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ご案内した話題 (6)

- 2016 年続き -

暑くなるとなかなかお着物を着ていただけませんが、盛夏のお着物に、上布や縮があります。 どちらも麻布(かたびら)ですが、江戸初期まで大半の日本人は年中、このかたびらの着物で過ごしていました。 厳寒期など何枚重ねても寒かったことでしょうし、TV ドラマなどでは、絞りの染柄などが見られますが、殆ど単色の平織、ごく質素な装いです。 綿や絹の織物が普及するのは江戸期以降、ウールにいたっては明治期になってからなのです。 ここでは、近江上布 が紹介されていますが、琵琶湖周辺が日本最初の織物の量産地であったと言ってもいいでしょう。 (5-25-16)

6 月は、いよいよ「衣更え」です。 お着物は「袷」から「単衣」に変わります。 昔は、同じ着物で、単衣から、裏地を付けて袷へ、厳寒期には中に綿を入れて、と一年を通じて着用されることも普通に行われていたようです。 又、適宜、解き、洗い、補修、縫い上げが繰り返され、大切に代々受け継がれていきました。 さて、残念ながら雨季に入る 6 月ですし、なかなか着物を着る機会が少ないかもしれませんが、ぜひ、梅雨時の晴れ間には、清々しい色合いのお着物でお出かけください。 なお、絽や紗織りのお着物は、盛夏 7、8 月にお召しになれます。 (5-17-16)

朝晩はまだまだ肌寒さを感じるのに、4 月から 5 月へ月が変わるだけで、話題も一気に夏の雰囲気を漂わせ始めました。 京都・鴨川の川床八十八夜の新茶摘み、さらには 新作浴衣の販売 などなど! もうゴールデンウィークも後半、東京の街中でも今が行楽のピークなのでしょう、テーマパークはおろか、美術館にまで凄い人出です。 新設された巨大バスターミナルの、行き先と出発時間が目まぐるしく変わる大型ボードを見に行くことくらいしかしなかった筆者は、貴船川の爽やかなせせらぎの音でも想像しながら、家で静かに読書三昧などと、一人つぶやいています。 (5-2-16)

原宿で着物体験! とりわけ、外国人観光客に人気が高いとのことです。 私どもはレンタルこそしておりませんが、それでも時おり外国人のお客様に着物や浴衣のお着付けをして差し上げることがあります。 最初は少々不安を感じられるのか、とても真剣な表情をされていますが、お着付けを済ませてお部屋の中を、始めはソロソロ歩いてみられる頃には嬉しそうな笑顔に変わります。 来日されるにあたって、おそらく憧れの一つであったはずの着物体験が現実に叶い、私どもにも心のこもった感謝の言葉を掛けられて、満足され自信を持たれた表情でお出かけになります。 (4-21-16)

熊本に大地震 が襲いました。 犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表します。 このサイトを立ち上げた 2 年半後に、東日本大震災が発生し、福島原発が全滅しました。 その僅か 5 年後に阪神大震災を超える 900 ガルという驚異の力が熊本・益城町を襲ってしまいました。 私たちが住む日本列島では、どこにいようとも、かような地震に襲われる可能性が常にあることを改めて思い知らされた次第です。 筆者の生まれ故郷ではありませんが、高校まで過ごした懐かしの大切な地です。 あの平和で美しい街並みを取り戻していただけるよう心より祈っています。 (4-15-16)

上池台にある古木の一本桜もさすがに葉桜に変わっていました。 それでも八重桜はまだまだ仰山な賑わいです! 先週末、三島大社では 十三詣り が行われ、多くの可愛い着物姿が見られたようです。 十三詣りはお寺さんの行事とばかり思っていたのですが、神社でも行われるのですね! ちょうど中学に入学される年頃、特に女の子はグングン背丈が伸びていますので、大人仕立ての振袖でも大丈夫です。 成人式が振袖オンパレードになるくらいですから、'振袖トラウマ' を避ける上でも、12 歳くらいで一度、お着物に袖を通しておかれるのはいいことかもしれません。 (4-13-16)

