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北朝鮮の遭難漁船と遭難者 (5)

木造船漂着の情報、海保が捜索続ける 北海道・松前町沖

北海道松前町沖の松前小島に国籍不明の木造船が漂着したとの情報を受け、第 1 管区海上保安本部は 29 日も巡視船で確認にあたった。 周辺の波が高いため島に接岸できず、午前 9 時半現在、船は見つかっていないという。

松前小島は松前町の沖約 23 キロにある周囲約 4 キロの無人島。 周辺ではコンブ漁などが行われていて、荒天の際の避難用の港がある。 漂着船の通報は 28 日午後にあり、生存者がいるとの情報もある。 海上保安部の巡視船は島を回りながら目視で確認を進めており、天候の回復を待って上陸し、捜索する予定だ。 松前町の海岸では 26 日、木造船の船首部分とみられる長さ約 4 メートルの船体が漂着している。

- 朝日新聞 2017 年 11 月 29 日 -

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北朝鮮の船? 着岸の島、漁業者の小屋の家電が無くなる

北朝鮮から来たとみられる木造船が着岸した北海道松前町沖の松前小島で、漁業者の小屋に置かれていたテレビや冷蔵庫などが無くなっていたことが、関係者への取材で分かった。 船内からはテレビなど複数の家電製品が見つかっており、北海道警などが関連を慎重に調べている。 4 日、第 1 管区海上保安本部や道警、松前町の漁業関係者らが島に上陸して調べたところ、小屋は鍵がこじ開けられ内部が荒らされていたという。 島内からは船外機もなくなっていた。 さらに、灯台近くにあるソーラーパネル 4 枚が、取り外された状態で島内の防波堤近くで見つかった。 海保が 9 月 22 日に点検した時に異常はなかったという。

木造船は 11 月 28 日、松前小島に着岸しているのが見つかった。 翌日、島の北東約 13 キロの海上で漂泊しているのを海保が発見。 現在は、北海道・函館港外に曳航(えいこう)され、立ち入り検査が実施されている。 乗組員の説明によると、北朝鮮国籍の 10 人が乗っており、9 月に日本海に面した北朝鮮北東部の港を出港して日本海でイカ漁をしていたが、約 1 カ月前に船のかじが故障し、漂流したという。

- 朝日新聞 2017 年 12 月 4 日 -

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木造船、突然のエンジン起動 海保が 1 時間後に確保

北海道松前町沖で発見され、第 1 管区海上保安本部の立ち入り検査を受けていた北朝鮮籍の乗組員を乗せた木造船が、8 日午後 3 時半ごろ、突然エンジンをかけて動き出した。 逃走をはかったとみられる。 木造船は海保の追走を受けて約 1 時間後に確保され、午後 6 時前に巡視船に再び係留された。

海保によると、木造船は北海道函館港沖で複数のロープで巡視船に固定されていた。 乗組員がエンジンをかけ、ロープの一部が切断されていたという。 木造船が巡視船から離れて動き出したため、ゴムボートなどが追走。 その後、木造船は制止の呼びかけに応じて止まったという。 木造船は、かじの一部が壊れているほか、エンジンとプロペラ(スクリュー)をつなぐシャフトの軸受けも損傷しており、海保は自力航行に支障があるとみている。

また、木造船乗組員の 1 人から「船にいたくない」との申し出があったため、6 日夜から、巡視船内で保護した。 木造船内で口論があったと説明しているという。 木造船は先月、松前町沖で発見された。 函館港沖まで引航され、海保が立ち入り検査をしていた。

- 朝日新聞 2017 年 12 月 8 日 -

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「逮捕、逮捕!」叫ぶ声 北朝鮮籍の乗組員、激しく抵抗

逮捕された北朝鮮籍の乗組員が乗った木造船は 9 日午前 7 時 45 分ごろ、海上保安庁の船に引かれて、北海道函館市の函館港中央埠頭に接岸。 直後に道警の警察官や海保の職員らが一斉に乗り込んだ。 午前 8 時ごろ、船内から「逮捕、逮捕!」と叫ぶ声が上がった。 乗組員は、複数の警察官らに両脇を抱えられたり、わめき声を上げて激しく抵抗したりしながら順次下船。 最後の 1 人は担架で運ばれ、30 分ほどかけて全員が船を下りた。

逮捕された 3 人は無人島・松前小島の物置から発電機を盗んだとされる。 物置を所有する松前さくら漁協によると、物置と小屋から家電や漁具などが盗まれており、被害総額は約 790 万円に上るという。 佐藤正美組合長は 9 日、「被害の大きさを考えれば、逮捕は当然かと思う。 これで真相が解明されるはず。 今後の捜査に期待したい。」と話した。(阿部浩明、弓長理佳)

