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豊 か さ と 幸 せ の 基 準 - '#metoo' から広がる対ハラスメント

昨秋の米国、大物プロデューサーによるハラスメント行為の暴露から始まったこの問題は、SNS という新しい武器で瞬く間に世界中に広がっていきました。 忌まわしい経験をわざわざ思い出させてしまうことはせず、'me too' だけでカミングアウトするように勧めること自体、賢明な手法であることは納得できます。

男性の筆者には、女性がどのような思いなのか、正確に理解することはできませんが、きっと女性にも多様な考えがあるのではと想像していました。 今年に入り、フランスの女優カトリーヌ・ドヌーヴさんが、行き過ぎた行為に反論しておられますが、当然のこと、これにも多くの反論がでることでしょう。 筆者は「今回の問題提起は、本質はパワーハラスメントであり、セクシャルハラスメントではない」と理解したのですが、如何でしょうか?

大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの 30 年にわたるセクハラが告発される

ハリウッドの大物プロデューサーとして、多くのアカデミー賞作品を生み出してきたハーヴェイ・ワインスタイン。 これまで少なくとも 30 年以上、多くの女優や女性スタッフにセクシャルハラスメントをしてきたことが今週明らかになった。 新聞「ニューヨークタイムズ」の報道によると、女優のアシュレイ・ジャッドやローズ・マッゴーワンを始め、複数の女性たちがハーヴェイ・ワインスタインのセクハラを告発。 アシュレイは 20 年前、ビバリーヒルズのペニンシュラホテルに「ブレックファーストミーティングをしたい」と呼び出されたときのことを告白している。

ミーティングはレストランやロビーではなく彼の部屋で行われ、ワインスタインはバスローブ姿で現れたという。 そしてアシュレイにマッサージを求め、彼女がそれを断ると、ワインスタインは自分がシャワーを浴びているところを見るように求めたとアシュレイは語る。 また彼女は「パニックになって、罠にはめられたように感じた」と当時の恐怖を振り返っている。

また彼の会社で働いていた複数の女性たちも同じようにホテルに呼び出され、マッサージを求められたり「自分と性的な関係を持てばキャリアの後押しをしてやる」と言われたりした経験を告白している。 女性たちが同僚の女性に相談したり、ワインスタインが設立したワインスタイン・カンパニーの重役に報告したりしていたことを同紙はつきとめている。 1 人の女性は「私は生計を立て、キャリアを築こうとしている 28 歳の女性。ワインスタインは 64 歳で世界的に有名な男性であり、ここは彼の会社。力関係は、私がゼロで彼が 10 よ。」とメモを残している。

被害にあった女性たちの中には、ワインスタインとの示談が成立している女性もいるという。 ローズ・マッゴーワンもその 1 人。 彼女は 1996 年にワインスタインが制作した映画『スクリーム』に出演しているが、その翌年サンダンス映画祭に一緒に参加したとき、アシュレイと同様の嫌がらせを受けたという。 ローズはこれまで沈黙を守っていたが、今回の報道を受け「女性たちは戦っている。 そこにいる男性たち、立ち上がって。 私たちは味方としてあなたたちが必要なの。」とツイートしている。

実際、ワインスタインと一緒に働いていた男性たちも彼の行動を知っていたことが明らかになっている。 ワインスタインの設立した会社「ミラマックス」の元重役は「外から見ると会社は黄金のようだった。 オスカー、成功、文化的な影響力。 でも舞台裏は汚らわしいものばかりだった。 これはその中でも一番の汚物だ。」と同紙に語る。

この報道が出るとワインスタインは声明を発表。 「同僚に対する私の過去の態度が多くの痛みを引き起こしたことは理解している。 深く謝りたい。 私はもっといい行動を取ろうと努力しているが、それが長い道のりであることもわかっている。」とコメント。 また「この問題と取り組むために」セラピーを受けていて、休みを取るつもりであることも明らかにしている。