半襟 がネットに取り上げられているの見て、大変嬉しくなりました。 「えり○」といった屋号の呉服屋さんをよく目にしますが、もともと、半襟など着物の小物類類のお店だったのです。 事実、1930 年代以前の着物姿の写真で白い半襟など、ほとんど見ることはありません。 一番最初に目につく胸元です。 当時の女性たちが色、柄、更には刺しゅうなど、いかに半襟に夢中になっていたかよく解ります。 先ずは、頻繁に半襟を付け替えて、いつも清潔にしておくことに気を遣うことが大切ですが、ちょっと派手目と感じられるくらいの半襟を選んで、鏡に映してみてください。 (3-27-16)

東京でもソメイヨシノの開花! 今月末には、きっと満開になることでしょう。 その桜花の下で 卒業式 に入学式、さらには入社式、まさしく春爛漫の季節です。 今年は何と、高校の卒業式に振袖でご出席されたお嬢さまのお着付けをさせていただくこともできました。 お母さま世代には、'成人式も卒業式も和装が定番' などという雰囲気はありませんでしたが、今の若い世代はむしろ屈託なく受け入れてお着物姿を楽しんでおられるようです。 それでも、'楽で動きやすいからお着物が大好きになった' とお話しいただけるのが、私どもには最高の励みになっています。 (3-21-16)

BS Japan で皇后美智子さまのお着物を中心に、皇室の着物コレクションが紹介されておりました。 解説は、相変わらず大変お元気な木村孝さん。 指摘されて思い出したのですが、確かにお若い頃の美智子さまの振袖は白地でした。 お目に掛かることが少なくなった分、とても新鮮に映ります。 お年とともに、ぐっと控えめな色遣いに変わっていきますが、染柄や地紋で古典柄を採り入れられたり、金地を入れられたりと、ご出席の場に合わせたさりげない装いは、ただ納得するばかりです。 そして、次の世代も美智子さまの思いを受け継いでいってほしいものです。 (3-13-16)

pixiv の講座が「着物の描き方」と題する本になって出版されたとのこと! 絵の描けない筆者だって手元に一冊置いておきたい、などと憧れてしまいます。 きっと、お着付けを上達させる上でも、役立つのではないでしょうか! 着物の広告に現れる写真は、まるで電信柱のように突っ立っているものばかり! お人形ではないのですから、誰でも動きのあるショットを見たいのです。 アニメでは、その精緻な描写で見る人を引き付けます。 着物のお着付けも、最初から 'お着付けありき' ではなく、着物を 'どのように着てみたい、その為にはどうする' と考えることが大切です。 (2-19-16)

猿之助さん主演の 'ONE PIECE' 歌舞伎は昨年のことでしたが、お芝居にピッタリのお着物で観劇された方がおられ、その方の後ろ姿の画像 がネット上で評判になっているとの記事が目に止まりました。 'でも、そこまでは …' との反応が即座に返ってきそうですが、実際には、まるで 空飛ぶ飛行機のような振袖コスプレ の若い方もいらっしゃったようですし、私どものお客様にも、艶やかな振袖姿にカラフルな羽毛の雨を降らせてスタジオで写真を撮られた方もいらっしゃいました。 思いっきりご自分も楽しまれ、そして回りの方にも楽しんでいただく、のは皆さまいかがでしょうか? (2-8-16)

志村ふくみさんは、ご自身で草花染めをされ、その糸で織り上げられ、普段着であった '紬織' を見事なアートに昇華されました。 文句なく日本が誇る真の 'オートクチュール' と言えるでしょう。 東京でも国立近代美術館が何着か所蔵、展示しているようですが、幸にしてあちこちで開かれる展示会でも、あの優しい色づかいとグラデーションの妙を目にすることができます。 ご著書からも純なお心は伝わってまいりますが、今回は京都で、自然と調和した普段の生活の中の着物 という原点を見据えた、らしさ溢れるファッションショーだったようです。 いつまでもお健やかに! (2-1-16)

