Seven= 4-27-21)

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韓国、福島第一の汚染水処理「深刻な憂慮」 IAEA に

韓国政府は 5 日、東京電力福島第一原発にたまり続ける放射性物質を含んだ汚染水の処理方法について、国際原子力機関 (IAEA) に書簡を送り、「深刻な憂慮」を伝えたと発表した。 ウィーンで 16 日から開かれる IAEA 総会で、韓国側がこの問題を提起する方針も表明した。

書簡では、汚染水を海に放出する場合、環境に影響を与える可能性があるとして、深刻な憂慮を伝えた。 また、IAEA がこの問題について、積極的に協力するよう求めた。 日本外務省は 6 日、韓国政府の発表について、「科学的根拠に基づかず、日本へのいわれなき風評被害を及ぼしかねない」として、在日韓国大使館に電話で抗議した。 (神谷毅 = ソウル、竹下由佳、asahi = 9-6-19)

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原発汚染水処理「日本政府の公式回答を」 韓国外交省

韓国外交省は 19 日、在韓日本大使館の西永知史公使を呼び、東京電力福島第一原発の汚染水を海に放出することが計画されているとの報道や国際環境団体の主張について、「事実関係の確認と今後の処理計画などについて、日本政府の公式回答を求める」との口述書を手渡した。 「両国民の健康と安全、海でつながった国々に与える影響を重く認識している」と指摘し、両国で影響を抑える協力を模索したいとも述べた。 文在寅(ムンジェイン)大統領の与党・共に民主党などは、日本政府の対韓輸出規制への対抗策として、汚染水処理の方法を問題視するよう訴えている。

野党・民主平和党の議員はこの日、食品安全を担う当局から提出を受けた資料によるとして、韓国が原発事故の被災地などから水産物を全面禁輸している 8 県について「輸入した加工食品から 5 年間で 35 件、約 17 トンで放射能が検出された」と発表。 「国民の安全のため、加工食品も輸出規制などをすぐに行うべきだ」と訴えた。(ソウル = 神谷毅、asahi = 8-19-19)

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露原子力企業の社長「新型兵器の実験中に爆発」 … 開発は続行へ

【モスクワ = 工藤武人】 インターファクス通信によると、ロシア北部アルハンゲリスク付近の露海軍実験場での爆発に関し、露国営原子力企業ロスアトムのリハチョフ社長は 12 日、爆発が「新型兵器」の実験中に起きたことを認めた。 8 日の爆発ではロスアトムの従業員 5 人が死亡し、3 人が負傷した。 リハチョフ氏は 12 日、死亡した従業員の葬儀で、「新型兵器の作業を最後までやり遂げることが手向けになる」と述べ、開発を続ける意向を表明した。 新型兵器の具体的な種類には言及しなかった。

一方、ロイター通信によると、死亡した 5 人が所属していたロスアトム傘下の研究所の専門家が 11 日放映のテレビのインタビューで、爆発は小型原子炉の開発に関連した事故だったことを明らかにした。 ロスアトム側の証言により、爆発が小型原子炉を利用した新型兵器の開発に関連して起きた可能性が強まった。 米国の専門家などからは、爆発は、小型の原子炉を搭載する原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の開発と関係している可能性があるとの見方が出ている。

ロスアトムは、爆発時の状況について、洋上施設での「放射性同位元素を動力源」にしたミサイル実験完了後、燃料に引火して爆発が起きたと説明しており、深刻な原子力事故が起きたとの見方も消えていない。 (yomiuri = 8-13-19)

ロシアのミサイル実験場で爆発 放射能レベル上昇の報道

ロシア国防省は 8 日、同国北部アルハンゲリスク州セベロドビンスク近郊のミサイル実験場で爆発が起きたと発表した。 同省職員と関連企業職員の 2 人が死亡、4 人が負傷した。 液体燃料エンジンの実験中に爆発が起き、火災が広がったという。

同省はこの爆発について「いかなる有害物質も出ておらず、放射性物質のレベルも正常値だ」としている。 一方、タス通信によると、セベロドビンスクの市当局者は爆発後、一時的に放射能レベルの上昇が観測されたと述べた。 セベロドビンスクには原子力潜水艦工場やその関連施設がある。 爆発が起きたのはロシア海軍の主要なミサイル実験場で、ソ連時代から潜水艦や艦船に搭載する弾道ミサイルや巡航ミサイルの製造、発射実験が行われてきた。 2015 年 12 月には、実験中の巡航ミサイルが住宅に落下している。 (モスクワ = 喜田尚、asahi = 8-8-19)

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日立 : 英原発建設計画を凍結、今期に 3,000 億円の減損損失を計上へ

→ 今期の黒字は維持 - 純利益予想 1,000 億円に下方修正
→ 東原社長 : 英原発子会社の売却も検討 - 政府の原発輸出政策の見直し必至

日立製作所は 17 日、英国での原子力発電所建設計画を凍結すると発表した。 英国政府と事業費の追加支援などを巡り交渉を進めていたが条件合意には時間がかかると判断し、経済性の観点から決定した。

