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ICPO 総裁、中国で拘束か 仏当局が捜査始める

【パリ = 白石透冴】 中国出身の国際刑事警察機構 (ICPO) の孟宏偉総裁が、フランスから中国に入った 9 月下旬から行方不明になっていることがわかった。 中国当局に何らかの理由で拘束されている疑いがあり、ICPO の本部がある仏リヨンの検察当局は捜査を始めた。 64 歳の孟氏は中国公安省の次官を務めていた 2016 年、中国人として初めて任期 4 年で ICPO の総裁に就任した。 リヨン在住の孟氏の妻からこのほど仏当局に「中国に入った夫と連絡がとれない」と通報があった。 仏当局は仏国内で行方不明になったのではない、と判断している。

香港の有力紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは関係者の話として、孟氏が空港に到着後ただちに中国当局に拘束されたと伝えた。 中国出身者が帰国時に突然拘束される事例はこれまでにも起きており、数カ月たって汚職などの容疑があると明らかにされる場合がある。 ただ孟氏の拘束の容疑や場所は明らかになっていない。 ICPO は世界の警察間の連携を強めるために設立。 192 の国・地域の警察組織をメンバーに持ち、国境を越えて犯罪や犯罪者の情報を収集・分析している。

- 日経新聞 2018 年 10 月 6 日 -


消息不明の孟宏偉 ICPO 総裁が「辞任」 刃物の絵文字で妻にメッセージも 身に危険か

【パリ = 三井美奈】 国際刑事警察機構(ICPO、本部フランス・リヨン)は 7 日の声明で、消息不明になっていた孟宏偉総裁の辞任を発表した。 「ICPO 本部が辞表を受け取り、即時に発効した」と明記した。 中国の国家監察委員会は 7 日にホームページで、孟宏偉氏に違法行為があったとして取り調べを行っていると明らかにしており、辞任は中国当局の意向を受けたものと見られる。

ICPO の声明によると、韓国出身のキム・ジョンヤン副総裁が総裁を代行し、11 月 18 日にアラブ首長国連邦 (UAE) のドバイで始まる ICPI 総会で新総裁が指名される予定。 新総裁は、孟氏の任期だった 2020 年まで務める。 ICPO のストック事務総長は 6 日、中国当局に孟氏の安否をめぐって事実解明を求めたと発表したが、7 日の声明は孟氏の所在については触れていない。

一方、孟氏の妻は 7 日、リヨンで記者会見した。 妻によると、9 月 25 日に孟氏から「私の電話連絡を待て」というメッセージを受信。 続いて届いたメッセージには、「身の危険」を知らせようとしたのか、刃物を示す絵文字が送られてきたという。 その後、連絡はなく、何が起きたか分からないという。

- 産経新聞 2018 年 10 月 8 日 -


ICPO 総裁辞任の孟氏を「収賄」で調査 中国公安省「周永康の害毒を粛清」

【北京 = 西見由章】 中国の趙克志国務委員兼公安相は 8 日、公安省共産党委員会の会議を開き、国際刑事警察機構 (ICPO) 総裁を務めていた公安省次官、孟宏偉氏 (64) が収賄の疑いで国家監察委員会から取り調べを受けていることを報告した。 会議は、公安部門の実権を握りながら習近平指導部による反腐敗闘争で失脚した周永康・元政治局常務委員 = 収賄罪などで無期懲役 = に言及し、その「害毒による影響」を徹底的に粛清しなければならないと訴えた。

国家監察委は 7 日深夜、「違法行為」の疑いがあるとして消息不明になっていた孟氏への調査を公表。 公安省党委員会の会議は翌 8 日未明に開かれており、調査公表を受けて急遽開かれたとみられる。 公安省の発表によると、会議は孟氏を「自業自得の結果だ」と批判した上で、監察委の調査について「時宜にかない、完全に正しく非常に賢明だ。 法律の前では特権や例外がないことをはっきり示した。」と称賛。 「政治的な立場や方針、原則において習近平同志を核心とする党中央との高度な一致を保たねばならない」とし、習氏への「絶対的な忠誠」を求めた。

さらに、党中央の要求に従って専門チームを組織し、「孟氏と共謀して賄賂を受け取った人物」を調査することも明らかにした。 中国外務省の陸慷(りく・こう)報道官は 8 日の記者会見で、孟氏の取り調べについて「法による統治と反腐敗を推進する中国政府の揺るぎない決意の表れ」と自賛。 国際機関のトップに送り込んだ人物が捜査対象となり、任期途中で辞任する異例の混乱を招いたことへの責任には全く触れないまま、中国が今後も「責任ある大国」として国際機関において役割を発揮していく考えを示した。

- 同 上 -


こんな総裁を送り込んでと、中国は謝罪すべきではないか

記者が老人に尋ねた。 「新政権の汚職取り締まりは本気のようです。 どう思われますか。」 「というと、今までの取り締まりはお遊びだったのかい。」 数年前に中国で広まったジョークだそうだ。 「トラもハエもたたく」という習近平政権の「反腐敗キャンペーン」は権力闘争としか思えない。

▼ インターポールの名で知られる国際刑事警察機構 (ICPO) の孟宏偉(もう・こうい)総裁が、中国に一時帰国して消息不明になった。 妻に刃物の絵文字のメッセージが届いたというのも謎めいている。 孟氏は辞任を表明し、中国政府は身柄を拘束して収賄容疑で取り調べていると発表した。 真相はまだわからない。

▼ ICPO は国際犯罪の摘発、防止を目的にした各国警察の協力機関である。 トップの不祥事とすれば、そんな人物を送り込んだ中国は納得できる説明と謝罪をするのが責務ではないか。 孟氏の就任には中国による政治利用も懸念されたが、国際社会の信用が失墜したのは確かだ。

- 産経新聞 2018 年 10 月 9 日 -

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