でもセクハラ行為そのものは認めていない。アシュレイの告白についても「彼女の体に触ったことはない」と全面否定。 ローズに示談金を支払ったのも「セクハラを認めたわけではなく、訴訟を回避し平和を買うためだった」と説明している。 また彼の弁護士は「ワインスタインはこの告発の多くが誤りであると否定している」と発表、「ニューヨークタイムズ」を虚偽と中傷で訴えるとしている。 また彼の妻でデザイナーのジョージナ・チャプマンもワインスタインを信じ、彼の味方をする姿勢を弁護士を通じて表明している。

これまで『恋に落ちたシェイクスピア』や『アーティスト』、『英国王のスピーチ』、『世界にひとつのプレイブック』など数え切れない名作やヒット作を生み出してきたワインスタイン。 30 年以上にわたるセクハラ疑惑に、ハリウッドは衝撃を受けている。 双方の主張が対立した今、告発した女性たちや「ニューヨークタイムズ」がどのような動きを見せるのか、続報に注目したい。 (Yoko Nagasaka)

- Elle 2017 年 10 月 6 日 -


アリッサ・ミラノの呼びかけ「Me Too」に、アメリカ・フェレーラもセクハラ被害を告白

ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ行為が明らかになったことで、セクハラや性的虐待に立ち向かう動きが大きくなっている。 そんな中、女優のアリッサ・ミラノが団結して闘おうとある呼びかけをしている。

今週初めに Twitter である提案をしたアリッサ・ミラノ。 「友達にこう言われました。 『性的嫌がらせや虐待を受けたすべての女性が 'Me too (私も)' と書き込めば、この問題の大きさを人々に知らせることができるのではないだろうか。』」 そして「もしあなたが性的嫌がらせや虐待を受けたら、このツイートに『Me too』とリプライして。」 被害にあったとしても、その事実を詳細に告白することはつらくて難しいもの。 でもアリッサは、告発するには 'Me Too' とだけ投稿すれば十分だと呼びかけた。

これに多くの人が反応。 Twitter では 1 日だけで 5 万件以上のリプライが寄せられ、Facebook やインスタグラムにも 'Me Too' という単語やハッシュタグ「#metoo」が書き込まれた投稿が溢れた。

- Elle 2017 年 10 月 18 日 -


カトリーヌ・ドヌーブらが仏紙に寄稿、セクハラ告発運動を批判

[パリ] 女優カトリーヌ・ドヌーブ (74) や女性作家などフランスの女性 100 人が 9 日、仏紙ルモンドに連名でコラムを寄稿し、セクハラや性的暴力を告発する「#Metoo (私も)」運動について、「ピューリタニズム」であり男性への憎しみにあおられたものだと批判し、行き過ぎに警鐘を鳴らした。 ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏がセクハラ行為で複数の女性から告発されたことに端を発し、ソーシャルメディア上でハッシュタグ「#Metoo」などを用いて、世界中の女性らが自らの体験を明らかにする動きが広がっている。

コラムは、こうした運動は「女性の自立を支援するというより男性を抹殺するもので、性的自由を敵視する人々を助けるものだ」と主張している。 また、女性に「しつこく言い寄る」男性の権利は性的自由の重要な一部であるとし、「#Metoo」運動は「ピューリタニズム」だと指摘した。 「膝を触ったりちょっとキスしようとしたり、仕事の話をする食事中に『親密な』ことを話そうとしただけで、このオンライン上の自警団の正義によって、男性は罰せられ、辞職を迫られたりしている」と批判した。 そのうえで「我々は性的自由においてとても重要な、言い寄る権利を擁護する」と述べている。

- Reuters 2018 年 1 月 10 日 -


C. ドヌーブさんらは「レイプ擁護者」 反セクハラ運動非難した書簡に批判殺到

米ハリウッドの元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏によるレイプを告発した女性や複数のフェミニストは 10 日、セクハラを告発するハッシュタグ '#MeToo (私も)' 運動を男性に対する魔女狩りだと非難する公開書簡に署名した仏女優カトリーヌ・ドヌーブさんを相次いで批判した。 フランスの伝説的女優であるドヌーブさんをはじめとする約 100 人の女性たちは、同プロデューサーが数十年にわたり女性に性的虐待を繰り返していた疑惑が浮上した後に相次ぐ「糾弾」を非難する宣言を連名で発表。 同宣言は仏紙ルモンドに掲載された。