同社の発表によると、これまで英政府とは、事業への投融資など支援策のほか、資金調達のモデル、原発の建設や運営に関する諸条件について日本政府の協力も得ながら協議を重ねていたという。 計画凍結となったことで今期(2019 年 3 月期)に 3,000 億円の減損損失を計上する見通しも明らかにした。 その結果、同期の純利益予想を従来の 4,000 億円から 1,000 億円に減額した。

都内で会見した東原敏昭社長は、「民間の企業として 3,000 億円の負担が限界」だとし、英政府との交渉には時間がかかることから凍結を決断したと話した。 その上で、「将来的には完全撤退もあり得るし、交渉の行方を見ながらゼロからやり直すこともある」と述べた。 12 年 10 月に買収した英原子力発電事業開発会社ホライズン・ニュークリア・パワーについても、売却を視野に検討を進めていることを明らかにした。

英中西部アングルシー島に改良型沸騰水型原子炉 2 基を建設し、20 年代前半に初号機の運転開始を計画していた。 日立は 19 年中の最終投資判断を目指し、昨年から英政府との調整に入っていた。 今後も英政府との協議を継続する方針だが、計画の白紙撤回となれば同社の海外での原発建設計画はなくなることになる。 東原氏は、今後数年は日本国内での原発の廃炉処理を重点的に行うとし、国内原発メーカーの統合について「人材確保や効率化の面から必要であれば議論すべきだ」との見解を示した。

膨らむ事業費

英メイ首相とも直接会談した同社の中西宏明会長は昨年 12 月末、1 月までとの期限を設けて英政府と追加の支援について協議し判断する方針を表明していた。 東日本大震災後の原発事故を受けて安全基準が世界的に引き上げられたことから、原発の建設費用は増大。 日本経済新聞などの報道によると、当初約 2 兆円と試算していた事業費は約 3 兆円まで膨らんでいるという。

SBI 証券の雨宮京子シニア・マーケットアドバイザーは、三菱重工業がトルコで進めている原発建造計画も難航しており「政府が推進してきた原発輸出政策はこれで行き詰まった格好となることから政策の見直しは必至」と指摘。 一方で、日立は経済合理性に基づいた判断を示したことで「ガバナンスが効いている企業であることを証明した」との見解を示した。 計画の中断については日経新聞が 11 日に報じた。 これを好感し同日の株価は前日比 8.6% 高となり、翌営業日 15 日も 7.1% 高となっていた。 (松田潔社、Bloomberg = 1-17-19)

日立、英原発計画を凍結へ 安倍政権輸出案件、全て暗礁に

日立製作所が、英国での原発新設計画を凍結する方向で調整していることが 16 日、分かった。 3 兆円規模に膨らんだ事業への出資企業を確保するのが困難で、巨額の損失が出た場合に単独では補えないためだ。 三菱重工業もトルコでの原発新設を断念する方向で、安倍政権が成長戦略の目玉に掲げた原発輸出の案件は全て暗礁に乗り上げることになる。

日立は事業継続の可能性を残すが、現状では事実上、撤退する公算が大きい。 日英両政府にこうした方針を非公式に伝えたもようだ。 日本の原発輸出政策は、ベトナムやリトアニアでも撤回や凍結など計画の見直しが相次いでおり、実現のめどが立たなくなっている。 (kyodo = 12-16-18)

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中国内、強まる反原発 決まらぬ最終処分場 政府も必死

中国政府が進める高レベル放射性廃棄物最終処分場計画は、2020 年までに候補地を選び、その後に地下試験(21 - 40 年)、検証と建設(41 年 - 今世紀半ば)へ進むという息の長いものだ。 しかし、甘粛省北山地区の開発者は中国紙に「(選定作業の)ペースが遅い」と発言。 地下水が少ないことが必須条件だが、地元住民は「予想より水が出ているようだ」とささやく。 日本と同じく、廃棄物の処分方法が決まらない「トイレなきマンション」の解決は容易ではない。

政府が頭を痛めるのは、最終処分場問題だけではない。 東京電力福島第一原発の事故で、中国の人々は原発に強い恐れを抱いた。 中国南部に位置する広西チワン族自治区防城港市は、ベトナムと国境を接する人口約 100 万人の都市だ。美しい砂浜を売りに、地元政府は観光にも力を入れる。 (asahi = 1-5-18)

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「四川大地震でも福島原発と似た状況あった」 中国高官

「2008 年の四川大地震でも東日本大震災の福島と似たような状況があった。」 原発政策を担当する中国高官のこんな発言が波紋を広げている。 事故は防げたとして中国の原発の安全性を強調する狙いだったが、当時はこうした状況が明らかにされておらず、かえって情報公開のあり方に疑問の声が上がっている。 国家原子力機構の王毅靱副主任が国営ラジオで 2 月中旬に語った。 中国は原子力発電を、安定的に供給できるクリーンなエネルギーととらえており、20 年まで発電能力を計 8,800 万キロワット(建設中も含む)にすることを目指している。

王副主任は「四川大地震時に核施設で(東京電力福島第一原発と)類似の危険な状況があり、緊急対策を実施した」と述べた。 電源が切れて燃料プールも破裂し、冷却水位が低下。 炉心(燃料など)が露出する可能性もあったが、発電機を手配して電源を回復し、プールも修理した結果、冷却水が戻り、事故を免れたと説明した。

