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太永浩氏によると米朝・日朝の首脳会談に否定的ですが、膠着状態の外交を金正恩氏自らが打開すべく口火を切ったのは評価すべきでしょう。 今のままでは先すぼみになるのは、誰の目から見ても明確ですから …。



「新しい道模索」も 金正恩委員長が新年あいさつ

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が 1 日午前 9 時から、新年のあいさつを発表し、米国と対話を続ける意思を強調する一方、「米国が約束を守らず、一方的に強要し、制裁や圧迫に出れば、新しい道を模索せざるを得ない」と述べた。 朝鮮中央テレビが放映した。 昨年 6 月の開催に続く、2 回目の米朝首脳会談については「いつでも(トランプ)米大統領と会う準備ができている」とした。 「双方の努力で良い結果が生まれると信じる」とも語る一方で、軍事挑発の再開を示唆する「新しい道」という言葉も使った。

核開発について「核兵器を新たに製造、実験、使用、拡散しない措置を取った」と述べたが、核廃棄の道筋を含む、新たな具体的な提案には触れなかった。 米韓合同軍事演習や米戦略兵器の朝鮮半島派遣を行わないよう、引き続き求めていく考えも示した。 米朝協議は昨年 10 月にポンペオ米国務長官の訪朝後、事実上の中断状態にある。 北朝鮮は、米国が制裁緩和や朝鮮戦争を巡る終戦宣言を含む一切の譲歩を拒んでいると主張し、対話を拒んでいた。

正恩氏は昨年、3 度の首脳会談を行った南北関係について「前例のないことで、完全に新しい段階に入った」とした。 中断している開城工業団地事業と金剛山観光を前提条件なしに再開する考えを表明。 昨年 9 月の南北軍事分野合意について「事実上の不可侵宣言だ」と意義づけ、軍事的な緊張緩和を進める考えを示した。 「国際社会と周辺国が平和を破壊する行為に反対する」、「友好的な全ての国家との関係を発展させていく」と語ったが、日朝関係には触れなかった。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2019 年 1 月 1 日 -

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亡命の元北朝鮮公使、正恩氏あいさつ分析「再会談困難」

2016 年夏に韓国に亡命した北朝鮮の太永浩(テヨンホ)元駐英公使が 1 日、朝日新聞のインタビューに応じた。 同日に発表された金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の新年のあいさつを分析したうえで、米朝協議を核軍縮交渉に持ち込んで米国に核保有国の地位を認めさせてようとしていることや、制裁緩和を狙う意図が明らかになったと語った。

金正恩氏は 1 日のあいさつで「(米朝)両国間の新たな関係を樹立し、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制を構築して完全な非核化へと進む」と述べた。 太氏は、昨年 6 月の米朝首脳共同声明を根拠にしていると指摘し、「制裁解除と朝鮮戦争の平和協定が、非核化の前提だという意味だ」と説明した。

そのうえで、金正恩氏が 2 度目の米朝首脳会談で、共同声明の確認を求めるだろうとの考えを示した。 また「トランプ米大統領も 1 回目の米朝会談がまずかったと理解しているようだ」との見方で、米国は再会談で非核化を迫るだろうと述べた。 このように米朝間の思惑にはずれがあることから、太氏は「米朝首脳再会談の開催は当面、難しいのではないか」と述べた。 このため、北朝鮮は今年、韓国や中国との首脳会談の開催を目指すだろうと指摘。 両国に米朝を加えた 4 カ国が参加する朝鮮戦争の平和体制について話し合う多国間協議も設け、自らに有利な交渉環境を作ろうとするとの見方を示した。

米朝協議が停滞するため、日朝関係の進展も難しいと指摘した。 日本人拉致問題について「北朝鮮は拉致問題が解決すれば 100 億ドル(約 1 兆 960 億円)を受け取れると考えている」と説明。 「米国の制裁が解除されない限り、受け取れないことはわかっている」とし、北朝鮮が現時点で交渉に乗り出す可能性は低いとの見通しを示した。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2019 年 1 月 2 日 -


金正恩氏が 7 日から訪中 習近平氏の招きに応じ 4 度目

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が 7 日、訪中した。 中国国営新華社通信と北朝鮮の朝鮮中央通信が 8 日朝、報じた。 訪中は習近平(シーチンピン)国家主席の招きを受けたものとしており、10 日まで。 正恩氏の訪中は昨年以来、4 回目となる。 主に、2 回目の米朝首脳会談の開催を巡って意見交換するとみられる。