私どものお客様から、お出掛けからお家に戻られても、しばらくは 'お着物を脱ぎたくない' とのメールをいただくことがあり、これはこれで大変嬉しく、ありがたいお言葉ですが、きっと、その後のお手入れ のことも頭をよぎっておられることでしょう。 先ずは、ハンガーにかけて陰干しし、必ず食べこぼしや泥はねなど隅々まで点検してください。 その後、ご自分でできること、できないことを見極め、手はずを整えた後、大切におしまいください。 接ぎ合わせると反物に戻る着物ですから、平たくきれいにたためます ので、余計なしわが出ないように丁寧に 'たとう' に収めてください。 (1-21-16)

若い方であればひと揃いでレンタルされることもあるかと思いますが、着物や襦袢が化繊ですと、自ずと紐類も化繊製のものになってしまうようです。 化繊製の腰紐は締めるとどうしてもきつく感じ、時間がたてば緩んでしまう性質があるようです。 ぜひ、モスリン(ウール)製の腰紐(ネット通販で見ても、さほど高いものではありません)をご自分で準備されておかれることをお薦めします。 お着付けの後、はっきりと違いを感じられることでしょう。 着物ビギナー であれば、身体に近い方から、使いやすく着けやすいものを揃えていかれると上達も遥かに早くなると思います。 (1-15-16)

早いもので、当サイトも 8 度目の春を迎えました。 年末・年始と、お久しぶりの方々や、多くの新しいお客様とお会いすることができました。 初詣に、初釜、さらには成人式と、皆様それぞれに改まったお気持ちで、日常とは違う華やかな装いを楽しんでいただけたようで、心よりお礼申しあげます。 又、お若い世代でもカップルお揃いでお着物を召される方も確実に増えて おり、'和の装い'、'和の心' が再認識され、それが次第に浸透しているのを実感できますのは、本当に喜ばしく、私どももさらなる励みにさせていただいています。 本年も、どうぞよろしくお願いします。 (1-12-16)

とうとう 除夜の鐘を聞く日 になってしまいました! 今年も多くの方々に、私どもの '出張お着付け' をご利用いただき心よりお礼申しあげます。 皆さまそれぞれに 'どうしても着物を着たい' との強い思いでご依頼いただいております。 滝クリさんの 'O-MO-TE-NA-SHI' 以来、改めて '和の心' にスポットが当てられておりますが、私どもは古来より培われてきた '粋で動きやすい' 理に適うお着付けをシッカリと継承してまいります。 もちろん、皆さまの後押し、お励ましは私どもにとって本当に大切な宝でございます。 お健やかに良いお年をお迎えください。 A happy New Year 2016! (12-31-15)

毎年、ノーベル賞に日本人の受賞者がいらっしゃるので、授賞式や晩さん会 のニュースが流れると年の暮れを感じるようになってしまいました。 そして、同伴される方の着物に自ずと話題が広がります。 梶田先生の奥様は加賀友禅を選ばれ、奥様を15年前に亡くされた大村先生にはお嬢様がエスコート、濃い色の地に華やかな柄のお着物のようでした。 男性受賞者は、フォーマルのテールコート(燕尾服)ですから、女性は紋の入った留袖や色留袖が最も相応しい装いなのかもしれません。 それにしても世界中どこでもドレスコードを超越する着物ってスゴ〜イですね! (12-11-15)

リサイクル着物を扱っておられる和田一郎さんが NPO まで立ち上げられ、インターネット上に、市場に出回る 着物の写真集 を作り上げようと、壮大なプロジェクトに着手されたようです。 同氏のブログを "ハフ ポスト" が転載していました。 技術的には、画質をできるだけ均一化するため、ちょっとしたスタジオを用意されたらいかがかと思います。 それぞれが、掲載したい着物をそこに持ちこまれ、撮影条件を統一されると、質感のあるサイトになるのではないでしょうか。 それに、今はスマホでネットを開く人が 70% 以上、やはり、スマホにも配慮して欲しいと願っています。 (12-5-15)

