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米朝の関係修復が不調に終わったことで、韓国の政権内部がギクシャクとしているのであれば、外から見ると何とも奇妙にしか見えません。 当時から、米朝関係がうまくいかず停滞することは十分考えられましたし、そのケースの対応も準備できていたはずです。 一国の元首の最大の責任・義務が、そこに住む人々の安全と秩序を守り抜くことであれば、自ずと結論に達するのではないでしょうか!



文政権に暗雲 米韓会談決まらず、北朝鮮は要員一時撤収

韓国国会が 26 日開いた聴聞会で、南北関係を担う統一相候補の金錬鉄(キムヨンチョル)氏は「我々の役割は非常に重要だ」と述べ、米朝対話の早期再開に意欲を示した。 だが、米朝とも韓国との協議には冷淡な姿勢を続ける。 数少ない成果とされた南北政策まで立ち往生すれば、文在寅(ムンジェイン)政権には大きな痛手だ。 米韓関係筋によれば、米朝首脳会談後、韓国は米国に対し早期に外相会談を開くよう申し入れ、文大統領が訪米できるとも伝えた。 だが、26 日時点で両会談の日程は固まっていない。

今月訪米した韓国元政府当局者によれば、米政府関係者や専門家らは、文氏が 1 日の演説で開城工業団地事業の再開に意欲を示したことなどに不満を示したという。 合同軍事演習も縮小が続き、韓国内では米韓同盟の弱体化を懸念する声が上がる。 一方で北朝鮮は 22 日、開城の南北連絡事務所から要員を一時撤収する動きを見せた。 文政権は 3 月末から 4 月にかけて金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の訪韓を目指したが、実現のめどは立っていない。 韓国政府関係者はこうした北朝鮮の思惑について「韓国がいま経済支援ができないことを知っている。 利用価値がないとみているのだろう。」と語った。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2019 年 3 月 28 日 -

◇ ◇ ◇

文在寅氏、4 カ月ぶりの米韓会談へ 米朝対話の促進狙う

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は 11 日、ワシントンでトランプ米大統領と約 4 カ月ぶりに会談する。 2 月末のハノイでの 2 回目の米朝首脳会談が合意なしで終わって以降、初の会談。 文氏はトランプ氏から直接、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と非核化交渉を続ける意思を引き出し、両者の仲介役として対話再開を促す考えだが、見通しは不透明だ。

「現時点では北朝鮮と米国の両方に信頼されているのは文大統領だけだ。 今回も役割があると期待する。」 9 日、韓国大統領府関係者は記者団にこう語り、今回の会談の目的が米朝対話の枠組みを維持することだと明かした。 大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長は 4 日、北朝鮮への特使団派遣を「検討している」と国会で語った。 文氏は、トランプ氏から対話継続に前向きな発言を引き出せれば、特使を通じて正恩氏に直接伝え、3 回目の米朝首脳会談の実現を促す考えとみられる。

文氏が米朝対話の促進者を自任し、前のめりになる背景には、長期にわたり中断すれば、再び朝鮮半島情勢が悪化するとの焦燥感がある。 韓国ギャラップによると、今月上旬の文氏の支持率は就任後最低の 41%。 支持率回復策として期待する正恩氏のソウル訪問も、非核化への動きが進まなければ実現困難で、対話は政権の行方を左右する。 ただ、ハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わった後、トランプ政権は北朝鮮の完全非核化を最優先で求める方針へと回帰。 ポンペオ米国務長官らは北朝鮮が非核化を実現しなければ制裁緩和に応じない考えを再三強調している。

北朝鮮や韓国が求めている金剛山観光や開城工業団地の事業再開にかかわる制裁免除についても「将来的に制裁緩和につながる恐れがある(米政府当局者)」として応じる考えはない。 米政権内には韓国が北朝鮮の意向に寄りすぎていると不満を募らせている部分もある。 一方、北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)外務次官は 3 月 15 日、米国が主張する方式での非核化要求は受け入れられないとして「交渉の中断」を警告した。 米朝の溝が深いほど文氏の役割は増すとも言えるが、韓国の専門家は「米朝両方を満足させる案を準備するのは容易ではない」とみる。 (ソウル = 武田肇、ワシントン = 園田耕司)

- 朝日新聞 2019 年 4 月 9 日 -


金正恩氏「条件つきで 3 回目の米朝首脳会談、用意ある」

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は 12 日、国会にあたる最高人民会議で演説し、3 回目となる米朝首脳会談を行う用意があると述べた。 ハノイで 2 月末に開かれた 2 回目の会談が物別れに終わった後、正恩氏が米朝首脳会談について立場を明らかにしたのは初めて。 ただ、米国の要求は一方的だと強く批判し、会談開催には条件も付けた。