朝鮮中央通信によれば、正恩氏には妻の李雪主(リソルチュ)氏、米朝や南北両協議を主導している金英哲(キムヨンチョル)党副委員長、党国際部長を務める李スヨン党副委員長、李容浩(リヨンホ)外相らが同行している。 3 氏はいずれも昨年 6 月の米朝首脳会談に同席した。 一方、中朝の政党間交流を担当する崔竜海(チェリョンヘ)党副委員長の同行は伝えられていない。 正恩氏の今回の訪問は、中朝間交流よりも米朝関係や北朝鮮の核開発問題などに主眼を置いている可能性が高い。 (北京 = 延与光貞、ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2019 年 1 月 8 日 -

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GDP はマイナス成長 訪中の正恩氏、支援強化を要請か

訪中した北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は 9 日午後、専用列車で北京を離れた。 午前には北京市内の製薬工場などを視察し、米国主導の制裁で低迷する自国経済のてこ入れを目指す姿勢を示した。 体制の安定に直結する経済改革の成否は中国頼みになっており、習近平(シーチンピン)国家主席にも支援強化や制裁の緩和を要請したとみられる。

7 日に中国入りした正恩氏は、8 日夕から夜にかけて人民大会堂に数時間滞在。 習氏との首脳会談や夕食会に臨み、開催の可能性が出てきた次の米朝首脳会談などに向け協議した模様だが、9 日夜までにその内容は報じられていない。

9 日、正恩氏が視察したのは漢方薬の老舗国有企業「北京同仁堂」の工場。 製造工程の見学スペースがあり、外交筋によると、一行は約 30 分視察した。 工場では 1 粒 500 元(約 8 千円)以上する高級漢方薬も生産。 北朝鮮でも同種の薬が生産されており、中国人観光客の土産として人気がある。 品質を高めることで外貨獲得につなげる狙いもありそうだ。 (武田肇、北京 = 冨名腰隆、瀋陽 = 平井良和)

- 朝日新聞 2019 年 1 月 9 日 -


韓国大統領、北朝鮮との事業再開を歓迎 開城と金剛山

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が 10 日午前、大統領府で年頭の記者会見を行い、北朝鮮の核開発などの影響で中断している開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の両事業の再開を歓迎する考えを表明した。 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が 1 日、無条件で再開に応じる考えを示していた。

ただ、事業再開にあたっては国連などの経済制裁が壁となる。 文氏は「残る課題である制裁の早期解決のため、米国など国際社会と協力していく」と語った。 そのうえで「制裁解除は非核化の速度による」とし、北朝鮮に具体的な措置を取るよう要請。 米国にも「相応の措置も必要だ」と訴えた。 文氏は昨年 6 月に続く 2 回目の米朝首脳会談と、昨年に実現できなかった正恩氏のソウル訪問について、「遠くない時期に開催される」と説明した。 正恩氏の今月の訪中で米朝首脳の再会談の時期が近づいたと指摘し、首脳会談を準備する米朝高官協議の早期開催に期待感を示した。

国連の制裁決議違反の可能性があるとの指摘がある南北の道路と鉄道連結事業については、「我々の経済の新しい活路になる」と改めて意欲を示した。 文氏は「正恩氏は、非核化が(朝鮮戦争の)終戦宣言や在韓米軍の地位と関係しないことを認めている」と指摘。 朝鮮戦争の休戦協定が平和協定に転換しても、在韓米軍の地位は米韓が主導する問題だと正恩氏は認識している、とした。

文氏は冒頭発言で、日韓関係を悪化させている海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題や元徴用工訴訟の判決などには触れなかった。 日本統治時代の 1919 年に起きた独立運動が 3 月 1 日に 100 年を迎えると言及し、「我々は植民地と独裁から抜け出した」と語った。

文氏は冒頭発言の大半を、韓国内で懸念が広がっている雇用や福祉問題への対策に充てた。 革新(進歩)系の文氏は分配重視の経済政策を進めているが、「政府の経済政策への信頼が下がった。 政府は状況を非常に深刻に捉えている。」と述べた。 韓国内では野党などから、「政府は過度に経済へ介入している」との批判が出ている。 文氏はこれを念頭に、「政府の政策基調は間違っていなかった」、「経済施策の変更には不安が伴うが、必ず進むべき道だ」とも語った。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2019 年 1 月 10 日 -

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