アッキーナさん が「ネイルクイーン2015」の受賞式に着物姿で登場され、好感をもって受け入れられたようです。 蝙蝠の柄をアクセントにした青紫地の着物ですが、裾の色に "橙" を配されて、とてもバランスのいいシックな仕上がりになっています。 サプライズは皮のコルセットを帯替わりにされたこと …! ただ、着物は帯で締めるのではなく、腰ヒモでしっかりと抑えていますので、もちろん、ぎゅうぎゅう締めのコルセットではありません。 従って、苦しいことも、動きにくいこともなかったはずです。 いつもと違うものを採り入れたからといって、お着付けの基本が変わることなどありません。 (11-19-15)

今月15日は「きものの日」ということで、休み明けの16日、一部の 経産省職員がきものを着て出勤 されたようです。 「和装業界への後押し」との熱い思いは理解できるのですが、やはりどこか違和感を感じるのは、筆者ばかりではないでしょう。 フォーマルな着物も見受けられましたし、汚れてしまったら目立ってしまうであろう淡い色の着物が目立ちました。 衣裳代だけでなく、その後のお手入れの費用などを考えると、むしろ気の毒にすら感じます。 やはり、事務所内で着用するのであれば、'仕事着としての着物であることを納得させられるのか' を考えて欲しいと思います。 (11-16-15)

たびたび話題にしていますが、訪日外国人、とりわけ女性であれば、世界一豪華なドレス '着物' を一度着てみたいとの憧れはお持ちでしょう。 ここで採り上げたニュースでは、思いもかけず巡ってきたチャンス、貴重な体験になったことでしょう。 ただ、「着物はとても美しいけど、少し窮屈です。」と言われると、やはり気になります。 日常は、ピチピチのトップスにパンツを着ているのに、着物で直接体を抑えているのは、ウェスト回りの腰紐数本だけ、実際は窮屈に感じることなどある訳ないのです。 私どもは、「又、着物を着たい!」と言われるようなお着付けを常に心掛けてています。 (11-4-15)

着物をよく着る日本文化がうらやましい」と韓国のネットに書き込まれ、日韓の若者によって意見が交わされているようです。 ただ、一人の日本人が次のような答えを出しています。 「日本の着物がフォーマルからカジュアルまで多種多様なのは生活に基づいて実際に使っていたからです。 それが文化というものです。」 他国との違いが顕著に表れたのは、近世初頭、信長は絶対的な権力を握ったにもかかわらず、産業・商業活動を一般庶民の手に委ねたことでしょう。 これにより、一挙に技術や商品開発が活発化し、誰でもが自由で豊かな文化を享受できたのです。 (10-22-15)

産経新聞が、淡路島の「夢舞台の奇跡の星の植物館」で開かれた "アレンジ着物コンテスト" を紹介していました。 着物コンテストと言うより、趣向を凝らした和風のパーフォマンスを比べあうイベントだったようです。 盆栽や苔玉、襖絵を背景に、古来から続く子供の遊びなど伝統文化や伝統園芸(江戸期に大ブームが!)を今に繋ぐ斬新な演出は、和の心で人やコミュニティを潤す試みを見事成就されているようです。 ただ単に "着物を着ようよ!" と声を上げるだけではなく、日本人が受け継ぐ DNA を呼び覚ましていくのがもっと大切なことと、改めて思い知らされました。 (10-14-15)

パリコレで、オランピア・ル・タン が日本の着物をオマージュしたコレクションを発表したようですが、欧州では日本の着物への愛着が大変高いようです。 明治期初頭、「ジャポニズム」として日本ブームが沸き起こって以来、ドレスコードのあるパーティーでも例外的に着物が受け入れられるまでになりました。 先月、ここで案内しましたド・ローラ・節子さんも、夫君バルテュスさんのたっての希望がきっかけで日常に着物を召されるようになったと述べられています。 そして、その着物文化が日本で衰退していくのを 本気になって心配してくれている のもやはり欧州の人々なのです。 (10-4-15)

バブル期までは銀座にも軒なみあった呉服屋さん、今は少なくなってしまいました。 地方の都市にいたっては、呉服の専門店など全く見つからないことだってあるのようです。 それでも、地方に点在する織物の産地は懸命に活性化を計っておられるようですが、その販売手段がネットに移っていくのも当然の成り行きでしょう。 別に和服に限らず、地方の特産品の売り上げを伸ばす可能性は高いと筆者も考えます。 仮想試着アプリや、マクロ画像、さらには動画など、見やすく魅力的なサイトの登場を大いに期待しています。 日光着物ショー 阿波しじら 結城つむぎ (10-3-15)

