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豊 か さ と 幸 せ の 基 準 - サンフランシスコの記念像

この章 28 で、LA の東の郊外グレンデールに「慰安婦像」が建てられたことについて触れていますが、筆者は、そこで「設置にはそれなりの意義があると考えるようになってきました。 基本的に国単位の問題ではないこと、性を力に従属させてはいけないとの全人類の訴えなのです。」と述べています。 今もその受け取り方は全く変わりませんが、今度はサンフランシスコ市内に記念碑を建てることが決まったようです。

ただそれが「旧日本軍の従軍慰安婦」を象徴的に扱うとすれば、やはり、かなり違和感を感じます。 韓国では、幸いにして旧慰安婦は手厚く保護されているようですが、第二次大戦の後、朝鮮戦争、ヴェトナム戦争でははたしてどうだったのか、全国民的議論は尽くされていないのではないかと思われます。

勿論、写真でしか知りませんが、あの寂しげな一人の少女がポツリと座っている像と、沖縄・摩文仁の圧倒的な数の林立する石碑(平和の礎)とを比較して感じるのは、思わずひざまずき犠牲者を悼み、これからはしっかりと人権が護られ、平和を祈る場所として、どちらに足が向くか、誰にでも解るのではないでしょうか? 少なくとも、韓国人にとって、グレンデールの少女像は、決して成功とはいえないと、自ら熟考し、多くの人と議論し、この問題にもっと冷静で賢明な評価を下して欲しいと願っています。

下記、中国・人民網の主張は正論だと考えます。 日本人も素直に、世界の人々と共に、この素晴らしい作品を慈しみ祈るべきでしょう。 日本のみならず、多くの国々が犯した罪であることは、紛れもない真実です。 但し、現中国体制が「歴史を認めて初めて、日本は平和な 21 世紀を迎えることができる。」など一方的に主張する資格など無い、のもこれ又、真実です。 戦中・戦後の歴史を正しく改訂し、中国の人々に謝罪すべきでしょう。 果たして、今の体制にこれができるのでしょうか?

確かに、アジアへの帝国主義的侵略は、先ず西欧諸国により始められました。 日本は維新後、日本の体制が次第に確立されていくに従って、西欧諸国の後を追うように周辺国への侵略を始めます。 たとえて言えば、最後にババを引いたのが日本だった、一番記憶に新しいこと、唯一のアジアの国であったことが、日本が憎しみへの対象になったのは、避けられないように思います。

ただ、筆者がこの問題を後ろ向きに捉えているわけではありません。 この像を見ると、将来に向けてアジア統合の象徴にも見えますし、何と言っても、アジアの平和と発展の象徴に感じられます。 日本は、他のアジアの人々の目標でもありますし、中国で今の状況が続く限り、日本はリーダーとして常に他の国を引っ張っていく使命を負わされているのです。

慰安婦記念碑、米サンフランシスコに設置へ 決議案可決

米サンフランシスコ市議会は 22 日、第 2 次世界大戦中の慰安婦の記念碑設置を強く促す決議案を全会一致で可決した。 記念碑をつくる費用は市民団体などの寄付でまかなう見込みで、今後、市とこうした団体はデザインなどを話し合い、公共の公園や広場などに設置する見通しだ。 決議案は 11 人の市議のうち 8 人が提案。 中国や韓国系の市民団体を中心に決議案を可決するよう求める運動が高まり、女性の人権問題としての関心も呼んでいた。

決議では「戦後 70 年の年に、性奴隷として計り知れない苦痛を味わった少女や女性たちを追悼するための場を作る」としている。 公聴会では、「歴史を語り継ぐためにも必要だ」、「人身売買など今日的な人権問題でもあり、市内に作るべきだ」などの賛成意見とともに、「性犯罪のすべての犠牲者に捧げるべきだ」、「日系人が批判の的になり、地域を分断させる」といった反対意見もあがっていた。 (サンフランシスコ = 宮地ゆう)

- 朝日新聞 2015 年 9 月 23 日 -


慰安婦の記念碑、サンフランシスコ市議会が全会一致で設置を決議

アメリカ・サンフランシスコ市議会は 9 月 22 日、第 2 次大戦中の従軍慰安婦の記念碑や像を設置するよう求める決議案を全会一致で採択した。 慰安婦を巡る碑や像は、アメリカではカリフォルニア州ロサンゼルス郊外のグレンデール市などに設置されているが、サンフランシスコで実際に設置されれば大都市では初めてのケースとなる。

