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中国、民主化への道? (114)

2018 年の全人代を、後世、何と評価されるのでしょうか? 結局は、一人の独裁者を生んだだけであったのではないか? 一人一人の声を汲み上げる機能を持たない体制に未来があるとは、到底思えません。

中国からの分離は「失敗に終わる」 習国家主席、全人代で台湾などけん制

中国・北京で開催されていた全国人民代表大会(全人代 = 国会に相当)が 20 日、閉幕した。 習近平国家主席は熱のこもった愛国主義的な演説を行い、中国は台頭しつつある世界大国だと強調。 「完全な統一を達成すること」が「全国民の願い」であり、中国を分裂させようとする計画は「失敗に終わる運命」と述べ、台湾や香港独立論者を強くけん制した。

習国家主席は、中国は発展の現状に満足してはならないとも述べた。 また李克強国務院総理(首相)は年に一度の定例記者会見で、貿易をめぐる世界的な協力関係維持への強い決意が中国にはあると話した。 今後さらに経済を開放し、「中国企業と外国企業の両方」が「大きな中国市場で公正な競争ができるようにする」と説明。 ドナルド・トランプ米大統領の保護主義的な政策や関税措置とは対照的な姿勢を見せた。

歴史に罰せられる

習国家主席は 2013 年から現職。 全人代は今月 11 日に、国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正を承認しており、習氏が終身で国家主席の座にとどまることが可能になった。 習氏は今や、毛沢東以来で最も権力のある指導者とみられているが、今回の全人代で主要ポストに側近を次々と配置。 権力の基盤固めをさらに進めた。

閉会前の演説で習氏は、火薬の発明や孔子の教えといった中国の歴史上の偉業を列挙。 「社会主義だけが中国を救うことができる」と歴史が証明していると述べ、自分自身の国家ビジョンについて語った。 習氏は、中国人が「血まみれの戦いを最後まで戦い抜く精神を持っている」と述べた。 対外政策については、中国は力強くはなれるが、攻撃的ではなく、他国を犠牲にしてまで発展することはないだろうと説明した。

一方で、発展のためには国家がひとつにまとまらなくてはならず、「偉大な国家の土地のひとかけらでも、中国から分裂させることはできない」と強調。 「中国を分裂させようとするあらゆる動きや仕掛けは失敗する運命にあり、国民からは非難を受け、歴史によって罰せられるだろう」と述べた。

この発言は台湾に対する明確なけん制とみられる。 中国政府は台湾を反抗している地域と考えており、本土と統合されるべきで、必要とあれば武力行使も辞さない構えを示している。 トランプ大統領は先週、台湾との政府高官の行き来を推進する新法に署名し、中国政府が激しく反発。 依然として米中関係の火種となる可能性がある。 香港でもここ数年、自治の拡大や独立を求める声が高まっており、2014 年には大規模なデモも行われた。 中国政府はまた、新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の分離主義者と戦っているとしている。

全人代では反対意見や抗議運動は許されていない。 全人代には全国から 3,000 人の人民代表が参加。 代表たちは表面上、選挙によって選ばれているものの、実態は中国政府の推薦による。 今年の全人代では他にも、省庁の刷新が行われ環境や退役将校、文化などの分野で省新設が提示された。 また、中銀の中国人民銀行の新総裁や、習氏の経済アドバイザーとされる劉鶴氏の副首相就任が決まった。 また、汚職摘発を目的とする新機関の設置も可決された。

反汚職運動でこれまでに百万人超の公務員が摘発されているが、習国家主席がライバルを蹴落とす道具に使っているのではないかとの指摘もある。 国家主席の任期制限の撤廃は全人代で圧倒的多数の賛成で可決したが、国内外で批判の声が上がっている。 全人代に先立ち、中国のジャーナリスト李大同氏は人民代表に対し、任期制限の撤廃は混乱の種をまくことになるとの警告を発した。 李氏は BBC 中国語に対し「これは文明の波に逆らうもので、時間という試練に耐えられるものではない」、「将来、中国史上の茶番と見なされるだろう」とコメントしている。

