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湧き水流れる水前寺成趣園 外国人旅行客に人気

着物姿の男女が日本庭園を歩いている。 聞こえてくる会話は、中国語だ。 「よく手入れされて、居心地がいい。 着物は日本文化の一つだし、試したかったんだ。」と香港から訪れた会社員チャン・ケネスさん (45)。 妻のチャン・コック・ウイングさん (38) もうれしそうにほほ笑む。

湧き水が流れる熊本市中央区の水前寺成趣園。 チャンさん家族 6 人は、6 日間の九州周遊旅行中に立ち寄った。 着物はインターネットで見つけた近くの着物レンタル店「和 Collection 美都」で借りた。  一式で 1 人約 2,800 円。

「熊本地震の影響も落ち着き、台湾や香港からのお客さまが増えています」と藏原啓介代表 (55)。 外国人客の増加を見越し、2016 年 3 月に中央区南熊本から門前商店街に移転開業。 客の 8 割が外国人で、一度に 140 人を受け入れたこともあると笑う。

細川藩ゆかりの成趣園は、熊本城と並んで外国人旅行者に人気がある。 成趣園が把握している外国人入場者は、17 年度に過去最高の 10 万 4,271 人を記録。 有料入場者全体の 3 分の 1 を占め、1976 年の約 190 万人をピークに 6 分の 1 以下まで低迷していた入場者数が上向く要因にもなっている。

成趣園を管理する出水神社は、インバウンドを観光地としての "地位回復" の好機と捉える。 案内板は日本語、英語、中国語、韓国語の 4 カ国語表記に変えた。リーフレットも本年度中に、フランス語を加えて 5 カ国語にする予定だ。

「庭を見るだけでは飽きられる。成趣園一帯を、日本の伝統文化に触れる『テーマパーク』にしたい」と上村秋生事務局長 (71)。 西側に隣接する玄宅寺や「細川流盆石」の継承団体などと協力し、座禅や盆石制作などの体験講座も考えているという。

門前商店街には 16 年 3 月、ラオックス(東京)の大型免税店も開業。 空き店舗や古い土産物屋が目立っていた一帯を活気づけている。

一方で、大型バスによる混雑など新たな課題も生じている。以前に比べ改善されたというが、「外国人向けの観光地になった」、「外国人観光客のマナーが悪い」、「トイレやごみ箱の使い方が汚い」という声もある。 イメージダウンにつながるだけに、同神社は旅行会社などを通じて注意を呼び掛ける。

週末、園内を英語で案内をしている「NPO 法人ディスカバリーくまもと」の野田恭子理事長 (73) は「マナーの違いは文化の違い。 単に『禁止』と言うのではなく『神社は神のいる場所だから』など、背景を説明して分かってもらったこともある。」と話す。

同神社や有志でつくる「水前寺活性化プロジェクトチーム」代表で地元自治会長の永野陽子さん (67) は「日本人にも外国人にも愛される成趣園にしたい」と話す。 来年に開催されるスポーツの世界大会に向け、外国人対象の日本文化体験メニューを練る一方、入園無料日を設けてコンサートを開くなど、地域に開かれた存在にしたいと知恵を絞る。(猿渡将樹、酒森希)

(熊本日日新聞 = 6-9-18)

留学生、着物姿で「ひな祭り」楽しむ 熊本市

熊本 YWCA 国際部「留学生の会」が、1989 年から毎年開く恒例の催し。 ミャンマーやタンザニア、ポーランドなど 14 カ国の男女 23 人が参加した。

留学生たちは鮮やかな振り袖や紋付きはかま姿となり、抹茶を体験。 七段のひな飾りを置いた会場で中国の楽器「二胡」の演奏を楽しみ、日本舞踊にも挑戦した。

熊本大文学部で学んでいる黄訳民さん (25) = 中国・四川省出身 = は「振り袖を着てみたいとずっと思っていたのでうれしい。 お茶の作法も勉強できました。」と大喜び。 友人と写真を撮り合っていた。(森紀子)

(熊本日日新聞 = 3-4-13)

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