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北朝鮮の生活と経済 (32)

「8 割が失業した。 希望が見えない …。」 北朝鮮国民を制裁が痛撃

高英起の無慈悲な編集長日誌, 反体制, 経済制裁

国連安全保障理事会は、核実験、ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮に対して、相次いで制裁を突きつけている。 11 日には、原油、石油の輸出制限、原油・石油精製品の輸出を制限し、北朝鮮製の繊維製品の輸入を禁じる内容が盛り込まれた制裁決議 2,375号 を全会一致で採択した。 北朝鮮国内では、すでに制裁の影響による混乱が出始めているもようだが、制裁が庶民の暮らしを痛撃するのも時間の問題と思われる。 そんな中、デイリーNK取材班 は13 日、中国の遼寧省丹東に住む北朝鮮の貿易関係者 A 氏との接触に成功した。 A 氏は、制裁が北朝鮮に及ぼす深刻な影響について重い口を開いた。

記者 「制裁決議が矢継ぎ早に採択されたが、貿易関係者の反応は?」

A 氏 「私の実感としては、わが国の貿易関係者の 8 割は仕事がなく、もどかしい思いをしている。 朝中合弁事業もできなくなり、銀行口座も凍結された。 労働者を送り込むなど主な外貨稼ぎの手段がすべてブロックされたため、やれることは何もない。」

記者 「今まで進めてきたビジネスはすべてダメになったのか?」

A 氏 「そうだ。 最近は我が方からビジネスの話を持ちかけても中国側から断られるということが一部で起きている。」

記者 「あなた自身のビジネスもか?」

A 氏 「朝中貿易の仲介を行い、それで得た手数料で物資や資材を買い付け、国に送る仕事をしてきたが、それも難しくなった。 収穫期を迎えたわが国では、脱穀機や農業資材を必要としているが送れなくなった。 収穫に大きな影響が出るだろう。」

記者 「今回の制裁決議には繊維製品の禁輸も含まれているが、どう思うか?」

A 氏 「繊維製品の原材料を送ることも難しくなったため、工場はまともに稼働できなくなるだろう。 体制にとってもダメージだが、一般の人民が受けるダメージはさらに大きい。 まもなく冬を迎えるのに、石油の輸出制限も始まり、人民は非常に苦しむことになるだろう。 北朝鮮と中国の関係が良好でこそ、人民の暮らし向きもよくなるというのに、現状では希望が見えない。」

核兵器開発を強行し続ける北朝鮮に対しては、確かに圧力が必要だ。 しかし金正恩党委員長の独裁体制が、庶民の犠牲の上に存続を図るのは間違いない。 そもそも民主主義が存在せず、民意が体制に作用するシステムのない国に対し、経済制裁がどのような効果を生むかも不透明だ。 一般国民だけが必要以上のダメージを受けることのないよう、モニタリングを行うことが重要だ。

- DailyNK 2017 年 9 月 16 日 -


ミサイル開発の一方で、暗くて寒い北朝鮮の暮らし 統計データから見えてくる北朝鮮のエネルギー事情

北朝鮮の人々はどのような暮らしをしているのだろうか。 日本ではもっと経済制裁を強めろとの大合唱だが、そんな状況下での庶民の暮らしぶりを探ってみたい。 アントニオ猪木議員の訪朝などに伴って平壌の映像が流れるが、あれは北朝鮮特に豊かな地域を写したものだろう。 北朝鮮を訪れた報道関係者が伝える情報は、平壌の中心部に限られている。 それは永田町と銀座を見て日本人の生活について語るのに等しい。 ここでは、もっとマクロな観点から北朝鮮の現状を推定してみたい。 食料事情については、先に本コラム「統計データから見えてくる北朝鮮の意外な食料事情」で触れたから、今回はエネルギー事情について見てみたい。

電気は貴重品、エネルギーの 5 割は石炭から

国際エネルギー機関 (IEA : International Energy Agency) は北朝鮮についてもデータを発表している。 ここでは全消費量から工業部門と輸送部門の消費量を除いたものを民生部門とした。 北朝鮮の 1 人当たりのエネルギー消費量は石油換算で 1 年間に 0.13 トン。 日本や韓国の 6 分の 1 でしかない。 日本や韓国ではエネルギー源として電気の割合が高いが、北朝鮮は電気の割合は低い。 電気だけを見れば日本の 19 分の 1 である。

- B Press 2017 年 9 月 18 日 -


金正恩政権、国民の蜂起で崩壊の可能性も 亡命した元高官が指摘

北朝鮮の元駐英副大使で、昨年韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)氏が 1 日、米下院外交委員会の公聴会で証言し、北朝鮮国民による蜂起が金正恩(キム・ジョンウン)政権の崩壊につながる可能性があると指摘した。 一方で、米軍による北朝鮮への攻撃は人的被害を招くと警告した。 太氏は「金正恩は恐怖による支配で権力を強化していると表面的には見えるが、北朝鮮国内では予想外に大きな変化が起こっている」と強調。 また、国内では「自由な市場が活性化している。」とした上で、「多くの国民が自由な資本主義スタイルの市場に慣れてきており、国が営む社会主義経済システムがどんどん過去のものになっている」と述べた。