朝日新聞デジタルによると、市議 11 人のうち 8 人が提案し、中国系や韓国系の市民団体を中心に採択を求める運動が高まっていた。 提案の中心となったエリック・マー市議は、市民団体などに約 10 万ドル(約 1,200 万円)の寄付が集まったことを明らかにしている。 公聴会では、「歴史を語り継ぐためにも必要だ」、「人身売買など今日的な人権問題でもあり、市内につくるべきだ」などの賛成意見とともに、「性犯罪のすべての犠牲者に捧げるべきだ」、「日系人が批判の的になり、地域を分断させる」といった反対意見もあがっていた。

このため、議案作成の中心となったエリック・マー市議らが議案を修正。 旧日本軍の慰安婦問題だけでなく、「世界的な女性の人身売買を止めるための教育を促す」などの文言を加えた。 また、日系人にも配慮し、第 2 次世界大戦中に米国で日系人が強制収容された歴史についても触れた。

この問題を巡っては、大阪市の橋下徹市長が 8 月 27 日、日本の事例のみを取り上げるのは問題を矮小化するとして「日本に法的責任があるというなら、世界各国も同様のはず」と反論する公開書簡をサンフランシスコ市議会あてに送っていた。 朝鮮日報によると、常任委員会や公聴会などの審議の過程で、公式の参考資料として検討されたが、可決を阻止するには至らなかった。

日本人を中心にネット署名などの建設反対運動も起きたが、日本経済新聞は「日系人社会も一枚岩ではない」とする山田淳・駐サンフランシスコ総領事の言葉を紹介。 日本人による反対運動がアメリカで「歴史修正主義」と見なされて批判を招いていると説明した。 (吉野太一郎)

- The Huffington Post 2015 年 9 月 24 日 -


サンフランシスコに慰安婦像 米大都市で初

アメリカ・サンフランシスコで慰安婦を象徴する像が新たに設置された。 アメリカの大都市での設置は初めて。 22 日、サンフランシスコの公園で、設置された慰安婦像の除幕式が行われた。 像は、中国と韓国、フィリピンの少女が手を取り合い背中合わせに立っているデザイン。 アメリカでの慰安婦像の設置は、これまでロサンゼルス近郊や南部ジョージア州などであったが、大都市での設置は初めて。 サンフランシスコでは、中国系や韓国系のグループが推し進めてきたが、今後は市に寄贈される予定。 サンフランシスコの日本総領事館は、「一方的な解釈を永続させているように見える」とする抗議文を発表している。

- 日テレ 2017 年 9 月 23 日 -


慰安婦像で物議、元サンフランシスコ高裁裁判官「日本は一体何を恐れているのか?」 - 中国メディア

「サンフランシスコ市には、ホロコースト犠牲者の記念碑を含め多くの記念碑があるが、ドイツ人が抗議したとの話を聞いたことがないのはなぜか? 日本の抗議者は一体何を恐れているのか?」 元サンフランシスコ高裁裁判官の郭麗蓮氏は人民日報の取材に、こう語った。 人民日報が伝えた。 郭氏は「慰安婦」正義連合の共同会長でもある。 郭氏はサンフランシスコ市に「慰安婦」記念像を設置するため、過去 2 年間各地を奔走してきた。 サンフランシスコ初の「慰安婦デー」の 9 月 22 日、ついに「慰安婦」像が除幕された。

この像に一部の日本人は強く反応。 特に目を引いたのが、サンフランシスコ市との 60 年に及ぶ友好都市関係の解消を検討するとの吉村洋文・大阪市長の姿勢表明だ。 報道によると、サンフランシスコ市の李孟賢(エドウィン・リー)市長は吉村市長への書簡で、「大変失望している」と表明した。  郭氏は「歴史は歴史である。 彼らは歴史を抹消したいからこそ、『慰安婦』像の設置を恐れているのだ。 『慰安婦』像は歴史を銘記するよういつまでも人々に促すからだ。」と考える。

制作者のスティーブン・ホワイト氏は「第 2 次大戦時の日本による『慰安婦』犯罪行為は事実であり、日本は自らの過ちを直視すべきだ」と指摘する。 ホワイト氏は「慰安婦」像の制作者と特定された後、日本の一部の機関や個人から脅迫や妨害を受けた。 すでに 1,200 件余りの脅迫・妨害文書が送られたが、ホワイト氏は決定を変えなかった。 今やホワイト氏の作品はサンフランシスコで最もにぎわう場所の 1 つ、セント・メリーズ広場に設置されている。 像は手をつなぎ、背中合わせに立つ中韓比の「慰安婦」被害者、それを見つめる高齢女性からなる。 高齢女性のモデルは、初めて実名で声を挙げた韓国「慰安婦」被害者の金学順氏だ。