四川大地震の震源近くに原発はなく、王副主任もどの施設かは特定していない。 だが、四川省の綿陽周辺には、中国初の核実験に貢献した中国工程物理研究院など核関連の軍事研究施設が 10 カ所以上あり、複数の原子炉があるとみられる。 地震発生後にも放射能漏れの心配があったが、当時の中国軍幹部は「核施設は安全だ」としていた。

王副主任は一方で、福島原発事故について「津波などの対策が不十分で、応急対応も不適切。避けられる事故だった」と指摘。 現在の原発は技術が進み、事故が起きても自動的に冷却システムが働くとし、「中国はずっとよい対処ができる」と安全性を強調した。 しかし、ネット上では「9 年も隠されていたとは」、「当局には放射能漏れを防ぐ能力があるのではなく、情報漏れを防ぐ能力があるだけだ」といった驚きや批判が広がっている。(北京 = 延与光貞、asahi = 3-20-17)

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日印原子力協定に署名 「核実験で協力停止」本文盛らず

安倍晋三首相は 11 日、インドのモディ首相と首相官邸で会談し、日本からインドへの原発輸出を可能にする原子力協定に署名した。 インドは核不拡散条約 (NPT) 非加盟の核兵器保有国。 日本はインドが核実験した場合の協力停止措置の明記を目指したが、関連文書への記載にとどまり、安保政策への制約を嫌うインドも自国寄りに解釈できる余地を残した。

日本がこれまでに原子力協定を結んだのは 14 カ国・機関あり、日本が輸出元となって NPT 非加盟国と結ぶのは 1985 年の中国(92 年に NPT 加盟)に続いて 2 例目。 日印の協定は、原発輸出に向け、日本の関連技術や物資の移転を可能にするもので、交渉は民主党政権時代の 2010 年に始まった。

インドはすでに米国やフランス、韓国など 8 カ国と協定を結んでいる。 日本は唯一の戦争被爆国として、核軍縮・不拡散外交を進めている。 このためインドが他国と結んだ協定にはない、核実験した場合の協力停止措置を明記するよう求めてきた。 だが、インド側が難色を示し、協定自体には明記されず、協定とは別の「見解及び了解に関する公文」と題する関連文書で折り合った。 (武田肇、asahi = 11-11-16)

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台湾が原発全廃へ 福島第一事故受け、25 年までに停止

台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が 2025 年に「原発ゼロ」にすることを決め、行政院(内閣)は、再生エネルギー事業への民間参画を促す電気事業法の改正案を閣議決定した。 太陽光と風力発電を中心に再生エネの割合を 20% まで高めることを目指す。 東日本大震災後の反原発の民意を受けたもので、改正案は近く立法院(国会)で審議に入り、年内の可決を目指す。

世界的にはドイツが 2022 年までの原発全廃を決めるなど、欧州を中心に脱原発の動きがある。 一方、増える電力需要に応えるため中国やインドが原発を増設させており、アジアでは台湾の取り組みは珍しい。 改正案は 20 日に閣議決定され、6 - 9 年かけて発送電分離も行う。 蔡氏は「法改正は原発ゼロを進め、電源構成を転換する決意を示すものだ」としている。

台湾では原発が発電容量の 14.1% (15 年)を占め、現在は第一 - 第三原発で計 3 基が稼働中。 だが、東京電力福島第一原発の事故で台湾でも反原発の世論が高まり、原発ゼロを公約に 5 月に総統に就任した蔡氏が政策のかじを切った。 稼働中の全原発は 25 年までに 40 年の稼働期間満了となる。 同法改正案では 25 年までに全原発を停止すると明記し、期間延長の道を閉ざす。

改正案では再生エネルギーの発電と売電事業をまず民間に開放。 送電は公営企業の台湾電力が引き受ける。 これまでは台湾電力が電力事業を基本的に独占してきたが、同社を発電会社と送売電会社に分割。 再度法改正を行い、再生エネ以外の電力事業も将来開放する方針だ。

政権は原発に代わる電力源として再生エネルギーに力を入れる。 太陽光と風力発電を再生エネの柱とし、発電容量の割合を現在の 4% から 25 年には 20% に拡大することを目指す。 石炭発電は 30%、天然ガス発電は 50% とする。 また太陽光発電を今後 2 年で 1,520 メガワット増やすなどといった短期的目標も設定。 電力購入価格の 20 年間保証や融資優遇策などで民間投資を呼び込む。

再生エネは天候などに左右されるため、同時に節電や蓄電にも取り組む。 ただ、太陽光発電は 10 年で 24 倍にする計画で、政権の思い描く通りに進むのかどうか疑問視する声もある。 電力関係者の間からは「実現のハードルは非常に高い」との指摘も出ている。 (台北 = 鵜飼啓、asahi = 10-22-16)

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小泉氏が涙 トモダチ作戦の健康被害「見過ごせない」

東日本大震災の「トモダチ作戦」に従事し、福島第一原発沖で被曝(ひばく)したとして、東京電力側を相手に集団訴訟を起こした米海軍の元兵士らが 400 人に達した。 「原発ゼロ」を唱える小泉純一郎元首相 (74) が訪米して健康被害の訴えに耳を傾け、「見過ごせない」と涙を流した。

