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映画「真夏のオリオン」

米海軍横須賀基地で特別試写会

第 2 次世界大戦中の日本海軍の潜水艦と米海軍駆逐艦の戦いを描いた映画「真夏のオリオン(篠原哲雄監督)」の特別試写会が 3 日、神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地であった。

試写会は基地内にある映画館「FLEET THEATER」で開かれた。 普段は米軍関係者しか利用できないこの映画館で、こうしたイベントが開かれるのは異例で、邦画が上映されるのも初めてという。 日米の文化交流と相互理解のため、米海軍 300 人と、海上自衛隊員 300 人の、計約 600 人が招かれ、英語字幕版を鑑賞した。

1945 年 8 月の終戦直前、米軍の補給線を断つため沖縄近海へと向かった潜水艦・イ-77 と、米海軍駆逐艦・パーシバルとの間で、繰り広げられる戦いと、男たちの姿を描いた。 池上司の原作「雷撃深度一九・五」を、「亡国のイージス」、「終戦のローレライ」の作家、福井晴敏が映画向けに監修、脚色した。 13 日から全国で公開される。

最後まで絶対にあきらめない姿勢を貫く主人公の艦長、倉本孝行を演じたのは、俳優の玉木宏さん。 倉本に思いを寄せる、親友の妹・有沢志津子は北川景子さんが演じた。 北川さんは作中で鍵となる、楽曲「真夏のオリオン」を 64 年後に手にする、倉本の孫の 2 役を演じた。

上映後の舞台あいさつには玉木さんと、北川さんが登場。 真っ白な制服姿の隊員たちを前に、玉木さんは「身が引き締まる思い。 この場所に立てて光栄に思う。」 「僕自身が見たり(潜水艦乗組員の)話を伺ったりして、役にアプローチをすることは今回が初めてでした。 リアルに演じることを意識した。」と役作りについて語った。

ヒロインを演じた北川さんは赤い振り袖姿で登場。 「発音はかんぺき」と米兵お墨付きの英語であいさつし、会場を沸かせた。 「現代では、生きるということを一生懸命考えることはないかと思う。 昭和 20 年代の女性の役を演じて、いまの時間を大切にしようと意識の変化があった。」と語った。

映画を鑑賞した、海上自衛隊の潜水艦「わかしお」の石田享大艦長は「日米の戦争映画がこの(米軍の)フリートシアターで上映されるのは考えさせられるものがある。 とてもいい機会だった。」と感想を述べた。 玉木さんの艦長ぶりには「非常にスマートで、実力があるところにあこがれる」とエールを送った。(アサヒ・コム編集部 安冨良弘)

(朝日新聞 = 6-4-09)

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