カリフォルニア州選出のロー・カンナ連邦下院議員は人民日報の取材に「どの国も自らの歴史を銘記する必要がある。 特にかつて犯した過ちを。 歴史を忘れれば再び犯す恐れがあるからだ。 ドイツは第 2 次大戦時の自らの犯罪行為を銘記したからこそ、着実に前進できる。」 「第 2 次大戦時、日本も大きな過ちを犯したことは否認できない。 世界の人々はみな『慰安婦』問題を知り、南京大虐殺を知り、軍国主義の残虐さを知っている。 今日の日本はこれらを認め、真摯に謝罪しなければならない。 歴史を認めて初めて、日本は平和な 21 世紀を迎えることができる。」と述べた。 (提供/人民網日本語版

- RecordChina 2017 年 10 月 10 日 -


吉村洋文大阪市長 慰安婦像めぐる朝日新聞の社説に反論「こっちのセリフ」

19 日、大阪市長の吉村洋文氏が自身の Twitter 上で、いわゆる「慰安婦像」をめぐる朝日新聞の社説に反論した。 ことの発端は、アメリカ・サンフランシスコ市議会が慰安婦像の受贈を可決したことにある。 今月 14 日、市議会は、地元市民団体が設置した慰安婦像を公共物として受け入れる、と全会一致で可決した。 像の碑文には「旧日本軍によって数十万人の女性が性奴隷にされた」、「ほとんどが捕らわれの身のまま亡くなった」といった表現があるという。 吉村市長は議決に強い不快感を示し、サンフランシスコ市長に拒否権行使を求めたそうだ。 決定が覆らないかぎり、大阪市とサンフランシスコ市の間にある姉妹都市提携を解消する意向だという。

19 日付「朝日新聞」の社説は、「姉妹都市 市民交流を続けてこそ」と題して、これまでの経緯を説明。 その上で姉妹都市提携の解消については「ちょっと待ってほしい。 姉妹都市の関係のもとで育まれてきた交流は、双方の市民の歴史的財産である。 市長の一存で断ち切ってよいものではない。」と疑問視し、「慰安婦の総数や詳しい被害の実態は、これまでの研究でも定まっていない」と指摘しつつ、「国が違えば人々の考え方は違う。 市民同士が息の長い交流を重ねることで、その違いを理解し、乗り越えていこうというのが、姉妹都市の精神のはずだ。」と主張した。

その上で社説では、韓国・釜山市の日本総領事館前に慰安婦像が設置された一件で、安倍政権が駐韓大使の一時帰国措置を取った一件をあげ、「現実は何の成果も出ないまま、日韓交流の停滞だけが残った。 強硬措置がもたらす副作用も肝に銘じておくべきだ。」と苦言を呈している。 吉村市長はこの社説を掲載したネット記事を引用し、「『ちょっと待て』はこっちのセリフだよ、朝日新聞」と噛み付く。 「吉田虚偽証言を何度も報道し、クマラスワミ報告に発展し、国際社会では朝日の虚偽報道が真実になってる。 2014 年になってやっと国内向けに訂正記事と謝罪」とこれまでの状況を振り返り、「僕を批判する前にやることあるでしょ」と訴えている。

- トピックニュース 2017 年 11 月 20 日 -


サンフランシスコ市長、慰安婦像の寄贈受け入れに署名

米サンフランシスコ市のエドウィン・リー市長は 22 日、市民団体が同市内に建てた慰安婦像と、その維持費の寄贈を受け入れる決議案に署名した。 これにより、慰安婦像は市の所有となり、寄贈を受け入れないよう求めてきた大阪市が姉妹都市関係を解消するのは確実になった。

議案は、市長が 24 日までに拒否権を発動しなければ自動的に寄贈受け入れが確定するものだった。 リー市長は、その前に署名することで、議案を支持する姿勢を明確にしたとも言える。 リー市長はこの日、報道関係者の問いかけには答えなかった。 大阪市の吉村洋文市長はリー市長が議案への拒否権を行使しなければ姉妹都市関係を解消するとの考えを示してきた。 リー市長が署名したことで、姉妹都市解消は確定的になった。 (サンフランシスコ = 宮地ゆう)

