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北朝鮮の遭難漁船と遭難者 (4)

漂着「北朝鮮船」の謎 … 人骨 9 体、ウォン札、原始的な木造船体が物語る「かの国」の惨状

京都府舞鶴市小橋(おばせ)の海岸に 11 月末、1 隻の木造船が漂着した。 舞鶴海上保安部(同市)が船体などを調べたところ、9 人分の人骨が確認された。 北朝鮮の紙幣や漁具なども見つかり、舞鶴海保は北朝鮮の漁船の可能性が高いとみる。 船体の調査からは、驚くべき事実も判明。 過酷な北朝鮮の現状が浮かびあがる。

粗雑で貧弱な船体

「現在の日本ではみられない。原始的な構造。」 舞鶴港西港地区第 3 埠頭(ふとう)で陸揚げした船体を調べた舞鶴海保の職員は、そうつぶやいた。 漂着した木造船は長さ約 12 メートル、幅約 3 メートル。 船底が平らという朝鮮半島の船の特徴が認められた。 右舷の一部が破損していたが、衝突した形跡ではなく、漂着時に破損した可能性が高いという。 外板には海藻が付着し、モーターボートに取り付けるような小さなスクリューや、舵が残っていた。

驚くべきは、その構造だった。 壊れた舷側の船板の間には浮力を得るためか、発泡スチロールのようなものが挟み込まれていた。 船板同士はきちんと接合されず、すき間は縄やビニールを詰め込んでタールを塗り、浸水を防いでいるありさまだ。 FRP (強化プラスチック)や軽合金(アルミニウム)で作られた強靱な日本の漁船と比べて、粗雑で貧弱、確かに「原始的」というしかない。

白骨 9 人分を発見

木造船は 11 月 29 日午前 11 時 45 分ごろ、舞鶴市の小橋港沖北約 7 キロの海上で転覆した状態で漂流しているところを操業中の漁船によって発見された。 通報を受けた舞鶴海保が監視していたところ、30 日午前 6 時 40 分ごろ、小橋港沖約 300 メートル北の小橋港アンジャ島東側の岩場に漂着した。 漂着現場付近の海底を調査したところ、頭蓋骨(ずがいこつ) 2 つや骨盤 1 つなどを発見。 陸揚げして調べたところ、船室のような上部構造は残っておらず、転覆した船内には構造物の残骸(ざんがい)とみられる大量の木片が詰まっており、さらに頭蓋骨 3 つや骨盤 7 つが見つかった。

司法解剖の結果、人骨は 9 人分で、いずれも男性と判明。 1 人は 30 - 50 歳代、5 人は 50 歳以上、3 人は年齢不詳という。 海水に浸かって腐敗が早く進み、死後 1 - 3 カ月経過しており、同時期に死亡したとみられる。 このほか、回収した作業服のポケットから 5 千ウォン札 2 枚、ハングルの表記があるたばこの箱やライフジャケット 11 着、イカ釣り用のルアーなど漁具、中国語の表記がある無線機などが発見された。

船内から武器などは発見されず、服や漁具などから工作船の可能性はなく、舞鶴海保は「死亡時期も同じであり、漁業中のなんらかの転覆事故」との見方を示している。 第 8 管区海上保安本部の管内(福井県から島根県までの 1 府 4 県の日本海側)では、昨年 11 隻、今年は 11 月 30 日現在で 16 隻の木造漂流船が確認された。 昨年 11 月に福井県で発見された木造船からは少なくとも 7 体分の遺体が発見された。

当時、北朝鮮の専門家は「無理を承知で漁獲増を目指している」と指摘した。 核開発には資金をつぎ込むが、まともな漁船もない国情が浮かぶ。 粗雑な造りで、復元力の弱い平底の過去の遺物のような漁船に乗って、日本海の荒波に乗り出す北朝鮮の漁師たち。 彼らも北朝鮮体制の悲惨な犠牲者といえるだろう。

- 産経新聞 2016 年 12 月 13 日 -


漂着 島根・大田市の海岸に船首 船体にハングル

島根県大田市仁摩町宅野の海岸で、外国籍とみられる船の船首部分が漂着しているのが見つかった。 魚を保存するケースやブイなどが多数散乱していた。 浜田海上保安部によると、船首が漂着したのは今月 25 日。 同保安部は船体のハングルを確認、外国籍の漁船の可能性があるとみて詳しく調べている。

