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中国、民主化への道? (112)

Apple が中国でのクラウド運営を放棄した問題にしても、立て続けの桂民海氏拘束の問題にしても、自由を束縛することの代償がいかに大きいか、後の時代に知ることになるのでしょう。 あまりにも短期的な視野しかない現在の中国の体制も決して安泰ではないことを、逆説的に物語っているように感じます。

中国の iClound 暗雲 アップル、中国企業に運営移管

米アップルが 2 月末からクラウドサービスの中国での運営を中国企業に移管することを決め、「プライバシーが侵害される」などと利用者が懸念を強めている。 中国には、ネットワークの運営者に対して、犯罪捜査への支援・協力を義務づける法律があるからだ。

アップルは自社のスマートフォンやタブレット型端末、パソコンなどを通じ、文書や写真、動画などをネット上に保存できる「iCloud (アイクラウド)」というサービスを世界で行っている。 アップルは 2 月 28 日から、中国でのサービスを地元企業に移管する。 中国が 2017 年に施行したネット安全法で、中国で集めたデータを国内のサーバーに保存するよう義務づけたためだ。 これによって、iCloud の設定で、利用国を「中国」にしている人のデータは、すべて中国国内に保存される。

中国の利用者が懸念しているのは、サービスが地元企業に移管されることで、自らネット上に保存したデータが中国政府に提供されるかもしれないという点だ。 ネット安全法は、ネットワークの運営者に犯罪捜査への支援・協力などを義務づけている。 (北京 = 福田直之、サンフランシスコ = 宮地ゆう)

- 朝日新聞 2018 年 1 月 17 日 -


香港の出版社オーナー、中国当局が電車内で拘束

香港の出版社などを経営する作家の桂民海氏(本名・桂敏海)が 20 日、北京行きの電車に乗っていた際に当局者らによって連れ去られていたことが明らかになった。 中国指導部の個人的な生活に関する本を複数出版している桂氏は、刑務所から最近釈放されたばかりだった。 桂氏の娘によると、電車に突然、私服警官が乗り込んできて桂氏を連れ去ったという。 報道によると、中国生まれでスウェーデン国籍の桂氏は、病気の検査のためスウェーデン大使館に向かう途中だった。

桂氏の拘束を最初に報じた米紙ニューヨーク・タイムズは、桂氏には上海領事館の職員 2 人が同行してた。 英国に滞在している桂氏の娘アンゲラさんは、ニューヨーク・タイムズに対し、「状況が悪い方向に非常に急に変わってしまったことだけは分かっている」と語り、同氏の解放を訴えた。 アンゲラさんは、当局者に連れ去られた際の詳しい状況については知らないと話した。 一方、スウェーデン政府は桂氏の拘束を受け、中国大使を呼び抗議したとみられる。

スウェーデン外務省のカタリナ・ビレニウス・ロスルンド報道官は、「スウェーデン政府は何が起きたのか十分認識している」と述べたが、詳細については触れなかった。 報道官はさらに、「高い政治レベルで確固たる対応が取られており、中国当局と連絡を取り、彼の状態についてすぐに情報を提供するとの約束を取り付けた」と明らかにした。

桂氏は 2015 年 10 月にタイで休暇中に行方不明となった後、ほかの書店関係者と共に中国本土で拘束されていることが明らかになり、謎めいた経緯が国際的な関心を集めた。 中国の工作員が国外で超法規的に桂氏を拉致したとの疑惑は、海外の懸念を高めた。 しかし、中国当局は桂氏らが自主的に中国に来たと説明している。

桂氏はその後、10 年以上前に起きた交通事故への責任を認めたが、同氏の支援者たちは自白は強制されたものだと主張している。 複数の人権擁護団体は、桂氏らが中国で一党支配を続ける共産党への反対意見に対する取り締まりの対象になったと考えている。 しかし、1997 年まで英国が統治していた香港では、中国に返還された際の合意で明確な自治権が認められている。

桂氏は、昨年 10 月に刑務所から釈放されたが、家族はしばらく桂氏の居場所が分からなかった。 その後、桂氏が東部の浙江省寧波市に住んでいることが明らかになった。 ニューヨーク・タイムズ紙によると、桂氏には筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の症状が出ており、大使館で検査を受ける予定だった。 しかし、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、桂氏の友人や知人たちは、同氏がスウェーデンのパスポートの更新をしようとしていたため、大使館を訪れようとしていた可能性があると語ったという。 桂氏の現在の居場所は分かっていない。