- 朝日新聞 2017 年 11 月 23 日 -


日本にとって百害あって一利ないサンフランシスコ市への抗議メールを煽る中田宏氏の不見識

元横浜市長、元維新国会議員の中田宏氏が、「【慰安婦像を公用物に? 慰安婦の日?】 私は「ウソつき者」記念日を作ります!」と言う煽情的なタイトルのブログに、更には、「慰安婦の記念日と韓国が言ったから、8 月 14 日は嘘つき記念日」なる、率直に言ってご人格がもろに表出しているお顔を出されたバナーまで貼っておられます。 (しかし、その人の自由とは言え、よくこんなものを公開できるものだと思います。)

それで飽き足りないのか氏は、「【橋下徹さん後継】 大阪市長。慰安婦像のサ市なんて、切っちゃえ!」、「横浜市長の経験から、姉妹都市関係を解消したからといって特段の影響・実害はありません」と過激な科白を連ね、あろうことかサンフランシスコ市のメールアドレスを示して、そこに抗議のメールを送るように一般の方々に呼びかけています。 極めて迷惑な行動を煽動する極めて不見識な行為であり、中田氏の御人格がまさに表れておられると思いますが、良識ある方々は、サンフランシスコ市にとって迷惑なだけでなく、日本の評判を下げるだけで百害あって一利ないこの様な行為に、絶対に加担しないでいただきたいと思います。

中田氏に限らず、昨今流行りの「右」の方々は、なにか気に入らない事があると、自分たちの正義を振りかざして、大挙して抗議のメールや電話を相手に送りつけ、争い事を嫌う日本社会のなかで問答無用に相手に不利な状況をもたらして自らの主張を通す、所謂「電凸」という手法を使ってきました。 そのような脅迫にも類似した手法が日本社会で幅を利かせていること自体極めて腹立たしいのですが、一万歩譲ってそのような手法に訴える動機に一部の理があったとして、その手法は、争いを問答無用で喧嘩両成敗にする日本社会のみにおいて通じるもので、日本人がアメリカ人に訴えるという状況においては、全く効果がないどころか、ほぼ 100% 逆効果になります。

自分たちに正義があると信じるのは、それはそれで良いとして、当然サンフランシスコ市にはサンフランシスコ市の、アメリカ人にはアメリカ人の正義と誇りがあります。 そこに、自らの正義を信じ込んだ日本の一般人が大挙して上から目線で、かつ恐らく 90% 以上は極めて無礼どころか酔っぱらいの罵詈雑言レベルの英語力で、隠せない憎悪に満ちた説教メールを送って来たら、サンフランシスコの人は、カルフォルニアの人は、アメリカ人は、一体どう思うでしょうか? 極めて強く気持ちを害し、日本人とは何と無礼な人間かと思うことはほぼ必定で、今を生きる日本人の名誉は大きく害されますし、従軍慰安婦問題はこじれるだけで解決に向けて一歩づつ進むことすら不可能になるでしょう。

サンフランシスコ市へ抗議メールを大挙して送りつける行為は、どれほど控えめに見ても、日本にとって百害あって一利ないものなのです。 日本人の先祖の名誉にあれほどこだわりながら、今を生きる日本人の名誉にこれほど無頓着なのは論理矛盾を越えて理解不能で、結局のところこの方は、今を生きる日本人の名誉はもとより、本当は日本人の祖先の名誉にすら関心はなく(従軍慰安婦問題を粘り強く解決しようなどと思っていないでしょう)、ただただ、「右」な方々に拍手喝さいを受けるご自分の名誉だけが大事なのだろうと思わざるを得ません。

繰り返し、サンフランシスコ市へ抗議メールを大挙して送りつける行為は、今を生きる日本人の名誉を大きく害し、従軍慰安婦問題をより一層こじらせてその解決を不可能とする、どれほど控えめに見ても、日本にとって百害あって一利ないものなのです。 自らを良識ある日本人と思われる方は、絶対に加担しないでいただきたいと思います。 抗議は、正当にそれを行う権限があり、かつ適切な言葉を使ってそれができる行政・外交の専門家に任せるべきです。 (米山隆一)

- Blogos 2017 年 12 月 3 日 -


フィリピンにも慰安婦像、比報道官「日本との良好な関係に影響ない」 - 中国メディア

12 月 12 日、中国メディアの環球網は、フィリピン・マニラ市内の遊歩道にフィリピン人の慰安婦像が置かれたことを受け、日本政府が遺憾の意を表明したと伝えている。

日本メディアによると、この像は政府機関のフィリピン国家歴史委員会 (NIHCP) がこのほど設置したもの。 同委員会とフィリピン人慰安婦の支援団体の説明によると、フィリピンに慰安婦像が設置されるのは今回が初めてだという。 これを受け、在フィリピン日本大使館は「日本政府の立場と相いれず、極めて残念だとフィリピン政府側に伝えた」とコメントした。