小泉氏は訴訟支援者の求めに応じ、15 日から原告の元兵士ら 10 人と面会。 窮状を聞き、17 日(日本時間 18 日)に現地で記者会見を開いた。 「救援活動に全力を尽くしてくれた米国の兵士たちが重い病に苦しんでいる。 見過ごすことはできない。」 感極まって泣き、訴えた。 「原発推進論者も反対論者も、何ができるか共同で考えることだ。」 また、オバマ米大統領の広島訪問の意義に触れ、「核兵器の削減、廃絶にどうつなげていくかが大事だ」と指摘。 「原発も原爆もゼロに」と呼びかけた。 (カールスバッド(米カリフォルニア州) = 田井中雅人、平山亜理、asahi = 5-18-16)

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原発反対、米調査で初の過半数 原油価格低下の影響か

米調査会社ギャラップ社は、原発に反対する米国人の割合が、調査を始めた 1994 年以降で初めて過半数を占めた、と発表した。 5 年前の東京電力福島第一原発事故後も半数以上が原発利用に賛成していたが、最近の原油価格の低下などを受けて、割高な原発の必要性を感じない人が増えていると分析している。

同社が 18 日に発表した調査結果によると、原発に「反対する」とした人の割合は、昨年の 43% から 54% に急増。 94 年以降で最も高かった 01 年の 48% を上回り、初めて半数を超えた。 一方、「支持する」とした人は過去最低の 44% にとどまり、04 年以降で初めて半数を割り込んだ。 福島原発事故後に行った 12 年の調査では、「支持」は事故前の 11 年と同じ 57%。 「反対」は 2 ポイント増えて 40% だった。 (ワシントン = 小林哲、asahi = 3-24-16)

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福島の高校生ら「原発事故には人的原因」 スイスで発表

スイス・ジュネーブで開かれている国際赤十字・赤新月社連盟 (IFRC) 総会前のイベントで、福島の高校生らが、東京電力福島第一原発事故について、原子力災害には人的な原因があったとの見方を英語で発表した。 発表したのは、原発事故について学ぶ市民団体「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」に参加する福島県立安積高校 2 年の今園柊香さん (17)、慶応義塾高校 3 年の高橋侑也さん (18)、中央大学総合政策学部の北見耀子さん (18) の 3 人。 国会事故調の調査結果を簡単にまとめた動画を見せながら、事故の経緯などを各国の赤十字関係者らに説明した。

3 人は「(福島の)事故は防ぎ得たかもしれないのに、どうして起きたのか」と問題提起した上で、国会事故調の報告書を利害関係者それぞれの立場に立って分析した結果として「(利害関係者間で)十分な対話ができていなかった」とする仮説を紹介した。 終了後、インドやザンビアの赤十字幹部から「本当に感動した」、「すばらしい」などの感想が出た。 発表後、まとめ役を務めた北見さんは、「いろんな人々に話を聞いてもらってうれしかった」と話した。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 12-7-15)

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白血病リスク、低線量被ばくでも増 欧米 30 万人調査

【ワシントン】 低線量の放射線を長期間にわたって浴びることで、白血病のリスクがごくわずかだが上昇するとの疫学調査結果を、国際がん研究機関(本部フランス)などのチームが英医学誌ランセット・ヘマトロジーに発表した。 欧米の原子力施設で働く 30 万人以上の被ばく線量と健康状態のデータを分析。 低線量被ばくの健康影響を統計的に示した研究は少なく、東京電力福島第 1 原発などで働く作業員や、放射線機器を扱う医療従事者の健康管理に役立つ可能性がある。

リスク上昇が非常に小さいため、国際放射線防護委員会 (ICRP) の勧告に基づいて政府などが定める被ばく線量限度の再検討は必要なさそう。 ただ一定の線量を超えないと健康影響は出ないとする考え方は見直しを迫られそうだ。

チームは過去約 60 年間、フランスと英国、米国の原発や核燃料施設などで 1 年以上働いた約 30 万 8,300 人の健康状態と被ばく線量の関係を統計的に分析した。 結果は、被ばくがなくても白血病を発症する可能性を 1 とする「相対リスク」を考えた場合、1 ミリシーベルトの被ばくごとに相対リスクが 1,000 分の 3 程度上昇するという内容。 100 ミリシーベルト以下の低線量でもリスクはなくならないとした。 作業員の年間被ばく線量は平均 1.1 ミリシーベルト、積算線量は平均 15.9 ミリシーベルトで、531 人が白血病で死亡。 リンパ腫なども調べたが、明確なリスク上昇は確認できなかった。 (kyodo = 7-2-15)

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台湾の日本産食品輸入規制強化、一方的で極めて遺憾 = 林農水相

[東京] 林芳正農林水産相は 14 日、閣議後の会見で、台湾が原発事故で汚染された食品の日本からの輸入を防ぐため、新規制を 5 月にも導入すると決めたことについて、一方的なもので極めて遺憾、との見解を示した。 同相は、台湾側の規制について詳細は照会中だとしたうえで、「日本側から、科学的根拠に基づき輸入規制の緩和を再三求めてきたにもかかわらず、一方的に規制を講じるもので、極めて遺憾」だと述べた。

