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ベールに包まれた金桂寛次官の「訪米 6 泊 7 日間」

北朝鮮の金桂寛(キム・ケグァン)外務次官は 1 日(現地時間)、米西部サンフランシスコに到着、米朝関係正常化協議のため 6 泊 7 日の日程に入った。 しかし金外務次官の動向については、5、6 日にニューヨークでクリストファー・ヒル米国務次官補と会談する以外は、すべてが極秘とされている。

◆ 金外務次官、こっそり空港出発

金外務次官は 1 日午前 9 時 15 分、北京発のユナイテッド航空 888 便でサンフランシスコ国際空港に到着、そこから市内に向かった様子は、まるでスパイ映画のようだった。 報道陣をまくための巧みな偽装工作や規制が行われていたからだ。

韓米日の報道陣約 100 人は 2 階の国際線出国ゲートに長蛇の列をなして金外務次官を待ち構えていた。 しかし金外務次官は先に出た随行員 2 人が報道陣の目を引き一方へ誘い出した隙に、米政府のガードにより 1 階国内線出発ゲートを通り、人知れず出て行ってしまったのだ。

金外務次官の姿がカメラに収められたのは、日本のある民放がカメラマン 5 人を雇い、1、2 階の出発ゲートごとに配置、遠距離から撮影されたものだけだった。 さらに NHK をはじめとする一部放送局は現地でライダーを雇い、金外務次官一行のリムジンを追跡したが、現地警察が高速道路の入口を遮断したためこれも失敗に終わった。 その後、各局取材班は市内の有名レストランやホテルを探し回ったが、足跡を見つけることはできなかった。

金外務次官の今回の訪米日程は、2000 年に北朝鮮権力序列 2 位の趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委員会第 1 副委員長が金正日(キム・ジョンイル)総書記の特使として訪米した時よりもさらに徹底して秘密に付している。 趙副委員長もその年の 10 月 8 日にサンフランシスコに到着、1 泊した後、ワシントンへ向かい、当時のオルブライト国務長官と 3 回に渡り会談を行った後、クリントン大統領と面会した。

その時の趙副委員長の大まかな日程は公開されていた。 だが、今回の金外務次官一行の日程は会談日以外はまったく事前に公表されていない。 趙副委員長の訪米日程は 4 泊 5 日だったが、今回の金外務次官は 6 泊 7 日と、さらに長い。

◆ どんな成果が?

金外務次官一行は 2 日午後ニューヨークへ向かい、5 日から公式の作業部会を始める。 これに先立ち、週末の 3、4 日には非公式の歓迎昼食会やセミナーに出席するという。 消息筋は「金外務次官一行は 6、7 人で構成されており、作業部会はニューヨークの米国連代表部で開かれる」としている。

2 月 13 日の 6 カ国協議合意文書に基づく今回の第 1 回国交正常化作業部会で、米朝両国がどのような論議を交わすかは具体的に分かっていない。 ヒル次官補は「第 1 回目なので、今後論議する議題や日程について主に話し合うだろう」と語っている。

これにより、合意文書に明示された、▲ 北朝鮮テロ支援国指定の解除、▲ 対敵性国貿易法の適用除外問題と共に、北朝鮮金融制裁緩和など、が主な議題となる見通しだ。 また、平壌で開かれる見通しの第 2 回作業部会の日程や、ヒル次官補の訪朝の可能性、第 1 段階核合意履行後の両国関係なども包括的に話し合われるものとみられる。

しかし、米朝国交正常化は、北朝鮮の不法行為中止・北朝鮮の人権状況・国連安保理の北朝鮮制裁履行など、数多くの争点と密接な関係があり、今すぐ何かの文書に署名するというような急速な進展があるのかは不透明だ。 特に、米国内ではこうした問題への明確な解決がない状態で、外交関係部分だけが加速度を増していることに対する懸念も深まっている。 - - - - - サンフランシスコ = 許容範(ホ・ヨンボム)特派員

- 朝鮮日報 3 月 3 日 -


米朝蜜月ぶり演出 金次官はブロードウェー見物

5 日夕にニューヨークで始まった米朝国交正常化作業部会の機会を使い、両国が蜜月ぶりを演出している。 北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官がブロードウェーでミュージカルを堪能。 米国側は「元首なみ(米朝関係筋)」の厳重警備で応じている。 つい数カ月前まで北朝鮮との直接交渉を拒否していたブッシュ米政権だが、米朝関係を覆う空気はクリントン前政権終盤の雪解けムードに似てきた。

金次官は 4 日午後、01 年にトニー賞を 12 部門で獲得し、ロングランを続けるセントジェームズ劇場のヒット作「プロデューサーズ」をみた。 落ち目の演劇プロデューサーが史上最低のミュージカルでひともうけをたくらむコメディー。 2 時間半の上演中、ほぼ満員の客席から絶え間なく笑い声が続くなか、金次官は 2 階席で熱心に観賞。 大勢の記者団がコメントを求めると、金次官は真顔で「芸術公演を観覧してきた」と話した。

