*** 888 ***

... - 883 - 884 - 885 - 886 - 887 - 888 - 889 - 890 - 891 - 892 - 893 - ... - Back

米朝首脳会談開催の雲行きが怪しくなっています。 当然、米側は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めるのでしょうが、それに対し、北朝鮮側は、北朝鮮の「現体制」維持と経済支援であるはずです。 米側は、前者については目をつぶる意思があるのかもしれませんが、後者に関しては、トランプ大統領が「びた一文」出すとは到底考えられません。 かような条件では、北朝鮮側から見れば、何の魅力も感じられないのは十分想像できます。 北朝鮮側が経済支援に言及するのであれば、「政治体制」、「人権問題」に踏み込まざるを得ない、というところが我々の一般的な見方ではないでしょうか。 筆者の予測は、「開催されない」なのですが、さあどうなることでしょう。



北朝鮮、南北高官級会談を中止

【ソウル = 鈴木壮太郎】 北朝鮮の朝鮮中央通信は 16 日、同日開催を予定していた南北閣僚級会談への参加を中止すると報じた。 11 日から始まった米韓軍事演習が 4月 27 日の南北首脳会談で署名した「板門店宣言に対する露骨な挑戦」と強く反発。 「機会を与えるにも限界がある」と批判した。 6 月 12 日に開催が決まった米朝首脳会談についても「運命について熟慮しなければならない」と警告した。

報道では米韓軍事演習に米軍のステルス戦闘機「F22」や戦略爆撃機「B52」など戦略兵器が投入されると指摘。 このことが「我々に対する『最大圧迫と制裁』を加えようとする米国と南朝鮮(韓国の)の変わらぬ立場の反映だ」と批判した。 南北閣僚級会談は 16 日、南北軍事境界線上の板門店の韓国側施設「平和の家」で開く予定だった。 南北首脳会談以降、初めての閣僚級会談で、韓国側は趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相、北朝鮮側は祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長が首席代表を務める予定だった。

- 日経新聞 2018 年 5 月 15 日 -


トランプ大統領「何が起きるか見ていく」 北の会談中止警告、出方見極め

トランプ米大統領は 16 日、ホワイトハウスで記者団に、6 月に予定される史上初の米朝首脳会談で北朝鮮に非核化を求める方針を堅持する考えを示した。 北朝鮮側は米国が一方的な核放棄を強要するなら会談を取りやめると警告したが、譲歩しない構え。 ただ会談の実現については明言を避け、北朝鮮の出方を慎重に見極める姿勢を見せた。 米政府高官は首脳会談開催の望みはあるとしながらも、厳しい米朝交渉を想定。 北朝鮮の真意を探りながら「完全な非核化」に向けて準備を進める方針だ。

米朝首脳会談の取りやめを警告した北朝鮮高官の談話は朝鮮中央通信を通じて発表されたが、トランプ氏は「私たちは通知を受けていない。 何も見ていないし、聞いていない。」と述べ、米朝交渉の中で直接伝えられていないことを強調。 北朝鮮の意図について「これから何が起きるか見ていく。 時間がたてば分かるだろう。」と繰り返した。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は 16 日、ラジオ番組で「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化という目標は後退させない」と述べ、米朝首脳会談の成功に全力を尽くすと語った。 北朝鮮が発表した談話でボルトン氏を名指しで非難した北朝鮮の金桂冠第 1 外務次官を「6 カ国協議でも問題人物だった」と酷評。 「これまでも彼らに人間のくずなどと言われてきた。 慣れている。」と述べた。

- 共同通信 2018 年 5 月 17 日 -


トランプ氏、米朝首脳会談の中止表明 正恩氏宛てに書簡

米ホワイトハウスは 24 日午前(日本時間同日夜)、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長にあてた書簡を公表し、6 月 12 日にシンガポールで予定されていた米朝首脳会談を中止する意向を明らかにした。 米朝は北朝鮮の非核化について協議を進めてきたが、「質問しても北朝鮮側から返答を受けることはなかった(ポンペオ米国務長官)」としている。 北朝鮮は 24 日に豊渓里(プンゲリ)の核実験場を爆破した直後だっただけに、反発が予想される。

トランプ氏は書簡の中で「私はあなた(正恩氏)と会談をすることをとても楽しみにしていた」としながら、「残念ながら、あなたが直近に出した声明では、強い憤りと敵意がむき出しになっていた」と指摘。 そのうえで「私は今、長い間計画していた会談を開催することは不適当だと考えている」とし、シンガポールでの米朝首脳会談を中止する考えを示した。 トランプ氏はまた、北朝鮮が自身の核能力を誇示していることに触れ、「我々(米国)の核能力は大規模かつ強大であり、使わなければならない時が来ないよう神に祈る」と牽制した。