ティーンズを中心に「女子コレ」が話題をさらっています。 源流はファッションショーなのでしょうが、人気のモデルを揃え、リアルクローズを前面に掲げて、いずれのイベントも万単位の女性が集まるようです。 業界にとっては '売れる服' が即決される場と言っても過言ではありません。 ヤングファッションに加えて、コスメ、ダイエット関連の商品、はたまたゲームアプリなども包括し、女性専科の百貨イベントになってしまいました。 もちろん、振袖まで登場するのは当然の成り行きでしょう。 和装業界にとっても 成人式の振袖 は、今や唯一無二といってもいいほどのチャンスなのです。 (9-23-15)

今月25日より松屋銀座で「ド・ローラ・節子の暮らし展」が始まります。 画家バルテュス氏の未亡人、節子さんがお住まいになるスイス「グランシャレ」での日頃の生活を紹介されるという、とても興味深いイベントです。 お宅はもともと木造多層階のリゾートホテルだったそうで、外観は古いながらも内部はヨーロッパのエスプリに包まれた暖かく優しいしつらえなのでしょう。 ご自身が描かれた絵画、アレンジメントなど期待が深まります。 そして、節子さんご自身は、日常を着物で過されておられるとのこと! きっと、'和の心' が隠し味としてしっかりと根づいているに違いありません。 (9-15-15)

9月8日は「白露」! 節気の名前からも「暑」の字が消え、本格的な秋の到来です。 厳しい暑さが続いた後、気温は急降下、大雨に竜巻、異常な季節の変わり目でした。 でも天候が安定すると、やはり人は遠出したくなります。 筆者は、福島県浜通りに平行して山側を南北に走る、とても静かな道をドライブするのが大好きでした。 特別な名所など無くても、道の脇には小川が流れ、雑木林を抜けると一面の田んぼ、そして数える程の民家! それ以外には「な〜んにも無い」のが、むしろ感動です。 ここでは、栗と北斎の町、長野県 小布施 をピックアップしました。 (9-6-15)

男性の 羽織裏の絵柄(額裏) や女性の長襦袢の絵柄は、いずれも表から見えるものではありません。 だからこそ、究極のお洒落として、密かに競われていた時代があったのです。 表は地味な縞柄でも、さりげなく脇に置かれた羽織から、羽二重に染め抜かれた額裏が覗きます。 その場にいるごく限られた人々しか出会えない瞬間を互いに楽しむ真正の "粋" の世界です。 絵柄はやはり、虎、鷹、鯉、龍に獅子、もちろん富士や山水、はたまた春画などなど …。 TV ドラマ「まんまこと」の主人公ご愛用の長羽織にはどんな額裏が隠れているのでしょうか? (8-29-15)

「孫たちへの証言」の最新版が刊行されたとのことですが、その中で「祖母のハトの絵柄の花嫁衣装は、太平洋戦争開戦直前に、曽祖父母がひそかに 『平和』の願いを込めて誂えた」との手記も挿入されているとのことです。 以前ここで、多数の戦争絵柄の着物が展示されたり収集されたりしている話題を取り上げていますが、いずれも非常に保存状態が良いとのこと! これは殆ど袖を通していない証拠だと申し上げました。 古い着物の展示会などで目にする、本当にお気に入りだったであろう着物であれば、何代も受け継がれ、あちこちに繕いの跡が認められるのです。 (8-16-15)

日本人の浴衣姿が羨ましい」と韓国のネット掲示板に書き込まれていることを、'RecordChina' が紹介していました。 韓国では古来からの民族衣装が着られなくなったことを嘆かれているようです。 ただ、日本でも今や着物が着られることは殆どありませんし、若い世代が浴衣を夏のファッションの一つとして認めるようになったのは、ごく最近のことです。 親も着なかった浴衣がかようにポピュラーになったきっかけは、例えば、事実上のスポンサーであり、着付けを学べる「祖父母に喜んで貰えるため」などと筆者は勝手に想像しているのですが、皆さん、どう思われますか? (8-10-15)

