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韓国と日本の脱北者 (10)

脱北女性イムさん、部屋に身辺整理の跡なし … 「北に拉致の可能性」

16 日に北朝鮮宣伝メディアに登場した脱北女性イム・ジヒョン(チョン・ヘソン)さんの北朝鮮入国過程について警察が捜査に入った。 イムさんは韓国の番組にも出演し、顔がよく知られている。 ある消息筋は 18 日、「警察が各種記録(通信・金融取引など)を分析し、どのような経路を通じて北に入ったのか調べている」とし「ソウル地方警察庁本庁保安捜査隊が指揮している」と伝えた。 続いて「すべての事項を確認するには数カ月かかるかもしれない」としながらも「概略的な北入国経緯は数日以内に結論が出るだろう」と話した。

これに関連し、イムさんの北朝鮮入国は自分の意思でない可能性があるという分析が出ている。 この消息筋は「イムさんは京畿道南楊州(ナムヤンジュ)にいたが、1 月にソウル江南(カンナム)に引っ越しした」とし「性格は活発だった」と話した。 2014 年にハナ院(北朝鮮離脱住民定着支援事務所)を出所する時も「関心対象」に分類されなかった。 韓国社会への適応に問題がなかったということだ。

イムさんは 4 月に中国に出国したが、身辺を整理した状況は見られなかったという。 この消息筋は「家に残しているものを見ると特別な点はなかった」と伝えた。 もし最初から韓国を離れるつもりだったのなら整理していたはずという推定だ。 イムさんは 1 月からワンルームマンションで暮らしていたが、生活に苦しんでいるような住居ではなかったという。

イムさんの事情をよく知るAさんは「多くの脱北者は家族まで連れてこようとする」とし「この時、北の国家保衛省の要員が中国で拉致したり境界地域に潜伏しながら脱北者を捜したりする」と説明した。 イムさんは脱北調査で「北朝鮮に親が暮らしている」と話していた。 北朝鮮の映像でも「平安南道安州(アンジュ)で親と一緒にいる」と語った。 イムさんが家族に会うために中国に行き、拉致された可能性があるということだ。 消息筋も「イムさんは家族を探したり北朝鮮を眺めようとして中国に行ったのではないだろうか」と話した。

A さんは「イムさんは北に入った後、2 カ月間ほど取り調べを受けて放送に出たとみられる」とし「最初から宣伝効果を狙って拉致したようだ」と述べた。 続いて「自主的に北に行ったのならスパイとしてまた韓国に送り込んだりもするが、その場合は放送に姿を現さず、また(放送に出るのに)長い時間がかかる」と話した。 イムさんの場合、自主的な越北ではないという趣旨だ。

- 韓国・中央日報 2017 年 7 月 19 日 -


漂着船の「8 人返還は慎重に」 脱北者や支援団体が声明

秋田県に漂着した船で北朝鮮から来たとみられる 8 人について、北朝鮮を脱出して日本に住む人(脱北者)や、支援団体「北朝鮮難民救援基金」などが 28 日に東京都内で記者会見し「8 人は北朝鮮で処罰される恐れがある。 北朝鮮へ戻りたいという意思確認だけで問題ないのか、慎重な対応が必要。」などとする声明を発表した。 声明によると、日本に上陸した 8 人は、北朝鮮に戻ると当局の取り調べを受けて監視対象となり、処罰される恐れもあるという。 脱北し 2004 年に日本に戻った川崎栄子さんは「いったん外国に上陸した者は、北朝鮮ではスパイと疑われて処分されかねない。 本人が希望するから帰せばいいという簡単な話ではない。」と述べた。

- 朝日新聞 2017 年 11 月 29 日 -

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木造船の 8 人、北朝鮮帰国に向け移送 由利本荘から

秋田県由利本荘市で先月 23 日夜、北朝鮮から来たと話す男 8 人と漁船とみられる木造船が見つかった事案で、8 人が 2 日午前 5 時ごろ、事情聴取を受けていた県警由利本荘署から帰国へ向け、移送された。 長崎県大村市の施設に移されたとみられる。 法務省入国管理局が「遭難上陸」の手続きを取ったとみられ、今後は中国などの第三国を経由して、北朝鮮へ帰国させる見通しだ。 8 人は県警などの聴取に対し、「1 カ月半ほど前にイカ漁のために北朝鮮を出港したが、船が 1 カ月ほど前に故障して漂流していた」などと話し、早期の帰国を望んでいた。

