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明治 - 昭和初期に生産「相楽木綿」復活

着物、はんてん、バッグなど作品展、京都・精華町で 18 8日まで

京都府木津川市の相楽地区を中心に、明治から昭和 10 年代にかけて生産されていた相楽(さがなか)木綿を復活させた作品展が 12 日、けいはんな記念公園(同府精華町精華台)の水景園観月楼ギャラリー月の庭で始まった。 途絶えた技術を復活させ、技術を継承する「相楽木綿の会」の会員らの作品約 50 点を展示。 代表の福岡佐江子さん (61) は「多くの人に見に来てもらい、伝統の相楽木綿を知ってほしい」とアピールしている。 18 日まで。

相楽木綿は、藍染めの紺地に赤や緑、白などの色糸と絣(かすり)を織り込んだ木綿織物で、肌触りがよく、華やかな美しさが特長。 色糸と絣の組み合わせを変えることで、さまざまな模様の織物を作ることができる。 この際、絣柄をきれいに合わせるのに技術と経験が必要だという。 同会によると、かつて南山城地域では綿栽培が盛んで、明治以降は木綿織物を生産して京都や奈良、大阪、滋賀に供給していた。 しかし、昭和 10 年代の戦時体制で糸などが不足し、生産が途絶えたという。

復活のきっかけは平成 16 年に府立山城郷土資料館(木津川市)で開かれた相楽木綿の展示会だった。 地元の女性らが集まり、17 年に相楽木綿の会を結成。生産者の家族や高齢者からの聞き取りのほか、現存資料を基に試行錯誤して復活させた。 現在は観月楼内の相楽木綿伝承館で日、月、木、金曜の週 4 回、大和機(やまとばた)など 2 種類の織機を使った機織り教室を開くなど、伝統技術の継承に力を入れている。

会場には会員や機織り教室の受講生ら 25 人の作品約 50 点が並ぶ。 着物やはんてん、バッグなどが展示され、来場者が興味深そうに見入っていた。 京田辺市の南靖子さん (82) は「子供のころ、祖母が相楽木綿を織っていた姿を覚えている。 とても良い生地で、地域の伝統文化として後世に伝えていってほしい。」と話していた。 午前 10 時 - 午後 5 時。 作品展は無料だが、水景園の入園料(大人 200 円、小中学生 100 円)が必要。 60 歳以上は証明書提示で無料。 問い合わせは同伝承館へ。 (TEL 080・6186・9233)

(産経新聞 = 3-13-18)

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