像は同大使館の北約 3 キロにあり、台座も含めて高さ約 3 メートル。 目隠しをされた民族衣装姿の女性が立っているデザインで、従軍慰安婦をイメージしたもの。 台座には「1942 年から 45 年の日本占領下で虐待の被害に遭ったすべてのフィリピン人女性の記憶」などと記されている。 8 日の除幕式で NHCP のエスカランテ委員長は「第 2 次世界大戦下で最大の罪の一つは女性への性的虐待。 被害者は今でも正義を求めて戦っている。」と話した。

像は中国人と中国系フィリピン人が設立した財団が設置を求めたもので、制作費は同財団が提供した。 フィリピン大統領府の報道官は 11 日の記者会見で、「良好な比日関係に影響ない」と述べた。

- RecordChina 2017 年 12 月 12 日 -

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マニラの「慰安婦像」撤去 比政府、日本大使館に前日伝える

【シンガポール = 吉村英輝】 フィリピンの華人団体などが首都マニラに昨年 12 月に設置した、日本軍占領下(1942 - 45 年)の慰安婦を象徴するという女性像が、台座ごと撤去されたことが 28 日、分かった。 マニラの日本大使館によると、フィリピン政府が 27 日、女性像を撤去すると同大使館に連絡した。 日本政府はこれまで女性像設置に「遺憾」を表明し、フィリピン政府に対し、唐突に設置された経緯などを明らかにするよう求めてきた。

女性像は、マニラ市が管轄する、マニラ湾に面した遊歩道に建てられていた。 産経新聞が助手を通じて 28 日朝に現地を確認したところ、設置されていた場所には穴があき、横約 2 メートル、縦約 10 メートルの範囲が、フェンスやビニールシートで覆われていた。 周囲には、像や重機などは見当たらなかった。 近くの売店員によると、マニラ市職員と名乗る作業員が 27 日夜、ショベルカーなどを使って像を撤去。 台座や記念碑板なども丁寧に外され、一緒に持ち去られた。 作業員は「水道管の修理」と話していたという。

撤去の理由や、撤去が一時的なものかなどは不明だが、像の近くには数日前から重機が置かれていたという。 像設立の助言役を務めた華人のテレシタ・アンシー氏は、マニラ市などに問い合わせたが、「撤去を事前に確認することはできなかった」と話している。 女性像は比華人団体「トゥライ財団」などが製作。 政府機関「フィリピン国家歴史委員会」が認定して、「日本占領期に虐待の犠牲となったフィリピン人女性を追悼する」などと記した記念碑を作製。 マニラ市が設置許可を出した。

- 産経新聞 2018 年 4 月 28 日 -


台湾に初の慰安婦像 前総統「正式な賠償と謝罪」訴える

旧日本軍の慰安婦だった韓国人女性が 1991 年に初めて実名で体験を公表した日にあたる 14 日、台湾南部の台南市に台湾で初めての慰安婦像が設置された。 野党国民党の前総統の馬英九(マーインチウ)氏が除幕式に参列し、日本政府に対し、「正式な賠償と謝罪」を訴えた。

台南市の繁華街に設置された像は、高さ約 160 センチの少女像。 両手を上げて抵抗する姿をかたどっている。 国民党の支援を受けて今春結成された団体「台南市慰安婦人権平等促進協会」が、寄付を呼びかけた。 中国語と日本語、英語、ハングルで「慰安婦の悲惨な歴史を忘れず、彼女たちに尊敬と支持の意を示す」などと記した解説板を掲げている。

国民党の地元支部が土地を提供した。 式典には、今秋の統一地方選挙で台南市長選に立候補する国民党の候補予定者も参列した。 前総統の馬氏は式典で、現在の与党民進党政権は、慰安婦問題など日本統治時代の歴史の検証に消極的だと批判しており、選挙を意識して有権者にアピールする狙いもあるとみられる。

第 2 次大戦中、日本の植民地統治下にあった台湾の女性たちも慰安婦として動員された。 台湾の人権団体が 20 年以上前に行った調査で、当時 58 人の生存者が確認された。 高齢化が進んだ結果、現在は 2 人のみとなっている。 台北市内でも 14 日、元慰安婦を支援してきた女性人権団体などが、日本の大使館に相当する日本台湾交流協会の台北事務所を訪れ、謝罪や賠償を求める抗議文書を提出した。 (台南 = 西本秀)

- 朝日新聞 2018 年 8 月 14 日 -

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