- 毎日新聞 2017 年 1 月 30 日 -


木造船漂着「北朝鮮から来た」 国籍不明 8 人保護 秋田

秋田県警によると、23 日午後 11 時 25 分ごろ、秋田県由利本荘市石脇の船舶係留施設「本荘マリーナ」に不審者がいるという内容の通報が、近所の人から由利本荘署にあった。 同署員が現場に駆けつけ、施設内で国籍不明の男性 8 人を発見した。 調べに対し、「北朝鮮から来た。 漁のために来たが、船が故障して漂着した。」と話している。 自力歩行できる健康状態だという。 同署によると、近くには、漂着したとみられる長さ 20 メートルほどの木造船があるという。

- 朝日新聞 2017 年 11 月 24 日 -

◇ ◇ ◇

「北朝鮮帰りたい」漁途中で故障か 秋田の漂着木造船

23 日午後 11 時 25 分ごろ、秋田県由利本荘市石脇の船舶係留施設「本荘マリーナ」付近に「不審者がいる」と、近所の人から 110 番通報があった。 現場に駆けつけた県警由利本荘署員が、施設周辺で国籍不明の男性 8 人を発見。 男性らは県警などの事情聴取に、「北朝鮮から漁のために来たが、船が故障して漂着した。 北朝鮮に帰りたい。」などと話しているという。

県警などによると、施設の近くの住民宅に不審な男が助けを求めて来たため、警察に通報したという。 8 人が発見された場所の近くの海上で、漂着したとみられる全長 20 メートルほどの木造船が見つかった。 船には、夜間に海面を照らして魚をおびき寄せるランプがついていて、船内からは漁で取ったとみられるイカが見つかった。 男性らは「北朝鮮を出たのは 1 カ月ほど前」と話しているが、全員、自力で歩けるなど健康状態に大きな問題はないという。 8 人は同署内で保護され、県警や仙台入国管理局などが朝鮮語の通訳を介し、事情を聴いている。 所持品も調べているが、不審な物は見つかっていないという。

木造船の漂着を受け、海上保安庁は 24 日朝から、巡視船や航空機で、ほかに不審船などが漂流していないか、周辺海域の調査を始めている。 小此木八郎国家公安委員長は閣議後の会見で、「関係機関と連携し、適切な対応をする」と話した。 今後、必要な聴取や手続きを経て、北朝鮮に帰すことになる見通し。 「本荘マリーナ」に隣接する海水浴場を散歩していた男性 (70) は、「毎朝このあたりを散歩して 7 年になるが、国籍不明の船が漂着するなんて」と驚いた様子で話した。

- 同 上 -

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北朝鮮籍とみられる漂着船、消える 秋田

23 日夜に秋田県由利本荘市の海岸で見つかった北朝鮮籍の漁船とみられる木造船が、25 日朝になって漂着場所からなくなっていたことが、県警への取材でわかった。 県警は、船が流されたか沈んだ可能性があるとみて、確認を急いでいる。 木造船は全長 20 メートルほど。船舶係留施設「本荘マリーナ」付近に漂着し、24 日時点では消波ブロックにロープでつながれていた。 同日は荒天のために県警は船内の捜索ができず、現場付近に警察官を配置し、立ち入りを規制していた。

- 朝日新聞 2017 年 11 月 25 日 -


秋田に別の木造船が漂着、8 人の遺体発見 男鹿の海岸

秋田県男鹿市野石の宮沢海水浴場に 26 日、木造船が漂着し、船内から 8 人の遺体が発見されたことが 27 日、秋田海上保安部への取材でわかった。 同海保が船籍や、遺体の身元などを調べている。 同海保によると、木造船が 26 日午前 8 時半ごろ、海岸から 30 - 50 メートル沖合を漂流しているのを近所の住民が発見。 その後、海岸へ打ち上げられた。 男鹿市から南に約 70 キロ離れた同県由利本荘市には 23 日、「北朝鮮から来た」と話す 8 人の男性を乗せた木造船が漂着している。

- 朝日新聞 2017 年 11 月 27 日 -


新潟・佐渡で木造船、近くに男性 2 遺体

2 日午前9 時 40 分ごろ、新潟県佐渡市江積の海岸で「船が転覆して打ち上げられている」と、近所に住む男性から県警佐渡西署に通報があった。 駆けつけた署員が、岸から約 50 メートル沖合で木造船が船底を上にした状態で浮いており、近くに男性 2 人の遺体があるのを発見した。 船体にはマークがなく、同署が船籍や遺体の身元を調べている。 同署によると、遺体はいずれも仰向けの状態で、1 人は茶色のジャンパーと青いセーターを着用。 もう 1 人は全裸だった。 今後、死因を調べる。 現場付近は数日前から強風が続き、波が高い状態だったという。 同市の海岸では 11 月 25 日にも、木片と遺体が見つかっていた。

- 産経新聞 2017 年 12 月 2 日 -

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