厳しい暑さが連日続いています。 豊かな四季の変化を持つこの国の、この季節の風物詩のトップは、やはり '打ち水' でしょうか! 浴衣を着て集まった人々が一斉に水をまくイベントが全国各地で行われているようです。 熱をもった大地が和らぐのは、ほんのひと時、ほんの限られた場所でしかありませんが、ひと時のやすらぎを共に体感できるのは本当に幸せです。 夏の風物詩に、'行水' がありましたが、今や殆ど死語! 確かに、大きな木桶(たらい)もありませんし、それを置く場所もありません。 いつの間にか四角く閉じ込められた空間のシャワーがとって代わりました。 (8-3-15)

隅田川の花火は終わりましたが、まだまだ花火大会は続きます。 そこで、この時期ネット上に現れるのは 浴衣着付けのべからず集 ! ただ、街中で見かける浴衣姿に少々おかしいところがあっても、それなりに微笑ましく可愛いと筆者は感じています。 やはり、皆さん一番気がかりなのは、お帰りまで着崩れしないことでしょう。 帯を巻く前に紐をシッカリと締めるのが鉄則ですが、しばしば見かけるのがポリエステル製の紐 …、これはどんなにきつく締めても時間が経つと次第に緩んでしまいます。 ぜひ、柔らかくて緩みにくい 'モスリン' 製のものを買い求めて試してみてください。 (7-26-15)

今日、首都圏は梅雨明け! これからが夏本番! しばらくは厳しい暑さが続きます。 昨晩の足立の花火も行われたようですが、今週から続く一連の 花火大会 も予定通り行われることでしょう。 又、都区内でも '葛西海浜公園で海水浴ができるようになった' との素敵なニュースもありました。 今や女性方には全く人気がありませんが、やはりどなたにとっても小さい頃の海水浴は懐かしく忘れられない思い出になっているのではないでしょうか!! とりわけお子様がいらっしゃれば、ご一緒に直に裸足で海水に浸けてみてください。 きっと涼しい海風が足元を通り抜けます。 (7-19-15)

海外で着物といえば、'女優さん方がステージやカーペット上に登場' というわけでニュースになりますが、肖像画家に転身された 中川裕賀さん の場合、'いつか大好きなニューヨークを着物で闊歩したい' との思いから 'きものライフ' を楽しまれているようです。 きさくなニューヨークっ子は当然、「素敵な着物 !」、「どうして着物を着ているの?」と声を掛けてきます。 おそらく彼女が望む '出会いと交流' がそこから始まるのでしょう。 白人だけではなく人種的なマイノリティの割合が非常に高いニューヨークですから、いつもクロスカルチャーの談義に花を咲かせておられると思います。 (7-9-15)

祇園甲部の芸舞妓さんが八坂神社に「お千度」詣で! 祇園祭が最高潮に達する直前、この時期の風物詩です。 今年はあいにくと雨模様で、新調された浴衣は雨コートに隠れはっきりとは分かりませんが、例年、白地をベースに藍色の和柄! 最近、カラフルな浴衣を見慣れてしまった目には、とても新鮮で爽やかに映ります。 夏本番も間近、花火大会や、納涼船に、お祭りなど浴衣姿で溢れる場所でも、キリリと巻いた博多に、白地や藍地に単色の柄の浴衣姿を見かけると、何故か、ハッとするほど色気があり、とりわけ美しく感じるのは筆者だけでしょうか? (7-7-15)

未だ梅雨も明けていないのに、東京の夏は 7月1日、東京湾納涼船 の運航開始で始まったようです。 昨年の夏は 14.5 万人の乗船者があったそうですから、とりわけ、若い方には大人気のイベントとして定着しているようです。 巨大な光の海を背景に、レインボーブリッジをくぐり、東京タワーとスカイツリーに、貨物基地大井と乗客のターミナル羽田も機能美を競います。 それに、未来都市を思わせる人工の島、お台場! 就航しているのは大型の外洋船ですから、湾内クルーズでは揺れることもなく、ゆったりと手すりにもたれて眺めているだけでも飽きることはありません。 (7-2-15)

