靖国問題 - 富田メモ以降 (12)

目立ちたいがために靖国神社のトイレで大きな音を出した、との弁明です。 今、判決がどうなるか解りませんが、やはり先の戦争は遠くなりにけり、との思いです。 新しい世代が、新しい感覚で靖国神社を運営する時代が来るのかも知れないと、少しばかり望みを繋ぐことにしましょう。 真に戦争の犠牲者が眠る神社への転換になればいいのです。

戦後 70 年、続く歴史論議 靖国問題の収束見えず  安保審議にも影響  首相、中韓と修復模索

安倍晋三首相は、先の大戦をめぐり「おわびの気持ち」を記述した戦後 70 年談話を機に、歴史認識に関する国内外の議論に一定の区切りをつけたい考えだ。 だが、首相が終戦記念日の 15 日に靖国神社に玉串料を納め、安倍内閣の 3 閣僚が参拝したことに中国、韓国は反発した。 首相は両国との関係修復を探るが、問題の収束は見通せない。 近く再開する安全保障関連法案の国会審議でも、首相や閣僚の歴史認識が問われそうだ。

首相は 15 日午後、岸田文雄外相を公邸に呼び、談話に対する各国の反応について報告を受けた。 中国外務省は同日、靖国神社が東京裁判の A 級戦犯を 合祀しているのを踏まえ、首相の玉串料奉納や閣僚参拝に「断固反対と強烈な不満を表明する」との談話を発表。 韓国外務省も「日本の指導者が 真摯な省察と反省を行動で見せることでしか周辺国と国際社会の信頼は得られない」と非難した。

首相サイドは 70 年談話に関し、中韓両国メディアの批判的な報道に比べ、両政府の反応は抑制的だと分析している。 首相は 9 月上旬の訪中を引き続き検討。 韓国については、 朴槿恵大統領が 15 日の演説で談話に一定の評価を示したことを踏まえ、秋に首脳会談を実現したい意向だ。 公明党の山口那津男代表は 15 日の街頭演説で談話をめぐり「痛切な反省の下に、不戦の誓いを守り抜く。 平和主義を貫くことを国の方針として定着させることが最も大事だ。」と強調した。

再開される安保法案の参院審議では、他国軍支援のための核兵器運搬が法文上は排除されないとした中谷元・防衛相の答弁のほか、70 年談話や閣僚の靖国参拝も議論される見通しだ。 自民党の谷垣禎一幹事長は安保法案に関し、共同通信の取材に「丁寧に粘り強く、平和を守ってやっていくと説明するしかない。 外交努力も大切だ。」と指摘した。

- 共同通信 2015 年 8 月 16 日 -


靖国神社爆発音 : 韓国籍被告、起訴内容認める 東京地裁初公判

靖国神社(東京都千代田区)のトイレで昨年 11 月に爆発音がした事件で、建造物損壊罪や火薬類取締法違反などに問われた韓国籍の無職、全昶漢(チョン・チャンハン)被告 (28) は 14 日、東京地裁(家令和典裁判官)の初公判で起訴内容を認めた。

- 毎日新聞 2016 年 6 月 15 日 -

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靖国神社に韓国人被告が謝罪文 爆発音事件

【ソウル】 韓国の聯合ニュースは 22 日、東京・靖国神社のトイレで昨年 11 月に爆発音がして不審物が見つかった事件で、建造物損壊などの罪に問われた韓国人の全昶漢被告 (28) が最近、弁護士を通じ靖国神社側に謝罪文を送っていたと報じた。 在日韓国大使館関係者の話として伝えた。 謝罪文の詳しい内容は不明。 同ニュースによると、同関係者は「神社側はトイレの被害に対する(全被告からの)補償金を受け取ろうとせず、被告側は 22 万円を供託した」と説明した。