作品はブロードウェーの内幕を描き、同性愛も描かれるなど米国社会の一面を象徴しており、この観劇自体が、米国への理解を深めようという北朝鮮の姿勢を表しているとも言える。 金次官は市内の朝鮮料理や中華料理のレストランで、米国の朝鮮半島専門家らとの会合も重ねている。

そんな金次官を警護しているのが、国務省外交警護局のメンバーだ。 15 人が動員され、うち 1 人はわざわざ北京から同行。 米朝関係筋は「今回の訪問で一番意味があるのは、金次官への扱い。 こんな厚遇は初めてだ。」と語る。 米政府高官も「金次官がニューヨークに来たこと自体に意味がある」。 作業部会も議題設定が中心で、スムーズに進みそうだ。

このまま米朝対話が順調に進めば、次に注目されるのがヒル国務次官補の訪朝だ。 00 年 10 月にオルブライト国務長官(当時)が訪朝した際には、マスゲームの観覧や幼稚園を訪問し、友好的な雰囲気を演出してみせた。 そのオルブライト氏は 5 日、ニューヨークで非公式勉強会に参加し、出席した金次官と再会するなど、米朝関係の局面が変わりつつあることを印象づけた。

- 朝日新聞 3 月 6 日 -


金桂寛次官「高濃縮ウランなどあらゆる核計画を申告」

米朝国交正常化に関する作業部会のため米国ニューヨークを訪問中の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官は 5 日(現地時間)、「北朝鮮は高濃縮ウラン (HEU) 計画問題をはじめ、あらゆる核計画を申告する」と述べた。 これは金外務次官が同日、韓米交流増進のための学術団体「コリア・ソサエティー」で開かれた非公開セミナーで述べた発言を、これに出席した同団体会長のドナルド・グレッグ元駐韓米国大使が 6 日、伝えたもの。

2 月 13 日の 6 カ国協議共同文書は、北朝鮮に「あらゆる核計画に対する完全な申告」を履行するよう求めているが、HEU 計画に関する言及はなく、非難を浴びていた。 金外務次官がこの日発言で HEU 計画の存在自体を認めたかどうかは不明だ。 また、金外務次官は 6 カ国協議共同文書の主要目標である「北東アジアの平和・安保体制構築」に関し、「ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が多者安保体制を提案すると、すぐにこれに前向きな姿勢を示した」とグレッグ元大使は話している。

金外務次官は引き続き、同日午後と 6 日午前の 2 度にわたり、クリストファー・ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と行った国交正常化作業部会の初会合で、両国間の懸案について広く話し合ったとのことだ。 - - - - - ワシントン = 許容範(ホ・ヨンボム)特派員、ニューヨーク = 金起勲(キム・ギフン)特派員

- 朝鮮日報 3 月 7 日 -


米朝作業部会終了、次回は北京 「雰囲気いい」と金次官

ニューヨークで開かれていた米朝国交正常化をめぐる初の作業部会は 6 日、2 日間の協議を終え閉会した。 米代表のヒル国務次官補によると、朝鮮半島の非核化に向けた「初期段階の措置」に加え、次の段階の措置も協議。 米側は日本人拉致問題も取り上げた。 両国は双方の関心事を幅広く論議しており、6 者協議は今後、米朝作業部会を中心に進む可能性が強まった。

閉会後、ヒル氏は「非常に包括的な協議だった」と評価。 北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官も記者団に「雰囲気は非常に良く、建設的で真剣だった」と振り返った。 米朝は 19 日から始まる次回 6 者協議の前に、北京で 2 回目の作業部会を開くことで合意。 ヒル氏の訪朝は北朝鮮からの招待がなく、見送られた。

ヒル氏は、初期段階の措置について「目標をすべて達成できるという楽観的な感触が双方にあった」と言及。 「次の段階についてもかなりの時間を割いた」とした。 米国が作業の開始を約束した、テロ支援国家指定リストからの除外問題でヒル氏は「歴史的側面についても話した」と述べ、大韓航空機爆破事件などのテロ行為を認める必要があると伝えたことを示唆した。

- 朝日新聞 3 月 7 日 -


北朝鮮「高濃縮ウラン製造設備は使用していない」

北朝鮮が 7 日ニューヨークで開かれた米国との 2 国間協議で、高濃縮ウラン (HEU) 開発プログラムに使用する遠心分離機などの装備を購入した事実を認めたが、ウラン濃縮に使ったことはないと主張した。 これと関連し、ゲーリー・セイモア米外交協会副会長はこの日、自由アジア放送とのインタビューに応じ、北朝鮮の高濃縮ウラン問題について、「北朝鮮に秘密のウラン濃縮施設はなく、数年前に購入した物資と部品を保管する倉庫だけが存在するという線でまとめられる」と語ったという。

クリストファー・ヒル米国務次官補も「高濃縮ウラン開発プログラム問題を取り上げる必要性があるという点で、双方の意見を集約した。 また、この問題は北朝鮮側から先に取り上げた。」と明らかにした。 今後、北朝鮮の主張どおり、パキスタンなどから購入した遠心分離機などが実際のウラン濃縮に使用されていない事実を国際原子力機関 (IAEA) が公式に確認すれば、6 カ国協議北京合意の履行措置は順調に進むものと見られる、と同紙は伝えている。

- 朝鮮日報 3 月 9 日 -

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