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金正恩、凋落の始まり (10)

「孤独な島国の断末魔」北朝鮮、NHK を罵倒

北朝鮮の朝日(ちょうにち)交流協会は 26 日、北朝鮮と金正恩氏について特集した NHK の番組について「始めから終わりまで虚偽とねつ造で一貫した特大型の詐欺劇である」とするスポークスマン談話を発表した。 朝鮮中央通信が伝えた。

談話は、「4 月中旬、日本の NHK 放送は驚くなかれ数回にわたって人間の出来損ないのような有象無象をいわゆる『特集番組』なるものに出演させて朝鮮を『犯罪国家』のように悪らつに誹謗したあげく、不作法にもわれわれの最高の尊厳まで甚だしく中傷、冒とくする千秋に許しがたい特大型の犯罪行為を働いた」としている。 これは、複数の脱北者らに取材した NHK スペシャル「シリーズ 金正恩の野望(4 月 15 日、21 日、22 日)」を指すものと思われる。 談話はまた、同番組について「歴史の新しい気流から押し出されて西山落日の運命に瀕した孤独な島国の政治いびつの断末魔のあがきにすぎない」などと罵倒している。

- DailyNK 2018 年 4 月 27 日 -

〈編者注〉 北朝鮮問題は、基本的に当事者は南北であり、最終的には、民主的方法により朝鮮半島に住む人々全てで将来を決めるのが本質です。 唯、これまで北朝鮮の指導部が犯した行為は明らかに犯罪であり、それ相応に償われ、それを指示、実行した全ての人が、その罰を負わなければいけないのは当然です。


「非核化の条件」に金委員長が求める 3 つのもの = 韓国ネットから不満の声

5 月 24 日、来月開催予定の米朝首脳会談を前に北朝鮮を 2 回訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談した米国のマイク・ポンペオ国務長官は、金委員長が非核化に対する見返りとして 3 つの要求をしていることを明らかにした。 聯合ニュースなど複数の韓国メディアが伝えた。 報道によると、ポンペオ国務長官は同日、米下院外交委員会の公聴会に出席し、9 日に訪朝し金委員長と米朝首脳会談の目標について話した際、金委員長が非核化に対する見返りとして「北朝鮮の体制保障」、「平和協定の締結」、「米国の経済支援」を要求したことを明らかにした。

ポンペオ国務長官は金委員長に、「本当の非核化」のために北朝鮮がどのような措置をすべきかについての米国の見解を伝えた。 これに対し金委員長は、「そのような目標(本当の非核化)が達成された際、民間部門の事業知識とノウハウの形で、米国から経済的な支援を受けることが重要」とし、世界から北朝鮮体制の保障を受け、最終的な目標である平和条約の締結による南北の停戦状態の終息を望んでいることを伝えたという。

ポンペオ国務長官は 13 日、米メディア「フォックスニュース」、「CBS 放送」とのインタビューで、「金委員長と米朝間の交渉が最終的にどうあるべきかについて白熱した議論を行った」とし、「金委員長との対話は専門的であり、金委員長は(米朝首脳会談の)内容をきちんと把握していた。 北朝鮮の人たちのために自分が何を達成しようとしているかも理解している。」と評価していた。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「金正恩の自己保身でしかない」、「北朝鮮住民が独裁体制下で抑圧された暮らしをしているのはあり得ないこと。 それなのに体制維持を要求するのはおかしい。」、「体制の維持は金正恩やトランプではなく、北朝鮮住民が選択すべきこと」など、米朝首脳会談の議題に対する否定的な意見が寄せられている。 一方で「米国主導の下、北朝鮮の改革開放は賛成」と肯定的な意見も見られた。

その他、「北朝鮮が米国に要求しているのは経済支援ではなく経済封鎖の解除で、体制の保障ではなく敵対政策の中断だと思う」、「経済支援は莫大な費用がかかるだろうから、結局韓国も負担することになる」などとするコメントもあった。

- RecordChina 2018 年 5 月 24 日 -


金正恩外交は「すでに惨敗」している … 自分の実力を過信か

5 月 26 日は、金正恩党委員長の外交戦術が「惨敗した日」として歴史に刻み込まれるだろう。 トランプ米大統領が 24 日に米朝首脳会談の中止を通告したことを受けて、金正恩氏は 26 日、電撃的に韓国の文在寅大統領と 2 回目の首脳会談を行った。 朝鮮中央通信によると、金正恩氏は「6 月 12 日に予定されている朝米首脳会談のために多くの努力を傾けてきた文在寅大統領の労苦に謝意を表して歴史的な朝米首脳会談に対する確固たる意志を披れきした」という。