- 朝日新聞 2017 年 12 月 9 日 -

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木造船乗組員 8 人を北朝鮮へ強制送還 札幌入管

北朝鮮から来た木造船の乗組員が北海道松前町沖の松前小島で発電機などを盗んだとされる事件で、札幌入国管理局は 9 日、起訴された船長らを除く 8 人を北朝鮮に向けて強制送還した。 札幌入管によると、強制送還されたのは、乗組員 10 人のうち、窃盗罪で起訴された自称北朝鮮国籍の船長カン・ミョンハク被告 (45) と結核に感染して入院中の男性を除く 8 人。 中国経由で送還したという。 9 日午前 10 時 25 分ごろ、乗組員を乗せたバスが札幌入管を出発。 午後に新千歳空港から民間機で北京に向かったとみられる。

- 朝日新聞 2018 年 2 月 9 日 -


北朝鮮籍の難破船が 6 倍増

海上保安庁が発表したところによると、11 月に発見した北朝鮮籍とみられる難破船は 24 隻にものぼる。 昨年 11 月は 4 隻だったから、6 倍増となった。 大体が日本海側沿岸にて発見されているところ、また、北朝鮮漁船は簡素な構造が多いことから、北朝鮮から出漁したが、荒れる冬の波に耐えきれずに遭難した可能性が高いとされる。 特に能登半島沖に広がる排他的経済水域内にある日本海有数の漁場「大和堆」では、昨年から北朝鮮や中国から来たとみられる漁船の違法操業が頻発していて、同漁場で遭難した可能性がある様だ。

こうした難破船の多くは木造ゆえに、海上保安庁の監視網がタイムリーに捕らえているか、その警戒体制について確認する必要がある。 また、出漁が北朝鮮の食糧事情の悪化によるとも言われているが、ミサイル開発の陰で経済の悪化が進んでいるのかどうか判然としない。 確かなのは日本海は脱北の一つのルートになっているということだ。 木造船に乗って明確に日本を目指すかどうかはあるにせよ、有事であれば、あるいは季節によっては、海から脱出する避難民が大量に出る可能性は考えておかねばならない。

避難民の対処には地方自治体の協力が不可欠であり、この点、以前から私自身が国会の質疑で確認してきたところだ。 公共機関の連携は、国、県、市の連携あるいは国の各機関の連携だけでは不十分である。 避難民に医療や教育などの支援を提供する際には日本赤十字社や NGO による協力も必要だ。

関わる主体が多くなればなるほど、普段からの連携のみならず、いざというときの想定と訓練が必要となる。 前回の質疑では、「想定している」との答弁はあったが、果たしてどこまで「想定」し「計画」し「訓練」しているか、関係者が当事者意識を持っているかは改めて政府に確認したい。 事が起きてから協議を行っても遅い。 その間に避難民は続々と上陸し、そこには工作員や武装した避難民が含まれる。 そう覚悟した上での対処が必要になることも、関わる当事者全てが共通の認識を持っておく必要がある。

加えて、有識者によれば、避難民への対処に適した艦船、人員の不足は大きな課題となっている。 避難民対処に適した艦船とは何か。足が速く工作船を追尾可能で、洋上での接舷能力があり、場合によってはある程度の避難民を収容したり、当然、揚陸可能な手段を運搬できる船が望ましい。 このような様々な用途が可能な船をしかるべき数を考えて準備しなければならない。 ここまでの準備の有無を政府に確認しておきたい。

最も困難だと思うのは人材の育成、確保だ。 洋上で探索し、避難民の状況を確認するだけでなく、船舶検査も通常の検査ではない。 武装工作員がいる場合には決死の覚悟が必要となる。 各機関と連携しながら、状況を冷静に踏まえ、洋上あるいは陸上でも行動できる人材を育成確保するには特殊な訓練が必要だ。 (鷲尾英一郎)

- Blogos 2017 年 12 月 2 日 -

〈編者注〉 鷲尾氏の主張・主旨は判然としませんが、まさか、この為だけの体制を新しく作り上げるという訳でもないでしょう。 どう考えても、今の体制では、「海上保安庁」の業務のような気がします。 適切な配置(現在、日本海に面しては、小樽、新潟、舞鶴のみ)、船舶・航空機等の機材配備を庁内で行えるのか検討するのが第一義です、 東シナ海への重点配備を行っているのが現状なのでしょうから、そう簡単に配置換えを行える状況に無いであろうことは推測がつきます。


海岸に木造船と 4 遺体 = 山形県鶴岡市

24 日午前 8 時 40 分ごろ、山形県鶴岡市油戸の海岸に「木造船がばらばらの状態で漂着している」と、近くを通った男性から酒田海上保安部に通報があった。海保職員が木造船の周辺を調べたところ、4 人の遺体が見つかった。 同保安部によると、船はほとんど原形をとどめておらず、遺体の身元を示すようなものは見つかっていないという。 同市の海岸では 11 月以降、北朝鮮から漂着したとみられる木造船や遺体が相次いで見つかっている。

- 時事通信 2017 年 12 月 24 日 -

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