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宇宙誕生の謎、有力仮説覆す 京大理学部 20 人卒業研究

京都大理学部の 4 年生ら約 20 人が卒業研究として取り組んだ物理実験の結果に、注目が集まっている。 宇宙の始まりとされる「ビッグバン」の理論に残る大きな課題、「宇宙リチウム問題」に一石を投じる成果を上げたのだ。 有力とされてきた仮説を否定するもので、論文が 3 日、米国の物理学会誌に掲載された。

ビッグバン理論では、大爆発の直後、水素やヘリウムといった元素とともに、同じように軽いリチウムも生まれたとされる。 だが、星の観測などから判明したリチウムの量は、理論上はじき出された量の 3 分の 1。 宇宙の謎の一つとなっている。 注目されてきたのが、元素周期表で 3 番のリチウムの隣にある 4 番のベリリウムの性質。 ベリリウム 7 は電子が一つ合体するとリチウムに変わる。 理論の推定よりもリチウム以外の元素に変わる確率が高いから、実際のリチウムの量が理論の 3 分の 1 しかないのではないか。 そんな仮説が有力視されてきた。

だが、仮説を確かめる実験は難しく、証明されていなかった。 特に「ベリリウム 7 と中性子がぶつかってヘリウム 4 が二つ生まれる反応」は難しく、ヘリウムに変わる確率を精密に調べられずにいた。

ここに目を付けた川畑貴裕准教授ら実験グループは、不安定で扱いにくいベリリウムでも、精密なデータを得られる実験手法を考え出した。 「学生に本格的な研究経験を積ませたい」と、最初にこの実験に挑ませたのは 2014 年度の 4 年生たち。 すぐに成果が出ず、3 代にわたり 4 年生が実験器具を改良するなどして挑戦を続け、今年度、ようやくきれいなデータを得ることができた。 その結果わかったのは、ベリリウムがヘリウムに変わる確率は高くないこと。 4 年生らは「仮説ではリチウムの不足を説明できない」と結論づけた。

「謎は一層深まった。 宇宙リチウム問題については、他の仮説を検討しなければならないだろう。」と川畑准教授は話す。 しかし、有力な仮説を否定する実験結果を得たことは、学会では大きな成果だとみなされた。 今月になって、世界で最も権威ある物理雑誌の一つ、「フィジカル・レビュー・レターズ」に論文が掲載された。 川畑准教授は「卒業研究でこんな結果を出せることはめったにない」と称える。 実験に参加した越川亜美さん (23) は「実験中は設計した器具が壊れないかと、はらはらしていた。 すごいことを成し遂げた実感が出てきたのは最近のことです。 貴重な経験ができました。」と話した。(波多野陽)

- 朝日新聞 2017 年 2 月 14 日 -


地球に似た惑星を七つ確認 40 光年先、海が存在?

地球から約 40 光年離れた恒星の周囲を、地球に似た七つの惑星が回っていることがベルギー・リエージュ大などの国際チームによる研究でわかった。 質量やサイズが地球と同程度で、地表に海が存在する可能性があるものもあるという。 成果は 23 日付の英科学誌ネイチャーで発表される。 研究チームは米航空宇宙局 (NASA) のスピッツァー宇宙望遠鏡などで、「TRAPPIST (トラピスト) - 1」という恒星を観測。 恒星を横切る惑星が少なくとも七つ存在することを突き止めた。

半径は地球の 0.8 - 1.1 倍程度。 ほとんどの星の質量は 0.4 - 1.4 倍で岩石でできている。 トラピスト - 1 の温度や距離などから、七つのうち三つの惑星には地表に海があって生命が存在する可能性もあるという。

これまでも地球に似た惑星は見つかっているが、チームの研究者は「今回の惑星は、地球外の生命を探す上で最も可能性の高いものだ」と説明している。 東京大の成田憲保助教(系外惑星天文学)は「これまでより高い精度で半径や質量などが分かっている。 七つもの地球に似た惑星が太陽系に近い恒星を周回していたことも前例がなく驚きだ。 少なくとも三つの惑星に液体の水が存在する可能性が指摘されており、今後のさらなる調査が期待される。」と話す。(山崎啓介)