- 朝日新聞 2017 年 12 月 2 日 -


北朝鮮兵士、また韓国側へ逃走 漁船乗員も亡命求める

朝鮮半島中西部の非武装地帯 (DMZ) で 21 日午前 8 時 4 分ごろ、北朝鮮軍兵士 1 人が軍事境界線を越えて韓国軍の哨戒所に逃げ込んだ。 韓国軍合同参謀本部が明らかにした。 韓国側は今後、兵士に対して詳しい動機などを調べる。 韓国軍によれば、同日午前 9 時 24 分ごろ、逃亡した兵士を捜索する北朝鮮軍兵士数人らが軍事境界線に接近してきた。 韓国軍は北朝鮮兵士らに警告放送をしたうえで、機関銃二十数発の警告射撃を行ったという。

また、韓国側は午前 10 時過ぎ、2 度にわたって北朝鮮側地域で数発の銃声を確認したという。 DMZ にある板門店では 11 月 13 日、北朝鮮軍兵士が韓国側に逃走した際、同軍の別の兵士から銃撃を受ける事件も起きていた。 また韓国統一省によれば、20 日午前 11 時 30 分ごろ、日本海の竹島北方約 100 キロの海上で、韓国海軍が北朝鮮の漁船を発見。 乗船していた北朝鮮の男性 2 人が韓国に亡命を求めたという。 (ソウル = 牧野愛博)

- 朝日新聞 2017 年 12 月 21 日 -


北朝鮮に戻った日本人妻、平島筆子さん死去 79 歳

在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡った日本人妻で、脱北して東京に住んだ後、北朝鮮に戻っていた平島筆子さんが 1 月 11 日、心臓まひのため79歳で亡くなったとの情報が日本国内の知人に寄せられた。訪朝したジャーナリストの伊藤孝司さんが平壌で孫に話を聞いたほか、日本で支援を続けていた元国会議員秘書の沖見泰一さんが平島さんの家族から手紙を受け取ったという。

平島さんは 1959 年、帰還事業で夫とともに船で北朝鮮へ。 2002 年に中朝国境の川を歩いて渡り、03年に日本に帰国した。東京都葛飾区で暮らしたが、北朝鮮に残した長男の死亡を聞き、再び北朝鮮行きを決断。 05 年に北京の北朝鮮大使館で記者会見し「金正日(キムジョンイル)将軍様万歳」と叫んだ。 その後も北朝鮮メディアで何度か消息が報道されていた。 日本では葛飾区を地元とする平沢勝栄衆院議員の秘書だった沖見さんが平島さんの世話をし、北朝鮮に戻った後も、沖見さんが毎月電話し、医薬品を送るなど支援を続けていた。 昨年 12 月の最後の電話では「孫にスマホを買い与えることができた」と喜んでいたという。(編集委員・北野隆一)

- 朝日新聞 2018 年 3 月 16 日 -


北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19 日未明に黄海上で韓国側へ亡命

19 日未明、北朝鮮の軍将校と一般市民が脱北、韓国側によって身柄を確保された。 YTN などの韓国メディアによると、韓国政府消息筋は「仁川甕津郡白●(= 令偏に羽)島北方の海上で、小型の船が捉えられ、海軍高速艇が接近した。 この船には北朝鮮将校 1 人と住民 1 人が乗っており、2 人は亡命の意思を明らかにした」と伝えた。

亡命を希望した 2 人は北朝鮮の住民証を持った一般人と 40 代と推定される北朝鮮軍の少佐だということで、現在は韓国海上警察が身柄を確保し、国家情報院、韓国軍当局も加わって具体的な亡命の経緯について調査しているという。 北朝鮮軍人の脱北は、昨年 11 月 13 日に軍事境界線を超えて亡命してきた 20 代の若い兵士によるものが記憶に新しいが、2000 年以降今度で 14 度目。 南側との国境付近に近づけるということでは一般人よりも容易なため、軍人の脱北自体は珍しいことでない。

だが将校クラスの軍人の亡命となるとあまり例がない。 過去では 2008 年北朝鮮保衛部所属の将校、イ・チョルホの亡命以降 10 年ぶりになるという。 今年に入って対話路線に転じた北朝鮮だが、最近、米韓合同軍事演習への不快感を表して韓国との高官級会談をキャンセルし、トランプとの米朝首脳会談にも難色を示すなど、外交面での揺さぶりをかけている。 そんなところに今回の「脱北事件」が、どんな影響を及ぼすのか、今後の北朝鮮側の動きが注目される。

- NewsWeek 2018 年 5 月 19 日 -

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