まだまだ梅雨の季節は続くようですが、サイトの方はもう '浴衣' の話題で賑わっています。 その中で、「美しい所作と色気を身につけて、浴衣美人になる」をピックアップしてみました。 和の装いに大変身されるのですから、'所作もグッとおしとやかに' との内容ですが、それをあまり意識することなく、無理や無駄のない動きでふるまってほしいのです。 筆者に言えるのは、しっかりとお着付けができたら、「いつもには無い、袖のたもとや、足首に届く裾に、少しばかり気を巡らせていただく」ことでしょう。 自ずと姿勢も良くなり、きっと所作も軽やかで艶やかになっていくに違いありません。(6-17-15)

このところ '安全で清潔、品物が安価な' 日本へ、外国人観光客の増加は顕著です。 「貿易立国」であったはずの日本も、貿易赤字を、実際には、彼らの国内消費で補っているのですから、日本の表看板も「観光立国」に書き替えなければいけないようです。 旅行客に「日本らしさ」を納得してもらえるお土産品の開発に、いずれの企業も真剣に取り組んでおられるようですが、銀座三越では、対丈で小袖風の「浴衣」 の販売を始められたようです。 あくまで '部屋着、ガウン替わり' ということなのでしょうが、実用性が高く品質のよいもので勝負して欲しいと願っています。(6-3-15)

ワーナー・ビショフというフォトジャーナリストが 1951 年、日本で 'Fujiyama & Geisha' のイメージから脱却して撮られた写真を、'Japaaan' が紹介しておりました。 その中の一枚、綺麗なお庭が望める和室で 丸い鏡に向かって化粧をしている浴衣姿の女性! 動きが感じられるだけではなく、スッキリとした衿足にキリリと締ったウェスト、女性の美しさが見事に表現されています。 もう 63 年も前の写真ですが、ご覧の方も、きっと、どこかにかヒントを得られることでしょう。 そして負けずに、ぜひ着物や浴衣を着てみたいと一人でも多くの方に思っていただけたら嬉しくなります。 (6-1-15)

和装産業振興のため、経済産業省が 「きものの日」の導入 を検討しているとのニュースを目にしました。 官主導の施策は限られますが、先ず、国の機関・官庁から「隗より始めよ!」でしょう。 産地を抱える地方議会では着物で出席する日を設けて PR しておられるところもありますが、かような動きを全国に広げられるとしたら、必ずやよい結果が得られるのではないでしょうか。 入学式に母親が着物で出席することにまで、厳しい逆風があるのを知り驚いたことがあります。 'むしろ和装が ECO にも繋がっている' といったことなど、もっと多くの人に知って欲しいのです。 (5-25-15)

「日経ウーマン」が、Web サイト『L'ideal』のスナップをまとめて出版された写真集『OVER 60 Street Snap いくつになっても憧れの女性』を紹介していました。 素人が被写体となった写真集で、半年で 5 万部を越えるというヒット作になったのは確かに驚きです。 記事の中で、被写体のお一人にインタビューされていますが、留袖の裾模様を生かして羽織にリメイクされたり! 裏地にシャネルのスカーフを使われたり! 今や、そこまでなさる方はさすがに少ないでしょうが、'オン' の雰囲気からはがらりと変身、'オフ' には大好きな着物姿で弾けたいとの思いが伝わってきます。 (5-21-15)

祖母が家長で、女性が絶対多数の実家で生まれ育った筆者には、一番古くて 1940 年代後半の記憶しかありませんが、着物に関する言葉で最初に覚えたのが「銘仙」ですから、華やかな色づかい、斬新な柄などで、当時の若い女性たちを虜にしていたのは間違いありません。 比較的良質な糸を機械織りで量産し、手ごろな価格で販売されたのが爆発的な人気に繋がったのでしょう。 最初のファストファッション! もう新しく創られることなどないでしょうが、それでも、今、若い方々がリサイクル品を自分なりに着こなされ、それを街で目にするのは楽しみでもあります。 (5-8-15)