政府として、台湾に今回の措置の即時撤廃を要請し、日本が示してきた科学的根拠に基づき速やかな規制緩和を実施するよう申し入れたという。 台湾は福島など日本の 5 県からの食品輸入を停止しているが、今回、一部の県産品について放射性物質検査証明書の添付を義務づけ、さらに 42 都道府県について産地証明書の添付を義務づけることを決めた。 (Reuters = 4-14-15)

台湾で日本食品回収騒ぎ 輸入業者が産地偽装か

台湾で、東京電力福島第一原子力発電所事故後に輸入が禁止された日本産食品が輸入されていたとして回収騒ぎになっている。 台湾は今も福島など 5 県でつくられた食品の輸入を全面的に禁じているが、業者が産地表示を変えて持ち込んだ疑いがあるという。

食品薬物管理署が 24 日、発表した。 問題になっているのはカップ麺や飲料など 283 品。 製品に記載された記号から生産工場を調べたところ、輸入を禁じている福島、茨城、栃木、群馬、千葉の 5 県で生産されたことが分かったという。 輸出用の中国語ラベルには、東京や大阪など食品メーカーの本社所在地とみられる場所が記載されていた。

台湾では日本産食品が人気で、メーカーと無関係の業者が独自に輸入しているケースも多い。 日本の窓口機関、交流協会はこれまでも、「日本は厳しいモニタリング制度があり、国内で流通している食品は安全」として、台湾側に輸入解禁を働きかけている。(台北 = 鵜飼啓、asahi = 3-25-15)



東芝、中国で原発向け設備受注へ 2,000 億円規模

東芝が中国で原子力発電所の主要設備を大量受注することが有力になった。 現地の複数の原発運営会社と計 6 - 8 基分を納入する方向で最終交渉に入った。 受注額は 2 千億円規模のもよう。 エネルギー消費が増える中国では、世界で最も多く原発新設が計画されている。 東芝は中央アジアのカザフスタンでも原子炉納入交渉を進め、新興国市場開拓を加速する。

米国子会社の原発設備大手ウエスチングハウス (WH) が、山東省の海陽原発、浙江省の三門原発向けなどに納入する。 制御システム、タービンなど主要設備の一部を受注するとみられる。 原子炉本体は含まない。 WH は中国の国営原子力企業、国家核電技術 (SNPTC) への技術協力などを通じ足場を固め、中国の原発市場でトップに立つ。 だが日本や欧米のメーカーに韓国やロシア勢なども加わり、受注競争は激化している。 WH は海陽、三門の両原発で中型炉を 2 基ずつ建設しており、2020 年代に稼働する増設分の設備受注で有利に働いた。

国際エネルギー機関 (IEA) によると、世界の原発の発電容量は 40 年に 6 億 2,400 万キロワットと 13 年比 6 割増える。 新設分の 4 分の 1 強を中国が占める。 中国で 25 年までに 50 基が新設されるとの予測もある。 温暖化防止などから新興国を中心に原発導入が相次ぐ。 東芝は WH を通じてカザフスタンでも新設原発への原子炉納入を狙う。 国営原子力事業会社カザトムプロムと交渉しており、日本政府もインフラ輸出の一環として受注活動を後押しする方針だ。

カザフスタンは原発の燃料となるウランなどが豊富な資源国。 東芝は WH 株の一部をカザトムプロムに譲渡するなど関係を深めており、原発輸出が実現すれば資源を安定的に確保する効果も期待できそうだ。 (nikkei = 1-4-14)

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韓国原発建設現場でガス漏れ事故、3 人死亡

国の重要施設でもある原子力発電所では最近サイバー攻撃や内部文書の流出など深刻な問題が相次ぎ、警戒態勢が一層強化されているが、そのような中でまたも不祥事が発生した。 26 日午後、蔚山市内の原発建設現場でガス漏れ事故が発生し、作業員 3 人が死亡したのだ。

国民安全処と韓国水力原子力(以下、韓水原)はこの日「今回事故で死者が発生した原発は、来年の稼働に向けて最後の工事が行われていた」とした上で「最近のサイバー攻撃とは無関係で、放射能漏れもなかった」と説明した。 しかし専門家の多くは「今年の年末、国内の原発はどこも非常警戒態勢に入っているはずだが、そのような中、原発建設現場で死者が発生する事故が起きたことは、日常の管理がいかにずさんかを示している」と指摘した。

韓水原によると、事故は 26 日午後 5 時 18 分ごろ、蔚山市蔚州郡の新古里原発 3 号機の建設現場で発生した。 現場で作業中だった現代建設の協力会社・KTS ソルーションズの 50 歳の作業員、テギル建設の 41 歳の作業員と 23 歳の作業員の 3 人が、窒素とみられるガスを大量に吸い込んで死亡した。

現場にいたもう 1 人の作業員も中毒症状を起こしたが、幸い命に別状はなかった。 作業員らは新古里原発 3 号機補助建屋の地下 2 階にあるケーブルが貫通する密閉された場所を巡回中だったという。 事故直後の現場の様子について第 1 発見者の作業員は「作業員たちが予定された時間になっても巡回から戻らなかったので、様子を見にいったところ、意識を失って倒れているのを発見し、その場で通報した」と説明した。

