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中国、民主化への道? (115)

現在の中国は、誰が見ても「民主化に進んでいる」とは思えません。 むしろ、大きく後退していると言っていいでしょう。 我々はみな、中国国民の自助努力により、この流れを食い止め、前進させてくれることを願っています。

中国、民主化のうねり始動 … 北京大学、習近平「独裁体制」批判が相次ぐ

中国の名門校、北京大学では 5 月 4 日、習近平国家主席も出席して開学 120 周年記念式典が行われた。 ところが、この慶祝行事を台なしにしようと狙ったかのように、北京大学のキャンパスの一角で習氏について「毛沢東主席と同じく、個人崇拝を大々的に行い、自分の名前を憲法や中国共産党の党章に書き加えて、自らを美化するとともに、憲法の規定を修正して国家主席の任期を廃止するなど、権力を私物化している」などと激しく批判する計 24 枚もの壁新聞が張られたことが明らかになった。

壁新聞は 4 日午前 11 時頃、もともとは 20 年以上も前に壁新聞などの掲示板があった「三角地帯」に貼られたが、学内を巡視していた監視員が発見し、掲示されてから 10 分後に撤去されたという。 中国では香港や海外のメディアを通じて、インテリ層を中心に習氏独裁への警戒が高まっていると伝えられるが、中国内で公然と習氏を批判する壁新聞が登場したことがわかったのは初めてだ。 米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア (RFA)」が北京発で報じた。

この壁新聞は「党章を維持し、中国は絶対に個人崇拝に反対して、憲法を堅守し、国家指導者は必ず任期制を実行しなければならない」と題するもので、全文が毛筆で書かれており、北京大学生物学科の卒業生で、今年 73 歳の樊立勤氏の署名が記されていた。 その内容の概要は以下のようなものである。

「毛沢東は個人崇拝を推進したことで、無数の中国人民を何回も動乱の中に追い落として大きな被害を与えた。 同時に、人民民主や党内民主といった制度を破壊してしまった。 この結果、科学思想や学術的な研究などに大きな打撃を与え、国家の綱紀は糞尿にまみれ社会すべてを恐怖の底に陥れたのである。 民衆は頼るべきものを失い、食事も満足にできず、数千万人もの人民が餓死し、ついに毛沢東が死去した時には経済状態は全面的に崩壊していたのである。」  「習近平は個人崇拝を大々的に行おうとしている。 毛沢東と同じく、歴史の悲劇は繰り返され、国家は文化大革命時代と同様、バラバラに分裂する可能性がある。 人々はもっとも警戒すべきであろう。」

北京大学の変節と、言論統制の強化

このような過激な文章を書いた樊氏とは、どのような人物だろうか。 樊氏をよく知る北京大学出身者で、在米の中国人民主化運動指導者でもあり、中国の政治問題を論じている華字月刊誌「北京の春」の元編集長、胡平・名誉主幹は次のように語っている。

「私は 1980 年代、彼と親交があった。 彼は北京大学に在学中だった文革時代に毛沢東主席に反対したことで、両足を失うなどの迫害を受けたが、文革後、北京大学に復学し、民主化運動に携わった闘士だ。 1980 年代に北京大学がある北京市海淀区の人民代表選挙(東京都の区議選に相当)に出馬したことがある。 その際に彼は学生に、『中国共産党に入党したほうがよい。 入党して、言論出版の自由を主張し、わが国の改革を進展させようではないか』と主張していた。 いまも民主化の実現を目指して闘っている。」

RFA は壁新聞の情報を入手後の 5 月 7 日、北京大学に電話取材したところ、電話に出た職員は「はっきりとわからない」とか「そんなことは、まったく知らない」と答えたというが、これについて、胡氏はこう指摘する。  「北京大学は伝統的に個人の意見を尊重することで知られ、文革時代や天安門事件当時でも壁新聞がはがされるということは、ほとんどなかった。 今は 10 分で撤去されるほど、言論統制が厳しくなっていることがよくわわる。」