GW は終わってしまいましたが、5 月はもともと日本全国、祭りの月でもあります。 連休のさ中に、京都、葵祭の斎王代による「禊の儀」 が行われたとの話題が目に留まりました。 今年は雨で、残念ながら略式になってしまったようですが、それでも雅な行事の幕開けです。 東京でもほぼ同時期、神田祭に浅草の 三社祭、6 月には山王祭と続き、男子も女子も粋な着物姿の映える季節なのです。 実状は、神輿の担ぎ手を確保するのも大変との声も聞こえてきますが、街中に高層の住居が急激に増えており、必ずや地元密着の本来の姿に戻ってくることでしょう。 (5-5-15)

goo の調査に「外国人旅行者にここだけは行ってほしい『東京の観光名所』ランキング」がありました。 並べられたお薦めポイントを見ますと、やはり、訪れる外国人に何とか「日本らしさ」を味わって欲しいとの思いが感じられます。 ただ、実際には、食べ物ですと「ラーメン」のようですし、繁華街では「渋谷のスクランブル交差点」だったりします。 日本は世界で一番安全で清潔な国の一つであるのは間違いありませんので、思い思いに自由に日本の旅を楽しんで、何処かに私たち日本人が気づかない「日本オリジナル」を見つけていただければいいのではないでしょうか! (4-26-15)

茶摘みといえば「八十八夜」! 立春から数えて 88 日目! 今年は 5 月 2 日になりますが、温暖な地方では既に始まっているようです。 屋久島では 4 月 3 日付のニュースで紹介されていましたし、瀬戸内の三豊 でも始まったようです。 実際には「絣の着物で手摘み」の風景など無くなっているのですが、たとえそれがパーフォマンスであっても、なぜか親しみを感じさせ、心和みます。 先染めの糸を斑に染め残し、織り柄で巧みに浮かび上がらせた地色(白)と、茶葉の新緑が、もう強くなった太陽に映える様子は、やはり、この季節に無くてはならない風物詩です。 (4-19-15)

春の六大学野球の始球式に 法政大学総長が投球された とのこと! 女性としては初めてとのことですが、やはり颯爽たる袴姿です。 私どもも毎年 3 月に入ると卒業式に臨まれる先生からのご依頼を承るのですが、今年は、中学 3 年生の担任を務められたお二人の先生の袴をお着付けさせていただきました。 いつもの服装とはがらりと違う、文字通り衿を正されたお姿は、満面の笑顔の卒業生に取り囲まれて何度も写真に納められたのではと想像しています。 生徒の皆さんには将来、楽しかった中学生時代の思い出に、きっと先生の袴姿が重なることでしょう。 (4-12-15)

志村ふくみさん が「三春の滝桜」の子孫樹で染色された作品を発表されたとのニュースが目に留まりました。 確かに、滝桜はその強い生命力から福島の、さらには東北復興のシンボルであることは違いありません。 志村さんは、終始一貫、紬糸を自然素材(紅花、藍など)で先染めし、織り柄で仕上げられます。 上品な淡い色を使い分けられ、柄を織り出し、ビビッドなグラデーションを生み出されます。 派手さはありませんが、一度目にすると自ずと心安らぐ志村ワールドに引きずり込まれてしまいます。 ぜひ、東京国立近代美術館工芸館ででもご覧ください。 (4-4-15)

例年この季節、金沢・天徳院で行われる 新中学生女子の「十三詣り」 と、岩手・大船渡の陵里小学校 新一年生の着物での入学式 が、マスメディアに採り上げられます。 七五三のお宮詣りと違い、お寺と家の結びつきが弱くなった現在、「十三詣り」の風習は殆ど廃れてしまっていますが、さすが金沢です。 陵里小の場合は、20 年ほど前から全員が袴姿になったとのことです。 正直、ご家庭にとっては大変でしょうが、今後もぜひ続けていただければと願います。 ともかくも、仮設住宅ではなく、ちゃんとしたお住まいから皆さん登校されるのは本当に幸いです。 (4-1-15)

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