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「つらい … でも絶対に諦めない」 10月で曽我さん帰国 15 年

北朝鮮による拉致被害者で佐渡市の曽我ひとみさん (58) が 13 日、来月で帰国から 15 年になるのを前に市内で記者会見を開いた。 進展がない拉致問題について「私が帰国してから一人も帰国できず、つらい。 うれしいこともあったが、複雑な 15 年間だった」と心境を吐露。 母ミヨシさん = 失踪当時 (46) = ら被害者全員の救出に向け「絶対に諦めない。 何とか元気でいてほしい。」と願った。

ひとみさんは 2002 年 10 月 15 日に帰国したが、一緒に拉致されたミヨシさんとの再会は 15 年間、かなわない。 「母が帰ってきたら強く抱き締め、ありがとうと言いたい」と切々と語った。 市内の介護施設で働きながら、母の救出を求めて署名活動を続けている。 だが願いとは裏腹に、北朝鮮は核・ミサイル開発を進め、挑発行為を繰り返している。 14 年に日朝が合意した拉致被害者の再調査も、うやむやのままだ。 「(北朝鮮は)本当に何を考えているのか。 私もどうしたらいいのか分からない。」と戸惑いを隠さない。

先行きが見通せない中、支えになったのは 04 年に帰国・来日した家族の存在だ。 夫ジェンキンスさん (77) は市内の観光施設、長女美花さん (34) は保育園にそれぞれ勤務している。 次女ブリンダさん (32) は結婚し、島外で暮らしているという。 ひとみさんは「たくさんの方の力添えで日本に慣れることができた」と感謝する。 最近は集まる署名の数が減り、拉致問題の風化を肌で感じている。 「拉致はあってはならないこと。 全国の皆さんの力を貸してほしい。」と語る。 北朝鮮に残る被害者に対しては「私も諦めそうになったが、帰国できた。 どんなことがあっても負けないでほしい。」と語気を強めた。

- 新潟日報 2017 年 9 月 14 日 -


拉致解決訴え国民大集会 「こんなに長くかかるとは」

2002 年 9 月に北朝鮮が日本人の拉致を認めて 15 年となった 17 日、「今年中に拉致被害者全員の救出を」と訴える「国民大集会」が東京都内で開かれた。 高齢化が進む被害者の家族からは、打開策の見えない現状への不満の声が相次いだ。 例年この時期に開かれてきたが、横田めぐみさん(拉致当時 13)の両親は初めてそろって欠席した。 5 人の被害者が北朝鮮から帰国して 15 年。 「こんなに長くかかるとは思ってもみなかった。」 拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表 (79) は今夏、体調を崩して 1 カ月ほど入院したという。 「40 年も北朝鮮に監禁されている家族はさらに大変だ。 核やミサイルの問題で混沌としているが、拉致問題は切り離して最優先で解決を。」と訴えた。

横田滋さん (84)、早紀江さん (81) 夫妻は事前に収録したビデオでメッセージを寄せた。 体調を崩し、活動を控えている滋さんは一言一言区切るように、「めぐみちゃんと、早く、会いたいです」と語った。 早紀江さんは「40 年がたつのに、めぐみの姿も誰の姿も見えない。 いつまで置き去りにされるのか。」といらだちを隠さなかった。 事前の朝日新聞の取材に対しても、「被害者は日本国家に見捨てられたと思っているはず」と答えていた。

集会は「政府は、今年中に救出を実現するため(北朝鮮との)実質的協議を最優先で行え」などと求める決議案を採択した。 冒頭に出席した安倍晋三首相は「今週訪米し、トランプ大統領に拉致問題への協力を求める。 国連総会演説でも拉致問題について世界に訴えたい。」と述べた。(清水大輔、編集委員・北野隆一)

- 朝日新聞 2017 年 9 月 17 日 -


トランプ氏の拉致言及に「感動した」 横田早紀江さん

トランプ米大統領が 19 日の国連一般討論演説で「日本の 13 歳の少女が自国の海岸から誘拐された」と拉致被害者の横田めぐみさんに触れたことについて、母早紀江さん (81) は 21 日、「世界の多くの方が聞いている中で、トランプさんが拉致問題について言葉にしてくださった。感動しました」と語った。 早紀江さんはこの日、東京都中野区で支援者らの会合に出席。 「核やミサイルが問題になっているときに、北朝鮮が人間の命を何とも思わずこんなこと(拉致)までする国だと、国連で大統領が言ってくださった。 金正恩(キムジョンウン)という人の心が変わって、拉致被害者がみな解放されるよう望んでいます。」とあいさつした。