また、1989 年の天安門事件のきっかけとなった同年春の民主化要求運動の指導者だった王丹氏は、次のように指摘している。  「中国の民主化運動はこの 30 年間、当局によって抑えつけられてきたが、この 4 月から 5 月にかけて、北京大学の女子学生にセクハラを働いていた大学教授を糾弾する壁新聞や、今回の樊氏の習氏批判の壁新聞など現体制を批判する動きが表面化してきた。 私は中国社会の大きな変化だと思う。 習氏が憲法を修正するなどの動きなどについて、社会的な不満が噴き出し始めており、今後民主化実現への大きなうねりに発展することも考えられる。」 (相馬勝)

- Business Journal 2018 年 5 月 10 日 -


劉霞さん所在不明に 香港人権団体 民主活動家、故・劉暁波氏の妻

香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは 21 日、ノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家、故劉暁波氏の妻で、中国当局に軟禁されている劉霞さんが最近、北京の自宅から「旅行」に連れ出されたと伝えた。 劉霞さんと連絡が取れず、行き先は不明。 親族らの話としている。

劉霞さんを出国させるよう求めているドイツのメルケル首相が 24 - 25 日に訪中することや、天安門事件から 29 年となる 6 月 4 日に合わせた措置の可能性がある。 メルケル氏は習近平国家主席との会談で、劉霞さんの問題を取り上げるとの見方が出ている。 中国当局は、政治的に「敏感な時期」になるたびに劉霞さんを北京から国内の別の場所に移動させている。

- 共同通信 2018 年 5 月 21 日 -

☆ ★ ☆

「劉暁波を愛すると無期懲役、憲法に書け」当局に怒る妻

昨年 7 月に死去した中国の人権活動家で、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波(リウシアオポー)氏の妻、劉霞(リウシア)氏 (57) が 5 月下旬に友人に電話で語った内容が明らかになった。 出国が認められないまま軟禁状態が続いていることに「劉暁波を愛することは重罪、無期懲役だと憲法に書くべきだ」との表現で当局への怒りをあらわにした。 当局は劉霞氏に、一周忌が過ぎれば出国を認めると伝えているというが、これまでも同様の約束をしながら守っていない。

5 月にも電話の内容を公開したドイツ在住の作家、廖亦武(リアオイーウー)氏が 1 日にフェイスブック上で再び公開した。 劉霞氏は「私が死ねば、誰にも迷惑はかけない」と自暴自棄な面を見せながら、廖氏に「静かに寄り添ってほしい」とも話した。 また、「彼ら(当局)は劉暁波の刑期を私に務めさせようとしている」とし、「彼らがどこまで残酷で恥知らずになれるのか、この世界はどこまでひどくなるのか見てみたい」と泣きながら嘆いた。

廖氏によると、当局は劉霞氏に 7 月13 日の一周忌が過ぎたら必ず解放すると伝えたという。 電話は、劉霞氏が出国を希望しているドイツのメルケル首相が訪中した 5 月 25 日のものという。 メルケル氏は北京で人権派弁護士の妻らとは会ったが、劉霞氏との面会はなかった。 劉暁波氏も参加した 1989 年の民主化運動が弾圧された天安門事件の 6 月 4 日が近づいた時期でもあり、許されなかったとみられる。 (北京 = 延与光貞)

- 朝日新聞 2018 年 6 月 2 日 -


台湾、中国人の人権活動家を保護

台湾行政院は 5 月 31 日、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) から難民認定を受けている中国人の女性人権活動家、黄燕さん (47) の入境を同 30 日に認めたと明らかにした。 台湾は難民に関する法律がないが、人道支援の一環で 3 カ月の滞在を許可した。

黄さんを支援している台湾の人権団体「関懐中国人権連盟」によると、黄さんは日本行きを希望しているという。 日本は難民認定率が低いため、他の国も検討する。 同連盟などによると、黄さんは長年にわたり中国で人権派弁護士の支援運動などに関わり、中国当局に何度も身柄を拘束された。 タイなどで亡命生活を送り、2017 年 8 月に UNHCR から難民認定を受けた。 5 月 29 日にインドネシアから台湾の空港に到着し、保護を求めていた。【台北】

- 毎日新聞 2018 年 5 月 31 日 -

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