- 朝日新聞 2017 年 3 月 20 日 -


弁護士、拘束 1 千日 妻が抗議の 120km デモ 中国

中国で 2015 年夏に人権派の弁護士らが一斉に拘束された事件で、唯一裁判が始まっていない北京の王全璋弁護士 (42) の妻が、拘束から 1 千日たっても何の情報も得られないことに抗議して、北京から夫が拘置されている天津までの約 120 キロを 10 日ほどかけて歩くデモを続けている。 妻は李文足さん (33)。 夫は昨年 2 月に国家政権転覆罪で起訴されたが、家族も、依頼した弁護士も一度も面会が認められず、健康状態すら分からない。 司法当局に毎週のように通い詰めたが、何の説明もないため、拘束から 1 千日となる前日の 4 日から歩き始めた。 天津の裁判所で、夫への面会や状況の説明を改めて求めるつもりだ。

1 日 10 - 15 キロ歩く。 4 日は雪が降り、李さんは風邪を引いた。 それでも、10 人ほどの仲間と一緒に 7 日も歩き続けた。 李さんは「有罪というなら早く裁判を開くべきだし、無罪なら釈放してほしい。 依法治国(法に基づく統治)と言いながら、何の説明もせずに 1 人の人間を閉じ込め続けるのはおかしい。」と訴えた。 事件では多くの弁護士が罪を認める姿が国営テレビで報じられ、その後、釈放されたり、執行猶予判決を受けたりする例が目立つ。 この日は、有罪判決を受けながら刑事罰を免除された湖南省の謝陽弁護士 (46) も応援にかけつけ、「王氏が罪を認めないため、当局は裁判を開けないのではないか」と話した。 (北京 = 延与光貞)

- 朝日新聞 2017 年 4 月 7 日 -

☆ ★ ☆

中国当局、徒歩デモを阻止 千日拘束の弁護士の妻ら抗議

2015 年夏に一斉に拘束された中国の人権派弁護士の一人、王全璋氏 (42) の妻李文足さん (33) らが、1 千日以上過ぎても王氏の裁判が開かれないことへの抗議のために続けていた徒歩のデモが 9 日、中国公安当局によって阻止された。 李さんや一緒に歩いていた仲間が一時、拘束された。

デモは 4 日に北京を出発し、王氏の身柄が拘束されている天津まで、10 日ほどかけて約 120 キロを歩く計画だった。 支援者らによると、9 日午前、宿を出ようとしたところ、十数人の当局者がやってきて、李さんらを近くの派出所に無理やり連れて行ったり、他の人を北京に連れ戻したりしたという。 当局者は「(抗議の)やり方が間違っている」などと説明したという。 李さんは「合法的に歩いていただけで捕まえるなんて、中国政府が言う依法治国(法に基づく統治)は、かけ声だけということだ。 夫が帰ってくるまで抗議はやめない。」と話した。 (北京 = 延与光貞)

- 朝日新聞 2017 年 4 月 9 日 -


中国・民主活動家らのテレビ自白、「当局が脅しや拷問」

中国で民主活動家や弁護士らが当局に拘束された後、正式な逮捕や裁判の前にテレビで罪を「自白」するケースが近年相次いでいることについて、国際人権団体が当事者らに調査した結果を報告書にまとめた。 「公安当局の脅しや拷問があり、セリフも用意されている」と指摘している。 報告書は「シナリオと演出 - 中国テレビ自白の裏側」と題して 10 日に公表された。 アジアを拠点とする人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が作成。 2013 年からの 5 年間で、拘束された活動家らがテレビで「自白」した 45 件を調べ、当事者や家族らから直接聞き取りした。

15 年の人権派弁護士の一斉拘束事件で捕まった人や、香港の銅鑼湾書店の元店長らも含まれている。 報告書は、▽当局が当事者を拷問したり、家族への不利益をほのめかしたりして罪を認めさせた、▽シナリオを作った当局が当事者の服装まで決め、用意したセリフを覚えさせて「演技」させた――などと指摘。 泣きながら罪を認めた「演技」に当局が満足せず、撮り直した例もあったという。

また、報告書は多くの「自白」には当局への批判に対する反論や、共産党を支持する内容が含まれており、「宣伝工作の道具になっている」とも述べた。 弁護士の一斉拘束事件で逮捕された北京の王宇氏は当初は拒んだものの、息子が拘束された後に「自白」に応じた。 調査に「子どもは私の全て。 こうするしかなかった。」と答えた。 報告書は、「自白」を放送したメディアも積極的に協力し、犯罪者のイメージ作りに加担したと批判。 「容疑者の黙秘権や公正な裁判を受ける権利を侵害している」として、各国が中国政府やメディアにやめさせるよう呼びかけるべきだとしている。 (北京 = 延与光貞)

- 朝日新聞 2017 年 4 月 16 日 -

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