「確固たる意思」とは、なんとしてでも米朝首脳会談を行いたいという、いわばトランプ氏に対するラブコールだ。 北朝鮮の最高指導者がここまで下手に出るのは極めて異例である。 今年 1 月からの対話姿勢を前面に出した金正恩外交は、半年もたたずに敗北を喫したといっていい。

ただし、この敗北は自滅でもある。 トランプ氏が会談中止を通告した理由の一つとして挙げられるのが、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官が 24 日に発表した談話だ。 崔次官は談話の中で、「われわれは米国に対話を哀願しないし、米国がわれわれと対座しないというなら、あえて引き止めないであろう」と断言しながら米国を非難した。 これが米国に「怒りとあからさまな敵意」として捉えられた。

これに先立ち、北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)第 1 外務次官は 16 日、米国が非核化のハードルを高め過ぎれば「われわれはそのような対話にこれ以上興味を持たず、近づく朝米首脳会談に応じるかを再考慮するしかない」とする談話を発表。 対北朝鮮強硬派として知られるボルトン米国家安全保障担当大統領補佐官に対して「拒否感を隠さない」と不快感を強調した。

北朝鮮は、トランプ氏が米朝首脳会談に前向きな姿勢を示してから、米国に対する露骨な非難を控えていた。 ここに来ていきなり態度を変えた理由として考えられるものが 2 つある。 ひとつは、米国が非核化の要求レベルを吊り上げたこと。 そしてもうひとつが、中国との関係改善や南北首脳会談を通じて、金正恩氏が自らの外交手腕を過信してしまったことだ。 金正恩氏は 3 月 26 日、電撃的に習近平国家主席と会談を持った。 百戦錬磨の習氏を前に、首脳会談デビューの金正恩氏は、まるで借りてきた猫のように大人しく、指導者としての格の違いを見せつけられた。 それでも会談自体は概ね成功したといえる。

金正恩氏は 4 月 27 日、文在寅氏との南北首脳会談を経て、今月 9 日には習氏と 2 回目の会談を行った。 わずか 2 ヶ月の短期間で 3 回もの首脳会談を持ったことで、金正恩氏は相当ストレスをもっただろう。 そうでなくても、国内では頻繁に現地指導で地方を訪れているが、特殊な動線の問題から多大なストレスを強いられており、とりわけトイレ問題は深刻だとされる。

金正恩氏が、精神的に厳しい時間を過ごしていることは想像に難くない。 とはいえ、金正恩氏はその最大にして数少ない武器の一つである若さ(34 歳)で 3 度の首脳会談を乗り切った。 まだまだ未熟さは見え隠れするが、端から見ても、最初に比べその振る舞いは堂に入りつつあるようだ。 本人も手応えを感じていただろう。 こうした中、金正恩氏は中国との関係改善に自信を持ち、米国にも強気に出られるのではないかと思い込んだのではなかろうか。

実際、北朝鮮が米韓に対して高飛車な姿勢を打ち出し始めるのは習氏との 2 回目の会談直後からだ。 今月 16 日には、米韓合同軍事演習を理由に南北高位級会談をいきなり中止した。 それに続き、北朝鮮外交のキーパーソンである 2 人、金桂冠氏と崔善姫氏が米国に対して強硬姿勢を打ち出したのだ。 金正恩氏は米朝首脳会談前に、うまく中国との関係を改善できたことで、自分の外交手腕に自信をもった。 そして韓国の仲介がなくても米国に対して強気な姿勢で臨めると思った - - ひらたく言えば「調子に乗ってしまった」というやつだ。

しかし、今回ばかりは相手が悪かった。 これまでの米国の指導者なら、歴史的な会談の実現を優先して譲歩したのかもしれない。 しかし交渉上手を自認するトランプ氏は、会談中止を表明して金正恩氏を無慈悲に突き放した。 これに金正恩氏は相当なショックを受け、焦りを感じただろう。 翌 25 日に、即座に外務次官の談話を発表したが、その中身は言い訳に終始している。

いきなり劣勢に追い込まれた金正恩氏は 26 日に急きょ、文在寅氏との首脳会談を持ち、「米朝会談の実現に確固たる意思」を表明した。 もはや、会談を強く望んでいるのは金正恩氏であり、トランプ氏が「会ってやる」という構図ができあがった。 この間、金正恩氏の外交手腕は「したたか」、「交渉上手」と評価されてきた。 筆者も金正恩氏が合理的で実利的な一面を持っていることは認める。 しかし、トランプ氏という型破りな人物に対して、金正恩氏の交渉術は通用しなかった。 金正恩氏はたった 2 ヶ月で経験不足を露呈し、最初にして最大の大惨敗を喫してしまったのだ。 (高英起)

- Daily NK 2018 年 5 月 29 日 -

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