事故直後、中央救助本部蔚山化学救助センターの消防官が緊急出動したが、その時点で現場の酸素濃度は呼吸ができない 14% ほどにまで低下していたという。 大量の窒素が瞬時に広がり、空気中の酸素濃度が一気に低下したことが原因と推定されている。 事故が発生した場所には、窒素など原子炉の稼働に必要な複数のガスを供給するバルブが設置されていた。 原子炉では過熱を防ぐために海水が冷却水として使用されるが、窒素ガスは海水を内部に押し込むのに使用されている。 警察と消防署は窒素ガスが漏れ出した原因など、事故の経緯について詳しく調査を行っている。

先日「原発反対グループ」を自称するハッカーが、クリスマス以降月城原発 2 号機や古里 1 号機、3 号機などの稼働中断を求めていることが報じられたが、今回事故が発生した新古里原発 3 号機はそれらとは別のものだ。 今回事故を起こした新古里 3 号機は今年 3 月から 140 万キロワットの出力で商業運転に入る予定だったが、昨年試験結果報告書の捏造が問題となった不良制御ケーブルを使用していたことが分かり、これを交換するため運転開始は来年 7 月に先送りされている。 現在の工程率は 99% だ。

取材に応じた蔚山市民 (46) は「原発で事故が発生したというニュースを聞き、またサイバー攻撃かと思って驚いた」、「国民の信頼が失われている状況で、今度は死者を出す事故が発生した。 原発政策を行う政府は一体何をやっているのか」と不満を吐露した。 (李仁烈記者、韓国・朝鮮日報 = 12-27-14)

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米沿岸で福島原発からの放射性物質を初検出 研究所発表

米カリフォルニア州の沿岸部で、東京電力福島第一原発事故で放出された放射性セシウムが海水から検出されたと米ウッズホール海洋研究所が発表した。 米国での検出は初めて。 非常に微量で人体への影響はないとしているが、原発事故から約 3 年半かけて太平洋を渡ったことになる。

同研究所は、ボランティアの協力を得て海水を採取してきたが、8 月にカリフォルニア州北部で採取した海水から放射性セシウム 134 が検出された。 セシウム 134 は通常自然界では検出されず、半減期が 2 年のため、原発事故時のものと考えられるという。 検出したのは 1 立方メートルあたり 2 ベクレル以下と、米政府が定める飲料水基準の 1 千分の 1 以下の値で「人体にも海洋生物にも影響する値ではない」としている。 カナダ西海岸では今年 2 月に微量を検出したとの研究者の報告があったという。

海流の流れ方は複雑なため、放射性物質の拡散の仕方や量の予測にはばらつきがあり、「2、3 年後にセシウム値が上がるとの予測もある」としている。 (サンフランシスコ = 宮地ゆう、asahi = 11-15-14)

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世界の原発 426 基 … 中国 3 基増・日米で 6 基減

日本原子力産業協会のまとめによると、全世界にある原子力発電所は今年 1 月時点で、31 か国・地域で 426 基だった。 中国などで 3 基の運転が始まったが、東京電力福島第一原発 5、6 号機の廃炉など日米で 6 基が閉鎖され、1 年前に比べ 3 基減った。 一方、経済成長で電力需要が増える新興国や中東を中心に、建設中と計画中の原発が計 181 基に上っている。

原発が最も多かったのは米国の 100 基で、フランスの 58 基、日本の 48 基、ロシアの 29 基、韓国の 23 基、インドの 20 基、カナダの 19 基、中国の 17 基などが続いた。 中国で 2 基、イランで初の原発 1 基の運転がそれぞれ始まった。 建設中が最も多いのは、中国の 31 基だった。 計画中の 23 基を含めすべて完成すると、中国は 71 基の原発保有国になる。 建設中と計画中の合計では、ロシアが 28 基、インドが 13 基、トルコが 8 基などとなっている。 (yomiuri = 5-10-14)

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東海村で保管の核物質、米に引き渡しへ テロ対策に協力

茨城県東海村の原子力研究施設に核爆弾への転用が比較的容易な高濃縮ウランやプルトニウムが計 500 キロあることへの懸念が、米政府から日本政府に伝えられていたことが非営利の米報道機関「センター・フォー・パブリック・インテグリティー (CPI)」と朝日新聞の共同取材でわかった。

数十発の原爆に相当する量で、原発の核燃料に比べて純度が高く、持ち運びがしやすい形をしている。 テロ対策のために核物質の集約をめざす米国に協力せざるを得ないと判断し、日本は 24、25 両日にオランダ・ハーグである核保安サミットでこれらを米国に引き渡す方針を表明する。

米国が心配するのは、東海村の日本原子力研究開発機構の「高速炉臨界実験装置 (FCA)」にある核物質。 CPI が入手した米エネルギー省の内部文書によれば、FCA には 93% の高濃縮ウランが 199 キロある。 核分裂性のプルトニウムは 290 キロ余あり、そのうち 231 キロは 92% の純度。 関係者によれば、1960 年代から 70 年ごろにかけて高濃縮ウランは英国から、プルトニウムは英米両国から研究用として購入した。 (asahi = 3-24-14)

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米、日本にプルトニウム返還要求 300 キロ、核兵器 50 発分