- 共同通信 2016 年 6 月 23 日 -


稲田防衛相が靖国神社参拝、就任後初「未来志向に立ち」

稲田朋美防衛相は 29 日午前、東京・九段北の靖国神社に参拝した。 参拝後、記者団に対し、安倍晋三首相の米ハワイ・真珠湾訪問に同行したことに触れ、「未来志向に立ってしっかり日本と世界の平和を築いていきたいという思いで参拝をした」と述べた。 稲田氏の参拝は、8 月の防衛相就任後初めて。 稲田氏は「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝した」とし、「防衛大臣 稲田朋美」と記帳したと説明。 玉串料を私費で納めたことも明らかにした。 毎年の終戦記念日(8 月 15 日)に靖国神社を参拝してきた稲田氏は今年、ソマリア沖で海賊対処にあたる自衛隊部隊の視察を理由に参拝を見送っていた。

8 月の防衛相就任を受け、参拝を警戒してきた中国や韓国の反発について、稲田氏は「いかなる歴史観に立とうとも、いかなる敵味方であろうとも、祖国のために命を捧げた方々に対して感謝と敬意と追悼の意を表するのは、どの国でも理解をして頂けるものだと考えている」と述べた。 安倍晋三首相は 29 日午前、神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場で、記者団から稲田氏の靖国神社参拝について問われ、「ノーコメント」と答えた。 (相原亮)

- 朝日新聞 2016 年 12 月 29 日 -

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米当局者「癒やしと和解促す方法を」 稲田氏の靖国参拝

稲田朋美防衛相の靖国神社参拝について、米国務省当局者は 29 日、「すべての関係国にとって癒やしと和解を促す方法で、歴史問題に取り組むことが大切だと強調し続ける」と朝日新聞の取材に答えた。 中国や韓国などの反発を考慮し、暗に自制を求めた形だ。

オバマ大統領と共に真珠湾を訪れ、「和解の力」を強調した安倍晋三首相に同行していた稲田氏の靖国参拝を、米政府が重く見ていることがうかがえる。 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、稲田氏が真珠湾訪問の直後に参拝したことを強調し、「近隣諸国から軍国主義の歴史を美化すると見なされている神社を訪れた」などと批判的なトーンで報じた。 (ワシントン = 峯村健司)

- 朝日新聞 2016 年 12 月 30 日 -


愛国心は愛のない言葉、掲げる人に不信感 鈴木邦男さん

元一水会代表 鈴木邦男さん

森友学園が新設する予定だった小学校は「愛国心教育」を掲げていました。 50 年近く愛国、右翼運動に携わっており、前理事長である籠池泰典容疑者の気持ちはわかります。 だけど「愛国心」を口にする人に僕がまず抱くのは、不信感です。 「愛国心に基づく行動は何でも許される」と誤解した人たちを、多く見てきたからかもしれません。

また「愛国心」は、他人を無意味に批判、排除する際にも使われる、愛のない言葉です。 「俺は愛国者だから韓国が嫌いだ、中国をやっつけろ」という風に。 教育現場に持ち込むべき言葉ではありませんよね。 学園の系列幼稚園では、教育勅語の素読もさせていたとのことですが、教育勅語は右翼団体のなかでさえ「終わったもの」と捉えられ、集会で朗読することもなくなりました。 ある程度の判断能力がついたときにその存在を教えるならまだしも、何もわからない小さな子どもに教え込む意味がわかりません。 (聞き手・釆沢嘉高)

- 朝日新聞 2017 年 8 月 4 日 -

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「劣化した保守」、政権支持の一神教 小林よしのりさん

漫画家 小林よしのりさん

安倍晋三首相の妻・昭恵氏が、逮捕された森友学園の籠池泰典・前理事長夫妻と親密だったことは多くの人の頭に残っている。 「では同志だった昭恵氏はどうなる?」という問題が再びクローズアップされる。 加計学園や共謀罪の迷走でも、国民には不満がたまっている。 それらが噴出して政権への支持は急落した。 籠池容疑者はわしと同世代で、戦後生まれ。 幼稚園で軍歌を歌わせていたが、彼の本当の懐メロは舟木一夫だ。 戦争に行った上の世代に男のロマンを感じ、行っていない自分にはコンプレックスがある。 戦前は立派だったとあこがれを抱く。 それが、教育勅語の暗唱につながる。 (聞き手・金子元希)

- 朝日新聞 2017 年 8 月 5 日 -


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