ただ、トランプ氏は「いつの日か、あなたにお会いすることをとても楽しみにしている」ともつづり、将来、正恩氏と会談を行う余地を残した。 北朝鮮に拘束されていた米国人 3 人の解放についても触れ、改めて感謝の意を示した。 トランプ氏は最後に「もしあなたの考えが変われば、ためらわずに私に電話をするか、手紙を送って欲しい」と記した。 その上で、「世界、とりわけ北朝鮮は、恒久平和や偉大な繁栄を得る機会を失った。 歴史上、非常に悲しい時だ。」と結んだ。

トランプ氏は書簡公表後、ホワイトハウスで記者団に対し、「北朝鮮が愚かで向こう見ずな行動を取った場合、米軍の準備は整っている」と牽制。 日韓とも連携しながら対応していく考えを示した。 さらに、北朝鮮に対する「『最大限の圧力』路線はこれまで通り続く。」と語った。 一方、「金正恩(氏)は最終的に正しい決断をすると望む」とも語り、もし正恩氏が建設的な対話と行動を選ぶのであれば、「私は待っている」とも述べた。

ポンペオ氏は 24 日午前の上院公聴会で、首脳会談中止の理由について、「我々は(首脳会談が)成功すると考えてはいない。 我々は長い期間準備を進めてきたが、我々が質問をしても北朝鮮側から返答を受けることはなかった」と指摘。 首脳会談の開催に向けた米朝間の交渉過程において、米側の強い不信感が背景にあったことを明らかにした。

米朝首脳会談の開催をめぐっては、トランプ氏は当初、ポンペオ氏を 2 回訪朝させるなど首脳会談の開催に積極的に取り組み、米国人 3 人の解放直後は「(首脳会談は)大成功するだろう」などと前向きな見通しを語っていた。 ところが 16 日に北朝鮮の金桂寛(キムゲグァン)・第 1 外務次官が米朝首脳会談の「再考」に触れ、完全な非核化を求めるトランプ政権を牽制したことで、北朝鮮の対応に不信感を強めていった。

22 日に訪米した韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は金正恩氏の非核化の意思は固いと伝えたものの、24 日には北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外務次官が「米国が我々の善意を侮辱し、非道にふるまい続ける場合、朝米首脳会談を再考する問題を最高指導者(金正恩氏)に提起する」として「我々は米国に対話を哀願しない」と強調。 「会談場で会うのか、核対核の対決場で会うのかは、すべて米国の決心にかかっている」と主張した。 (ワシントン = 園田耕司)

- 朝日新聞 2018 年 5 月 25 日 -


北朝鮮第 1 外務次官「予想外で非常に遺憾」米に再考促す

北朝鮮の金桂寛(キムゲグァン)・第 1 外務次官は 25 日、トランプ米大統領が 6 月 12 日の米朝首脳会談中止を明らかにしたことについて、「予想外であり、非常に遺憾だ」とする談話を発表した。 「我々はいつでもどんな方法でも向き合って問題を解決する用意がある」と強調し、事実上、再考を促している。 朝鮮中央通信が伝えた。 トランプ氏が会談中止を明らかにして以降、北朝鮮の初の公式反応。

金次官は談話で「我々はトランプ大統領が過去のどの大統領もできなかった英断を下し、首脳の出会いを作るために努力したことを内心、高く評価してきた」と言及。 「我々の国務委員長(金正恩朝鮮労働党委員長)も準備に向けてあらゆる努力を傾けてきた」と強調した。 金次官は 16 日、米国側が求めた非核化の方式に不満を示し「一方的に核放棄だけを強要しようとすれば、来たる朝米首脳会談に応じるか再考するほかない」との談話を発表し、トランプ氏が会談に後ろ向きになる転機となった。 (ソウル = 武田肇)

- 同 上 -


南北首脳、板門店で再び会談 米朝会談へ韓国頼ったか

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は 26 日、軍事境界線上にある板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で予告なしに会談した。 韓国大統領府が同日、発表した。 両首脳の会談は 4 月 27 日以来 2 回目。 調整が難航する米朝首脳会談の実現に向けて意見交換したとみられる。 6 月 12 日に予定された米朝首脳会談は、米朝双方の信頼関係の構築に手間取り、トランプ米大統領が 24 日に中止を表明するなど開催が不透明な状況。 北朝鮮は開催に意欲を示しており、同様に開催を望む韓国を頼ったとみられる。 正恩氏は今後、中国にも米朝関係の仲介を依頼する可能性がある。

韓国大統領府によれば、今回の首脳会談は 26 日午後 3 時から 5 時まで、板門店で行われた。 韓国の徐薫(ソフン)国家情報院長と北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)党副委員長が同席した。 両首脳は、最初の首脳会談で合意した板門店宣言の履行や、米朝首脳会談を成功に導くための問題について率直な意見交換を行ったという。 会談の内容については、南北双方の合意により、文氏が 27 日午前 10 時に発表するという。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2018 年 5 月 26 日 -

... - 883 - 884 - 885 - 886 - 887 - 888 - 889 - 890 - 891 - 892 - 893 - ... - Back

inserted by FC2 system