核物質や原子力施設を防護・保全する「核セキュリティー」を重視するオバマ米政権が日本政府に対し、冷戦時代に米国などが研究用として日本に提供した核物質プルトニウムの返還を求めていることが 26 日、分かった。

このプルトニウムは茨城県東海村の高速炉臨界実験装置 (FCA) で使う核燃料用の約 300 キロ。 高濃度で軍事利用に適した「兵器級プルトニウム」が大半を占め、単純計算で核兵器 40 - 50 発分程度に相当する。 日本側ではこれまで「高速炉の研究に必要」と返還に反対する声も強かったが、米国の度重なる要求に折れて昨年から日米間で返還の可能性を探る協議が本格化している。 (kyodo = 1-26-14)

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さらに 4 人が被曝 米核施設の放射線漏れ

米西部ニューメキシコ州カールスバッド近郊にある核施設の周辺で 2 月中旬、放射線が検知され従業員 13 人が内部被曝(ひばく)した問題で、米エネルギー省は 12 日までに、さらに従業員 4 人が内部被曝したと発表した。ロイター通信が報じた。 エネルギー省は、この 4 人も含めた計 17 人が取り込んだ放射性物質は「ごく微量」で、健康への影響はないとしている。

この施設は核兵器開発で生じた放射性廃棄物を地下約 660 メートルの保管施設に埋設処分している。 2 月 14 日、地下で放射線が検知され、その後上空でもわずかな放射線量の上昇が観測された。 最初に被曝が判明した 13 人は同月 14 日に地上で作業しており、新たに被曝が分かった 4 人は 15 日に地上にいたという。 (kyodo = 3-13-14)

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核廃棄物管理施設の地下で放射線感知 米西部、地上は異常なし

米西部ニューメキシコ州カールスバッド近郊にある低レベルの放射性廃棄物の管理施設の地下部分で 17 日までに、放射線が感知され、エネルギー省は職員らの地下への立ち入りを禁止して状況を調べている。 AP 通信が伝えた。

感知したのは 14 日。 当時、付近に職員らはおらず、被ばくした人はいない。 同省は、地上で異常は確認されず、人への危険はないとしている。 この施設はプルトニウムで汚染された工具などを地下で管理している。 今月 5 日には火災が発生して全職員が避難する騒ぎがあった。 (kyodo = 2-18-14)

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韓国の古里原発 1 号機が自動停止、電力不足深刻化の恐れ

[ソウル] 韓国の古里原子力発電所 1 号機が「安全上の措置」で 28 日に自動停止した。 韓国水力原子力 (KHNP) が明らかにした。 国内の原子炉 23 基のうち 6 基が停止中となり、深刻な電力不足となるこの冬に計画停電が実施される可能性が高まった。

KHNP の広報担当は、「われわれは停止の原因を調査中で、再稼働の時期についてはまだ分からない」と述べた。 韓国では原発が電力の 3 分の 1 程度を供給している。 制御ケーブルの安全証明書で偽造が発覚し、5 月に停止となった3基についても、再稼働のめどが立っていない。 (asahi = 11-28-13)

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福島原発事故の影響は日本政府の主張を大きく上回る … 韓国が調査

9 月に開催された国際五輪委員会 (IOC) 総会で、福島第 1 原発の汚染水問題の質問を受けた安倍晋三首相は「絶対に東京に影響はない」と安全性を主張した。 韓国メディア KBS の取材班はこのほど、福島県周辺で原発事故の影響を調査したところ、汚染の範囲は日本政府の主張を大きく上回ることが分かったという。 中国中央電視台が報じた。

KBS の記者は日本の大学研究員と共同で、東京湾の海底 7 カ所から泥土サンプルを採取し、セシウム濃度を観測した。 調査の結果、サンプルのすべてから国が定める食品中の放射性物質の基準値(1 キロ当たり 100 ベクレル)を上回る放射性物質が検出された。

また、福島原発から約 700 メートル離れた場所で採取した土壌サンプルからは放射性物質が 1 キロあたり 4 万ベクレルが検出された。 これは韓国の基準値の 100 倍以上にあたるという。 また、福島県から 100 キロメートル以上離れた仙台湾のサンプルからも 2,000 ベクレルが検出された。

記事は、「安倍首相は汚染水の影響は完全にブロックされていると説明したが、韓国側の調査によって、福島原発問題は日本政府が対外的に主張している範囲を大幅に上回っていることが明らかになった」と報じた。 (サーチナ = 10-19-13)

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東芝、英で原発会社買収へ 欧州・アジアでの建設強化

【内山修】 東芝は、英国で原発の新設を進めるフランス、スペインの合弁会社を買収する方向で最終調整に入った。 子会社の米原発メーカー大手のウェスチングハウス (WH) によるもので、買収額は少なくとも 100 億円を上回る見通し。 原発事故を受けて国内の新設は難しいことから、欧州やアジアなど海外での原発事業を強化する。

