南京虐殺事件、1937 年 (10)

実際には、中国の若い世代の思考は、より柔軟で、冷静です。 何だか、中国指導部陣だけが、硬直的で、いつの間にか置き去りにされてしまうのではないかとすら思われます。

〈追記〉 1937 年の南京での不祥事は、駐留日本軍にとっても深刻に受け止めていたようで、綱紀粛正が徹底され、住民感情も次第に好転していたようです。 8 年後、日本が無条件降伏し、現地の日本軍は武装蜂起し、施設に収容されますが、その施設に南京の住民から差し入れを受けた人もいたようです。 当時、その場にいた方から直接お聞きしたお話しです。

「日本が謝罪しない理由」報じた記事に、ネットユーザーから皮肉

「自分たちだって謝罪してないだろうに…」、「人間がちっちゃいな」

5 月 10 日、中国メディアが先日、「日本が南京大虐殺について謝罪しない理由」について報じたことについて、ネットユーザーがさまざまなコメントを寄せている。

記事は、「日本が謝罪しない理由」は、日本の道徳が "相対主義" であることが関係していると指摘。 「儒家の影響を受けた中国人は、人格と尊厳を売る行為を最も恥とするが、日本人には心を縛るものがなく、自らの悪行が他人に知られさえしなければ、思い悩んだり懺悔(ざんげ)したりすることはない」、「日本人は他人の評価を自分の基準とし、全員が同じ行動規則を守り互いに支持することで、どんなことでもやってしまう」などと分析している。

この記事に対して、中国のネットユーザーはどのような反応を示したのか。 最も多く "いいね" を集めたのは「謝罪に意味があるのか? 私たちに必要なのは国が豊かで強くなること。 庶民の生活が少しでも良くなること。」というコメント。 次いで「自分たちはこれほどいろいろやってるのに、誰かが出てきて謝罪したのは見たことがない」というコメントだ。 そのほか、「(記事を書いた)編集者は人間がちっちゃいな」、「日本を描写したところを国内に当てはめるとしっくりくるのはなぜ?」、「謝罪はしたけど報じないだけ」といった批判的なコメントが多く寄せられている。

- RecordChina 2016 年 5 月 11 日 -


日本テレビが産経新聞に抗議 「南京事件」番組めぐり

日中戦争中に起きた「南京事件」を取材した日本テレビのドキュメンタリー番組をめぐり、産経新聞社が掲載した番組の検証記事の内容が事実と異なるとして、日本テレビが同社に対して文書で抗議した。 抗議について 26 日にホームページで告知し、「産経新聞の記事は客観性を著しく欠く恣意的なもので、厳重に抗議する」としている。

番組は昨年 10 月に日本テレビ系で放送された「南京事件 兵士たちの遺言」。 日本兵の日記や証言などをもとに、中国で捕虜や住民を殺害したとされる事件を検証する内容で、優れた放送作品などに贈られる昨年度のギャラクシー賞(優秀賞)を受賞した。

この番組に対し、産経新聞は今年 10 月 16 日付朝刊で「『虐殺』写真に裏付けなし」という見出しの記事を掲載。 川岸に多くの人が倒れている写真の取り上げ方について、逃れようとする中国兵同士の撃ち合いや多くの溺死があったという記録に触れていないと批判した。 捕虜の殺害についても「暴れ始めたためやむなく銃を用いた」とする大学教授の見方を紹介した。

一方、日本テレビはホームページで「虐殺写真と断定して放送はしていない。 産経新聞記者の『印象』から『虐殺写真』という言葉を独自に導き、大見出しに掲げた。 いかにも放送全体に問題があるかのように書かれた記事は不適切と言わざるをえない。」と指摘。 やむなく発砲したという見方についても「同じ証言の存在を具体的に紹介した上で、当時の一次史料にはそのような記載がないことを伝えた。」と反論した。

産経新聞社広報部は朝日新聞の取材に「当社の見解は、10 月 16 日付の当該記事の通りです。」 日本テレビ広報部も「ホームページに記載した通りです」としている。

- 朝日新聞 2016 年 10 月 28 日 -


南京事件追悼式典 日本の加害責任を強調 中国

旧日本軍が多くの中国人を殺害したなどとされる南京事件について、中国政府は、13 日、追悼の式典を開き、出席した共産党の幹部は先の大戦での日本の加害責任を強調しました。 中国政府は、おととしから 12 月 13 日を南京事件の国家追悼日と定めていて、13 日午前、南京にある南京大虐殺記念館で追悼の式典を開きました。

式典で演説した中国共産党の趙楽際政治局委員は、日本と中国の間で議論がある犠牲者の数について「30 万人」だと主張し、先の大戦での日本の加害責任を強調しました。 そのうえで、「歴史を改ざんしようとするいかなるたくらみも中国人と世界の平和と正義を愛する人の非難と軽蔑を受けるだろう」と述べました。 また、おととしと去年は言及していた「日中の友好を促進すべきだ」ということについては、ことしは触れず、「式典は、うらみを継続させるためのものではない」と述べるにとどまりました。

中国政府は、安倍総理大臣が今月下旬にハワイを訪れ、真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することに関連して、「南京大虐殺記念館など中国にも犠牲者の弔いをできる場所はたくさんある」などと述べ、南京事件を引き合いに出して日本の動きをけん制しています。

- NHK 2016 年 12 月 13 日 -


南京事件 80 年、習主席が 3 年ぶり式典出席

日中戦争のさなかに起きた旧日本軍による南京事件から 80 年となる 13 日、中国江蘇省南京市にある「南京大虐殺記念館」で大規模な追悼式典が開かれた。 今年は国家追悼日に定めた 2014 年以来、3 年ぶりに習近平(シーチンピン)国家主席が出席したが演説はしなかった。 改善ムードにある日中関係に配慮した形だ。

式典には、南京事件の生存者とされる人々を含めた約 1 万人が出席。 午前 10 時(日本時間同 11 時)の開始直後にサイレンが鳴り、全員が 1 分間黙とうした。 国営中央テレビなどが生中継で様子を伝える一方、会場周辺の道路は封鎖され立ち入りが厳しく制限された。

兪正声(ユイチョンション)・全国政治協商会議主席は演説で「30 万人の同胞が殺戮(さつりく)され、無数の女性や子供が野蛮に虐殺された。 中国人民は歴史を心に刻み、平和を愛し、平和的発展の道を進むことを誓う。」と述べた。 一方、日中関係については「日中両国は引っ越すことのできない隣人だ。 民間交流の歴史は長く、中国は日本を含めた周辺国との関係を深化させたい。」などと語った。

追悼式典は長らく地方政府が主催してきたが、14 年に国家レベルに格上げされた。 同年に習氏が国家主席として初めて出席して以降、ここ 2 年は最高指導部の共産党政治局常務委員からの出席はなかった。 今年は 80 年の節目でもあり、トップの習氏自らが出席した。 (南京 = 冨名腰隆)

- 朝日新聞 2017 年 12 月 13 日 -


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