- 朝日新聞 2017 年 2 月 23 日 -


小惑星衝突危機、そのとき人類は 100m 級でも大被害

《新たな小惑星が見つかった。 国際天文学連合は「2017PDC」と命名し、軌道計算から、地球に衝突する可能性がある「潜在的に危険」と分類された。 NASA (米航空宇宙局)と ESA (欧州宇宙機関)は、10 年後に衝突の可能性があると推定。 直径は 100 - 250 メートルとみられる。 当初 4 万分の 1 だった衝突確率は、各国の観測機関の追跡観測の結果、2 カ月あまりで 1% 近くに上昇した。 衝突危険エリアは北太平洋から東京、韓国、中国、ロシア、英国北部にまで広がる。 人類はどう対処するのか。》

世界の専門家が集まり、天体の地球衝突を議論する「第 5 回プラネタリー・ディフェンス・カンファレンス (PDC)」が 5 月、東京・日本科学未来館で開かれる。 冒頭のシナリオはこの会議の演習に使われる。 2017 年 3 月 6 日に小惑星を見つけた、という想定だ。 天体衝突が現実の脅威として共有されたのは、1994 年のシューメーカー・レビー第 9 彗星がきっかけ。 約 20 個に分かれた直径 1 - 4 キロの破片が次々と木星を直撃。 大火球やキノコ雲が、地球からも観測された。 (香取啓介)

- 朝日新聞 2017 年 4 月 2 日 -


土星の衛星、生命存在の環境整う? 水素分子を検出

米航空宇宙局 (NASA) は 13 日、土星の衛星エンケラドスの表面から噴き出したガス中から、微量の水素分子を検出したと発表した。 表面を覆う氷層下にある海底で、熱水が噴き出している可能性が高く、地球外生命への期待を高める成果という。 14 日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載された。 NASA によると、土星探査機カッシーニが 2015 年にエンケラドス(直径約 500 キロ)に接近した際に表面から噴き出すガスを採取。 機体に積んだ装置で分析したところ、約 98% を占める水のほか、微量の水素や二酸化炭素 (CO2) などを含むことが判明した。

エンケラドスは、表面が氷で覆われ、内部に岩石の核があるとされる。 氷層と核の間には、土星の引力の作用で生じる熱により、大量の液体の水がある。 水素の発生源は、熱せられた岩石と水の化学反応が有力で、海底で継続的に作られているとみられる。 地球の深海の熱水噴出口では、太陽光が届かない暗闇にもかかわらず、水素をエネルギー源にして CO2 からメタンを作り出す微生物が生息し、独自の生態系が形成されている。 エンケラドスの内部でも、微生物の存在に必要な環境が整っていることになる。 (ワシントン = 小林哲)

- 朝日新聞 2017 年 4 月 14 日 -


火星で見つかった "異様すぎるクレーター" は古代文明の遺跡か!?

NASA も完全にお手上げ「根拠のある答えがない」

地球との類似点が数多く指摘されている赤い惑星、火星。 科学者らも火星にははるか昔に濃い大気が存在していたことや、惑星の地表が約 2 割ほど海で覆われていたことを科学的に証明している。 著しく地球と似ている火星の地上では、NASA の探査車「キュリオシティ」などが調査を続けており、塩水の発見や巨大なクレーターの撮影に成功している。

ただ、長年に及ぶ火星探査機による調査にもかかわらず、火星上における生命体の存在は科学的には証明されていない。 しかし今回、NASA が打ち上げた探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(以下、「MRO」)」から送られてきた衛星写真に、知的生命体の存在を示唆する物体が写り込んでいた。

探査機「MRO」が捉えた画像には、火星表面に形成されたクレーターの数々が写されているのだが、その内の 1 つの構造が奇妙だと専門家らの間で話題に。 通常のクレーターは中心部分が陥没し周囲の縁が盛り上がった形をしているのだが、今回発見されたクレーターは少し異なった形状を呈している。 周囲に点在するクレーターの中に、建築物のように全体が隆起した構造をもつクレーターが 2 つ連なっているのだ。 NASA はこの不可解なクレーターに対し「根拠のある答えはない」としているが、約 100 万年前にクレーターが形成された際に、1 - 2m ほどの厚さのちりや火山灰が降り積もりできたものだという仮説を公表している。

しかし、これまでに目撃されている火星での奇妙な現象や謎の物体の数々から、今回発見された異様なクレーターを降り積もったちりや火山灰で形成されたとして片付けることはできない。 UFO ハンターらの見解では、太古の火星に存在していた古代文明を示唆する証拠だという。 元米国陸軍のアルバート・スタブルバイン将軍も、過去に「火星の地下には建造物が存在している」という声明を出しており、今後の火星探索にさらなる発見の期待が高まる。 (北原大悟)

- TOCANA 2017 年 5 月 5 日 -

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