朝鮮中央通信が 13 日に伝えた。 正恩氏は、トランプ米大統領と「立派な関係を維持している」とし、「米国が正しい姿勢で我々と共有できる方法論を見つける条件で、第 3 回首脳会談を行う用意がある」と語った。 さらに「今年末までは忍耐をもって米国の勇断を待つ」として、年末までに米国が非核化をめぐる方針を変えるよう求めた。 ハノイでの会談で、トランプ氏は北朝鮮に全ての核関連施設の完全廃棄を約束させたうえで制裁を解除する一括合意「ビッグディール(大きな取引)」を提案したが、正恩氏は拒んだ。 11 日にワシントンであった米韓首脳会談前にも、トランプ氏はビッグディールを強調しており、正恩氏は演説で受け入れない考えを改めて示した形だ。

正恩氏は演説でハノイでの会談が「米国に関係改善の考えがあるのか警戒心を持つ契機になった」と指摘。 「一方的に要求だけを押しつける米国式の対話方法には興味もない」と批判した。 正恩氏は経済制裁について何度も触れ、長期化に備えるよう呼びかけた。 制裁の影響が出ており、国民に結束を呼びかけざるをえない状況にあるようだ。 (ソウル = 神谷毅)

- 朝日新聞 2019 年 4 月 13 日 -


ロ朝会談、正恩氏「朝鮮半島は危険域」 米国を警告か

北朝鮮の朝鮮中央通信は 26 日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が 25 日にプーチン大統領とウラジオストクで行った初会談の内容を報じた。 正恩氏は 2 月末の 2 回目の米朝首脳会談が不調に終わったことに触れ、「米国が一方的で善意のない態度を取ったことで、朝鮮半島情勢が膠着状態に陥り、原点に戻りかねない危険な領域に至った」と述べたという。

同通信は正恩氏が「朝鮮半島の平和と安全はすべて米国の今後の態度によって左右され、我々は全ての状況に対して準備する」と述べたとも伝えた。 米国が米朝協議で北朝鮮に完全非核化を迫る姿勢をあらためなければ、核・ミサイル実験が相次ぎ軍事的な緊張状態に陥っていた協議前の状況に戻る可能性を警告したものとみられる。 プーチン氏は会談内容を米中に伝えると明らかにしている。

一方、インタファクス通信は、正恩氏が予定を前倒しして 26 日午後 3 時にウラジオストク駅から特別列車で帰国すると伝えた。 正恩氏は市内の劇場でのバレエ鑑賞などの視察を検討していたが、中止となるとみられる。 (ウラジオストク = 武田肇)

- 朝日新聞 2019 年 4 月 26 日 -


北朝鮮飛翔体、米「弾道ミサイル」と断定 新局面入りか

米国防総省が 2 回目となる北朝鮮による飛翔体の発射を「複数の弾道ミサイル」と断定した。 弾道ミサイルであれば、通常のミサイルとはまるで事情が違ってくる。 国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議は北朝鮮に弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁じており、今回の飛翔体発射が国連決議違反に該当することになるためだ。 国際社会は何らかの対応を迫られる可能性も出てくる。

米側の 2 回目の飛翔体発射をめぐる反応は、1 回目とは違って厳しいものだった。 トランプ米大統領は「我々は極めて深刻に見ている。 (ミサイル発射は)だれもハッピーではない。」と不快感を示した。 北朝鮮の話題となれば、正恩氏との個人的な関係が良好であることをつけ加えるのが常だが、こうした言葉を一切発することはなかった。

米側には、1 回目の飛翔体発射後の対応をめぐる反省があったとみられる。 もともと正恩氏の戦略について、ワシントンでは「米国のみならず、日韓両国の寛容さと忍耐力を試そうとしている(ジュン・パク元 CIA 上席分析官)」という見方が強かった。 ゆえにトランプ氏を筆頭に、日米韓が抑制的な対応を示したことが皮肉にも次なる北朝鮮の挑発活動の「呼び水」になる、という懸念が米政府関係者には広がっていた。

ただ、米国防総省は弾道ミサイルと断定したものの、米国は国連安保理の緊急会合の招集を求める動きまでは見せていない。 トランプ氏も正恩氏と交渉を続けていく姿勢は基本的には変えていない。 米朝交渉を破綻させれば、自らが誇る数少ない「外交的成果」が瓦解することになるからだ。 一方の北朝鮮も、トランプ氏を 3 度目となるトップ会談の場に何とか引きずり出し、制裁緩和を勝ち取るのが最大の狙いだ。 その実現に向け、パク氏は「我々は北朝鮮によるさらなる攻撃的な行為を見る可能性が高いだろう」と警告する。

北朝鮮は 2020 年の米大統領選再選を目指すトランプ氏の足元を見据え、ギリギリのラインを探りながら、挑発活動を続けるとみられる。 それは一歩足を踏み外せば、2017 年当時の一触即発の危機を招きかねない危険なゲームでもある。 米朝の蜜月時代は終わり、新たな緊張局面に入ったと言えるだろう。 (ワシントン = 園田耕司)

- 朝日新聞 2019 年 5 月 10 日 -

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