関係者によると、年内の合意を目指している。 東芝が海外で原発の事業運営会社を買収するのは初めて。 建設後の原発運営は電力会社などに委託する方針だ。 買収をめざすのは、フランスとスペインの大手電力会社が折半で出資する「ニュージェン」。 両社から 50% 超の株式を取得する方向だ。 合弁会社は英国に拠点があり、英中部で計 360 万キロワット分の原発をつくる予定。 大型原発で 2 - 3 基分にあたり、2023 年までに稼働するという。 (asahi = 10-6-13)

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停止中の米原発 2 基廃炉に … 三菱重に損賠請求へ

【ワシントン = 中島達雄】 米カリフォルニア州の電力会社サザン・カリフォルニア・エジソンは 7 日、停止中のサンオノフレ原子力発電所 2、3 号機を廃炉にすると発表した。 2 基の原子炉は昨年、三菱重工業製の重要設備「蒸気発生器」でトラブルが発生した。 エジソン社は原因を特定して対策を打ち出したが、周辺住民の反対が強まる中、米原子力規制委員会 (NRC) の安全審査が、今後 1 年以上かかる見通しとなったことから、再稼働を断念した。 日本国内では、同型の蒸気発生器は使われていないという。

米国では「シェールガス」と呼ぶ天然ガスの産出量の増加に伴って、火力発電所の運転コストが低下。 原発は経済的な競争力が悪化し、廃炉の決定が相次いでいる。 エジソン社は既に 1 号機を廃炉としていたが、運転開始から約 30 年間の 2、3 号機も、停止が長期化すれば、採算が合わないと判断した。 従業員約 1,100 人を解雇し、三菱重工に損害賠償を請求する方針だ。 (yomiuri = 6-8-13)

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トルコ原発、三菱重連合が受注へ 震災後、初の輸出

トルコが計画中の原子力発電所 4 基の建設に対し、三菱重工業と仏原子力大手アレバの企業連合が受注する方向で最終調整に入ったことが 4 日、明らかになった。 事業費は 220 億ドル(約 2 兆円)以上とされ、官民で受注を働きかけてきた。 実現すれば、福島第一原発事故の後、官民による初の「原発輸出」となる。

経済産業省や三菱重工の担当者がトルコ入りし、大詰めの交渉を進めている。 トルコは初の原発を地中海側のアックユに建設する計画で、ロシア企業が受注済み。 2 カ所目を黒海沿岸のシノップに原発 4 基を建てる計画で、2020 年代前半の運転開始をめざす。 三菱重工の連合はシノップ原発の受注に名乗りを上げ、アレバとの合弁会社がつくる新型の加圧水型炉 (PWR) 「アトメア 1 (110 万キロワット級)」を売り込む。 (asahi = 4-4-13)

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韓国政府が緊急の節電訴え 事故や不正で原発 3 基止まる

【霊光(韓国) = 中野晃】 韓国政府は 16 日、厳冬期に電力不足に陥るリスクが高いとして国民に緊急の節電を呼びかけた。 南西部の霊光(ヨングァン)原発で 11 月に入り、事故や不正で 6 基のうち 3 基が稼働を止めたためだ。 金滉植(キムファンシク)首相が緊急に記者会見し、「全国民が節電に協力してこそ危機を克服できる」とし、暖房の温度を低めにすることなどを訴えた。 電力確保のため「年末までに再稼働できるよう最善を尽くす」とした。

霊光原発では、過去 10 年に納入された 5 千個超の部品について品質検査の書類偽造が発覚。 原子炉格納容器内で部品の亀裂も判明して 3 基(出力計 300 万キロワット)が稼働を停止。 この冬の電気供給能力の 3 - 4% にあたる規模という。 (asahi = 11-16-12)

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韓国原発の制御棒関連機器に亀裂、稼働停止 電力供給に不安

ソウル 韓国で原子力発電所を運営する企業、韓国水力原子力は 9 日、同国南西部にある霊光(ヨングァン)原発 3 号機で原子炉の制御棒を通す案内管の 6 カ所で微細な亀裂が見付かったと発表した。 制御棒は核分裂の速度を管理する役目がある。 韓国の原子力規制当局によると、亀裂は 36 日間にわたる定期点検のための稼働停止後に発見された。 政府による原因究明調査のため運転は 47 日間停止する。 冬季を迎え、電力供給の新たな不安材料になる可能性がある。

同社の技術管理部門の責任者は、亀裂は深刻なものではなく、放射性物質が漏えいする恐れはないと説明。 3 号機の停止が韓国の電力供給量にどう影響するのかは不明としながらも、同社は緊急事態に備えての計画の作成に着手したと述べた。 地元の慶熙大学で原子力問題を担当する教授は、予想もしなかった原子炉 3 基の稼働停止で電力供給が不足することへの強い懸念を示した。

霊光原発では今月初旬、5 号機と 6 号機で部品の偽造問題が発覚して数千点の部品交換に追い込まれ、稼働の停止を強いられていた。 韓国政府当局は当時、原子炉 2 基の停止で電力供給が前例のないレベルでひっ迫する可能性を警告していた。 2 基は同国の電力供給量のうち約 5% を担っていた。

韓国・漢陽大学の原子力担当教授は、今回の亀裂について深刻な問題ではなく、米国や日本など他国の原発でも発見されたことがあると指摘。 ただ、韓国政府が推進する原子力関連技術の輸出戦略を損ねる可能性があると述べた。 (CNN = 11-10-12)

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