また北朝鮮では福祉制度が崩壊していると指摘し、「公務員、軍人、警備隊員らの多くが、賄賂や国有資産の着服に頼って生きている」と語った。 さらに北朝鮮国民は「国のプロパガンダには関心を示さず、違法に持ち込まれた韓国映画やドラマを見るようになっている」と述べるとともに、「多くの国民が自分たちの生活状況の現実を徐々に知り始めている」と説明。 こうした変化が起こっているため、北朝鮮で国民の蜂起の可能性が高まっていると考えられると語った。 一方、北朝鮮に対する軍事攻撃については「決定前に非軍事的対応が全て取られたかどうか再考する必要がある」と慎重な姿勢を示し、「軍事攻撃によって発生する人的被害を考慮しなければならない」と警告した。

- AFP = 時事通信 2017 年 11 月 2 日 -


北朝鮮の核実験場近くで地震 実験が誘発した自然地震か

2 日午前 7 時 45 分ごろ、北朝鮮北東部の咸鏡北道吉州(ハムギョンブクトキルジュ)から北北西約 43 キロの地点でマグニチュード (M) 2.5 の地震が起きた。 韓国気象庁が発表した。 地震が起きた場所は、豊渓里(プンゲリ)の核実験場から北東約 2.7 キロの地点。 北朝鮮が 9 月 3 日に実施した 6 回目の核実験が誘発した自然地震とみられる。

韓国政府は、6 回目の核実験で実験場の坑道が崩落したと分析している。 韓国気象庁の南在哲長官は 10 月 30 日の国会答弁で「豊渓里の万塔山(マンタプサン)一帯に(長さ) 60 - 100 メートルの空洞がある」と説明。 追加実験がなくても、地震で陥没すれば放射性物質が外部に漏れる可能性があると指摘した。 万塔山では 9 月の 6 回目の核実験で一部が山崩れを起こした。 実験後、その影響とみられる小規模な地震が数回起きている。 (ソウル = 牧野愛博)

- AFP = 朝日新聞 2017 年 12 月 2 日 -


海保の巡視船、北朝鮮漁船に放水 退去求める様子を公開

海上保安庁は 15 日、日本海の排他的経済水域 (EEZ) で、今年 9 - 11 月に違法操業していた北朝鮮漁船に退去警告する様子の写真と映像を公開した。 現場は男鹿半島(秋田県)の西約 400 キロの「大和堆(やまとたい)」という漁場。 漂着が相次ぐ木造船は、これらの違法操業船が遭難した可能性がある。

海保は 7 月から放水銃などによる警告を始め、8 月末までに約 820 隻を EEZ から退去させたが、9 月以降に再び増加したという。 今年 12 月までに警告した北朝鮮漁船は計約 1,900 隻に上り、約 300 隻に対して放水銃を使った。 公開された写真は 9 - 11 月に撮影。 電光掲示板などを使い、EEZ から退去するよう求める様子が写っている。 北朝鮮漁船には、木造(全長 10 - 15 メートル)と鋼船(同 30 - 40 メートル)がある。 夏場は木造船ばかりだったが、海が荒れる秋以降は鋼船も増えたという。

動画には、煙突に北朝鮮国旗が描かれた船や、日本の巡視船から逃げるように EEZ から退去する様子が映っている。 11 月下旬以降、北朝鮮漁船はほとんど見られなくなったという。 大和堆では日本漁船も操業し、日本海側の自治体や地元漁協が国に対して対応を求めていた。 海保は引き続き、巡視船や航空機による警戒を続ける。 一方、海保は 15 日、北朝鮮籍とみられる木造船の漂流・漂着が、今月は 15 日正午までに 30 件確認され、月別で過去最多だった先月を上回ったと発表した。 (伊藤嘉孝)

- 朝日新聞 2017 年 12 月 15 日 -


金正恩氏、党細胞に不満「常に質素で気さくな品性を」

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は 23 日、平壌での第 5 回党細胞委員長大会で、党の末端組織である党細胞について「党中央が求める水準に達していない」と不満を漏らした。 朝鮮中央通信が伝えた。

正恩氏は「米国とその追従勢力が我々の内部に不健全で異色の思想毒素を広めている」と主張。 党細胞委員長に対し、党員や市民に党の路線と政策の正当性を解説するよう求めた。 「人間味があって常に質素で気さくな品性を備えるよう努力しなけばならない」とも強調した。 党細胞委員長は職場や地域の党員を数十人単位でまとめる。 各単位が、党の指示を実施したかどうかを確認し合う「生活総和」と呼ばれる集会や、学習会などで党の指示を伝える。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2017 年 12 月 24 日 -

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