- BBC 2018 年 1 月 23 日 -

☆ ★ ☆

香港書店経営者の即時釈放を、駐中 EU 大使が訴え

[北京] 香港の書店経営者でスウェーデン国籍の桂民海氏が週末に中国で拘束されたことを巡り、ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート駐中欧州連合 (EU) 大使は 24 日、中国当局が桂氏を即時釈放するよう期待していると明らかにした。 桂氏は北京で治療を受けるため、週末にスウェーデン外交官と移動していた際に拘束された。 スウェーデンは 23 日、桂氏の拘束を確認していた。

シュヴァイスグート氏は記者会見で、中国との問題解決に向けたスウェーデンの取り組みを「全面的にサポートする」と指摘。 桂氏の即時釈放に加え、領事館のサポートや医療支援のほか、家族と再会する機会を与えるよう中国当局に求めた。 桂氏と他の書店関係者 4 人は 2015 年、相次いで失踪。 その後、中国本土で拘束されていることが判明した。 4 人は香港に戻っている。 桂氏は昨年 10 月に釈放されていた。

- Reuters 2018 年 1 月 24 日 -


ベンツ、中国で謝罪に追い込まれる - ダライ・ラマの言葉を写真に引用

ドイツの自動車メーカー、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツが中国で公の場での謝罪に追い込まれた。 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマの言葉を引用してインスタグラムに掲載したことが中国共産党の反発を買った。 メルセデス・ベンツは流線型フォルムをした自社の高級モデルを紹介する写真に、「あらゆる角度から状況を見れば、もっとオープンになれる」というダライ・ラマの言葉を添えてインスタグラムに投稿した。 共産党系の環球時報が直ちにこれを批判。 同紙のスクリーンショットによれば、投稿は 8 万 9,000 を超える「いいね」を集めた。

メルセデス・ベンツは投稿を削除した後、ソーシャルメディアの微博で「ひどく誤った情報」が含まれていたとし、「この件が中国における当社の社員を含む中国国民の感情を傷つけたことを十分に理解している」と謝罪した。 中国では海外企業による同様のケースが続けて起きている。 上海市当局は 1 月、米ホテル運営のマリオット・インターナショナルがウェブサイトでチベット自治区を独立国家のように扱ったとして、中国語版のウェブとアプリを 1 週間閉鎖するよう命じた。 スペインの衣料品小売り ZARA と米デルタ航空も先月、台湾とチベットをウェブで国家として扱ったとして謝罪のコメントを出している。

中国外務省はマリオットの件を受け、中国の主権と領土を海外企業が尊重すべきだと主張していた。 (Linly Lin)

- Bloomberg 2018 年 2 月 7 日 -


世界遺産チベット寺院の炎上映像削除 中国当局、情報統制

【北京 = 西見由章】 世界文化遺産に登録されている中国チベット自治区ラサの仏教寺院「トゥルナン寺(通称・ジョカン寺、中国名・大昭寺)」で 17 日に発生した火災で、中国当局はインターネット上の関連の書き込みや映像を削除するなど情報統制を強めている。 チベットでは中国当局への反発が根強く、今回の火災が治安の混乱を招くことを警戒しているとみられる。 火災の発生後、ネット上では同寺の一部とみられる建物が広範囲にわたって炎上し、屋上付近まで火柱が立つ様子を撮影した動画が拡散した。

自治区中国共産党委員会機関紙の西蔵日報(電子版)は「火災はただちに消し止められ、死傷者はなく、周囲の秩序は正常に保たれている」と報じたが、出火原因は明らかにされていない。 大半の官製メディアは火災について報じておらず黙殺している。 トゥルナン寺は 7 世紀に建立。 2008 年の反中国デモ(チベット騒乱)では同寺周辺でチベット仏教の僧侶らが抗議活動を展開した。 当局によると、同寺はチベット暦の元日にあたる 14 日から 16 日まで観光客らに開放されていたが、火災のあった 17 日は閉鎖されていた。

- 産経新聞 2018 年 2 月 18 日 -

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