しかし、ワインスタイン氏を最初に告発した女性たちの一人であるイタリア人女優のアーシア・アルジェントさんは、「ドヌーブさんやその他のフランス人女性たちは、回復不能なレベルにまで進んだ自身の内面の女性嫌悪に支配されていることを世界中に知らしめた」とツイッターに投稿。 ドヌーブさんを真っ先に批判した。

フランスの著名なフェミニスト団体も、同国のラジオ局に宛てた書簡の中で、ドヌーブさんをはじめ公開書簡に署名した人々を「レイプの擁護者」と呼んで反発。 '#MeToo' 運動は「ピューリタニズム(清教徒の思想)」のように禁欲的で「男性に対する憎悪」にあふれているとの主張は、虐待やハラスメントの被害を受けた人々を「侮辱する」行為であると主張し、ワインスタインスキャンダルによって明らかになった事実をもみ消そうとしているとして署名した女性らを非難した。

さらに同団体は、強姦罪で有罪判決を受け、米国送還の危機にさらされていた映画監督のロマン・ポランスキー氏をドヌーブさんが長年にわたり支援していたことを引き合いに出し、公開書簡に署名した女性たちの大半は、「児童虐待を擁護する常習犯」だと主張した。 ドヌーブさんらの書簡は、「男性たちがしたことといえば、誰かの膝に触れたり、唇を奪おうとしたりといったことだけなのに、即座に罰せられ、職場から追放されている」と訴えている。

ドヌーブさん「これ以上コメントしない」

ソーシャルメディアの反応は一様に激しいもので、ドヌーブさんの '#MeToo' 運動に対する見解は、フランスや英国をはじめ欧州の大半でツイッターのトレンドとなっている。 とりわけ公開書簡で「地下鉄車内で体を触られるのは(一部の女性にとっては)取るに足りないこと」、女性を口説く男性の権利は性的自由には欠かせないと主張している内容は、激しい怒りに火を付けた。

米紙ニューヨーク・タイムズの風刺漫画家、コリーン・ドラン氏は、「もしカトリーヌ・ドヌーブさんが、極めて美しく、とても裕福な白人女性という非常に大きな特権の恩恵を受けながら生きてこなければ、全く違う意見を持っていたかもしれない」とツイッターに投稿した。 また米小説家のライラ・ララミ氏は、こうした考え方は、「ウディ・アレン監督やハーヴェイ・ワインスタイン氏といった男性たちがのさばり続けた理由を明白に説明している」と指摘している。

しかしすべての人々が反発しているわけではない。 米国の研究者で「誰がフェミニズムを乗っ取ったのか?」の著者であるクリスティーナ・サマーズ氏は、ドヌーブさんは「'#MeToo' 運動は行き過ぎだ」と主張しているにすぎないと擁護している。 ドヌーブさんの広報担当者は AFP に対し、今回の論争について「本人はこれ以上コメントするつもりはない」と述べている。 (Fiachra GIBBONS)

- AFP 2018 年 1 月 11 日 -


仏女優ドヌーブさん、セクハラ被害者に謝罪 告発運動批判は変えず

[パリ] フランスの女優カトリーヌ・ドヌーブさん (74) は、仏紙ルモンドに連名で寄稿したコラムでセクハラ告発運動の行き過ぎを批判したことで、セクハラ被害者が攻撃されたと感じたなら謝罪すると表明した。 リベラシオン紙に 15 日に掲載された書簡で、ドヌーブさんは「ルモンドのコラムによって攻撃されたと感じたかもしれないすべてのセクハラ被害者に謝罪する」と述べた。

ただ、コラムの主張への支持は変えないとし、「メディアによるリンチ」や「弾圧的風潮」は好きではないとし、最近の群集心理は行き過ぎだと付け加えた。 ドヌーブさんや女性作家などフランスの女性 100 人は 9 日、仏紙ルモンドに連名でコラムを寄稿し、セクハラや性的暴力を告発する「#Metoo (私も)」運動について行き過ぎていると批判した。

- Reuters 2018 年 1 月 16 日 -

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