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米下院、トランプ大統領の弾劾調査開始へ 米史上 4 例目

トランプ米大統領が、バイデン前副大統領の息子に関する疑惑を調べるようウクライナ政府に圧力をかけたとされる問題で、野党・民主党のペロシ下院議長は 24 日、連邦議会で会見し、トランプ氏の行為が弾劾にあたるかどうか正式に調査を始めることを決めた。

大統領への弾劾調査が開始されるのは米国史上 4 例目。 トランプ氏は「魔女狩りだ」と反発しており、来年の大統領選を前に、大統領と野党の対立が激しくなっている。 トランプ氏は今年 7 月にウクライナのゼレンスキー大統領と電話で話した際、バイデン氏とその息子に関する疑惑について調査するよう迫ったとされる。 米メディアによると、米政権の内部告発者が、トランプ氏がゼレンスキー氏に不適切な約束をしたと指摘。 米国が保留していたウクライナへの軍事的な支援を、調査の見返りにした疑いも指摘されている。

バイデン氏は副大統領だった 2015 年、欧米諸国や国際機関が進めたウクライナの腐敗問題への取り組みで、ウクライナの検事総長を解任させようとした。 当時、バイデン氏の息子が役員を務めていたウクライナのガス会社が検察の捜査対象になっていたため、トランプ氏側は「バイデン氏が息子を守るために圧力をかけた」と批判を強めている。 ペロシ氏はこの日の会見で、「トランプ大統領の行為は、大統領の就任宣誓や国家の安全保障を裏切る不誠実な実態を浮き彫りにした。 本日、下院は正式に弾劾に関する調査を始める。」と宣言した。

6 つの委員会が大統領の弾劾について調査を行うという。 民主党はトランプ氏がしたとされる「不適切な約束」を知る内部告発者から事情を聴くなどして、疑惑を追及する構えだ。 これに対し、トランプ氏はツイッターで「民主党は、私とウクライナ大統領との電話の通話記録さえ見ていない。 魔女狩りだ。」と激しく反発。 さらに「電話では何ら圧力をかけていない。 見返りなどない!」などと潔白を強調している。

米国の憲法の規定では、下院議員の過半数の賛成で大統領を弾劾訴追できる。 現在、野党の民主党は下院で過半数を占めている。 ただ、その後に上院で開かれる弾劾裁判で、3 分の 2 以上の賛成がなければ罷免できない。 上院では与党・共和党が過半数を握っており、トランプ氏が無罪になる可能性が高いのが現状だ。 (ワシントン = 土佐茂生)

ウクライナ疑惑〉 トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に、来年の米大統領選で争う可能性のあるバイデン前米副大統領の疑惑を調べるよう求めたとされる疑惑。 バイデン氏は副大統領だった 2015 年、欧米諸国や国際機関が進めたウクライナの腐敗対策に絡み、ウクライナの検事総長に腐敗の疑いがあるとして解任させようとした。 しかし、当時、検察がバイデン氏の息子が役員を務めるウクライナの国営ガス会社を捜査していたことから、トランプ陣営が問題にしていた。

米メディアによると、トランプ氏は今年 7 月、ゼレンスキー氏との電話会談の際、バイデン氏の息子に関する疑惑を調べるよう求めた。 外国政府に依頼し、国内の政敵に打撃を与えようとした構図だ。 これまでにトランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ氏がウクライナ側と接触していたことも明らかになっている。 トランプ氏が外国首脳との電話で、不適切な「約束」をしたという内部告発も報じられており、これがゼレンスキー氏との会話だったとの指摘もある。 トランプ政権は 9 月、一時保留していたウクライナへの 2 億 5 千万ドル(約 269 億円)の軍事支援を決めた。

- 朝日新聞 2019 年 9 月 25 日 -

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