早紀江さんは 20 日午前にも、川崎市内で報道陣の取材に応じ、「『北朝鮮が 13 歳の子を拉致した』と大統領が言ってくださったのは、解決への大きなチャンス。 『核や軍備だけが人間の勝利ではない。 拉致を認めたのだから被害者を帰さなければいけない。』ということを、どう言えば北朝鮮に伝わるのか、専門家が知恵を出して考えてほしい。」と述べていた。 めぐみさんの弟で拉致被害者家族会事務局長の横田拓也さん (49) や支援の「救う会」、議員連盟メンバーらが 11 - 16 日に訪米し、米政府関係者らに働きかけたことについても、早紀江さんは「『北朝鮮の人権・人道問題について訴えたい』と息子(拓也さん)が言っていた。 手応えがあったようです。」と語った。(編集委員・北野隆一)

- 朝日新聞 2017 年 9 月 21 日 -


拉致被害者・松本京子さんの結婚写真か 韓国団体が公表

韓国人拉致被害者の家族らでつくる「拉北者家族会」の崔成竜(チェソンヨン)代表は 27 日、鳥取県米子市出身で、北朝鮮による拉致被害者に認定されている松本京子さん(拉致当時 29)とされる女性が写った写真を公表した。 約 4 カ月前、平壌の消息筋から「松本さんの結婚式の写真」として渡されたという。 松本さんは 1977 年に行方不明になった。 崔代表によれば、写真は 81 - 82 年ごろに撮られたという。 崔代表は、女性と一緒に写った男性は「北朝鮮の人間ではない」と聞いたという。

崔代表は「国家安全保衛部(現国家保衛省)などが記録を残すために撮った写真ではないか」と語った。 崔代表によれば、松本さんとされる女性は昨年、合併症を患って平壌赤十字病院に入院したという。 また平安南道价川市近くで、タイ政府から生死確認の要請が北朝鮮に出ているタイ女性と一緒に暮らしているとの情報もあるという。

一方、松本さんの兄・孟(はじめ)さん (70) は朝日新聞の取材に「私の見るところでは違う気がする。 顔も違うし、合っているところはない。」と述べた。 一方で、この写真が拉致問題解決へのきっかけになることを望んでいると話した。 鳥取県は 27 日、加藤勝信・拉致問題担当相宛てに、写真の真偽を速やかに確認することなどを求める要望書を提出した。 要望書では、一日も早い松本さんの救出や救出後の支援も要請した。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2017 年 9 月 27 日 -


拉致被害者、帰国から 15 年 北朝鮮情勢「不安覚える」

北朝鮮に拉致された地村保志さん (62)、富貴恵さん (62) 夫妻ら被害者 5 人が帰国してから 15 日で 15 年を迎えるのを前に、地村さん夫妻の地元、福井県小浜市で 9 日、拉致問題の解決を訴える集会が開かれた。 保志さんはあいさつの中で、「日本での社会復帰など様々な問題に直面した。 多くの方々の支援と協力で乗り越えられた。」と感謝の思いを述べた。

夫妻より遅れて 2004 年に帰国した 3 人の子供の近況については、「地元企業で精力的に働いている」などと紹介。 保志さん自身は昨年、小浜市役所を定年退職し、富貴恵さんは県の嘱託職員として現在も働いているという。 一方、核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮情勢には「不安を覚える」と言及。 日本政府に対し、「圧力強化に固執することなく、政府間交渉を進めてほしい」と訴えた。

富貴恵さんは「夢にまで見た帰国から 15 年。まだ解決の糸口が見つからないままです。 これからも、どうか協力をお願いします。」と話した。 集会には新潟県佐渡市で拉致され、同じく 15 年前に帰国した曽我ひとみさん (58) も参加した。 一緒に拉致され、再会を果たせないままの母親ミヨシさん (85) について「大好きな、優しいかあちゃん。 どうか、どうか、一日も早く、一時間でも早く、かあちゃんを返して下さい。」と訴えかけた。

拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん (79) は妹の田口八重子さん(拉致当時 22)の写真を掲げ、「これ以降の写真がないんです。 『あんちゃん、早く助けてよ』と言ってるんです。」と声を強めた。 集会では拉致の可能性が疑われる特定失踪者問題の解決も強調された。 1984 年に行方不明になった越前市の河合美智愛さん(失踪当時 20)の母、喜代子さんは「せめて娘に会えるまで元気でいたい」と話した。(清水大輔)

- 朝日新聞 2017 年 10 月 9 日 -

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