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震災後生まれの 15 人、晴れ着姿で入学式 岩手・大船渡

東日本大震災で被災した岩手県大船渡市の市立綾里(りょうり)小学校で 1 日、入学式があった。 今年度の新入生は初めて全員が震災後生まれだった。 羽織はかまと振り袖姿の男女 15 人が、真新しいランドセルを背負って学校の門をくぐった。 1 日の入学式は戦前からの伝統で、1970 年代から徐々に和装で出席することが定着してきたという。

震災 3 カ月後に生まれた田村百春(ももはる)さん (6) は、津波で自宅が全壊し、市内の親戚宅で避難生活を送っている時に生まれた。 支援のミルクやおむつに助けられた。 「カタカナの勉強と野球を頑張りたい。」 母の和歌子さん (36) は「多くの人に支えられた。 思いやりと温かい気持ちを返せるようになってほしい。」と話した。

(朝日新聞 = 4-1-18)

和装入学式取りやめ 保護者自粛決める 大船渡・綾里小

新入生全員が羽織、はかまの和装で入学式に臨むことで知られる岩手県大船渡市綾里小は、21 日に行う本年度入学式を震災の事情に配慮し、他の学校と同様に洋装に切り替える。 和装の自粛は保護者が決めたことだが、わが子の晴れ姿を見られないことに複雑な心境のようだ。

本年度の入学児童は 24 人(男 11 人、女 13 人)。市内の貸衣装業者や美容室が被災し、新入生全員で和装をそろえることができなくなったため、保護者間で自粛を申し合わせた。 新入生の一人で、花柄の模様が入った紫とピンク色の着物にはかま姿で臨むはずだった佐々木美羽ちゃん (7) は少々がっかりしている。 衣装を買ってくれた鶴岡市の祖父母も楽しみにしていたという。 母の真希子さん (40) は「ほかにはない入学式なので、いい記念になると思っていたが、和装で新入生全員がそろわないと、娘も楽しめないので仕方がない」と話した。

次男が入学する会社員三川梢さん (36) は、後日、和装姿で集合写真を撮ることを計画している。 「記録として残せば、来年の入学式も和装を続けやすくなるはず。 地域の伝統なので守っていきたい。」と話す。

綾里小の入学式は毎年 4 月 1 日に実施。 児童の和装による晴れ姿が新年度のスタートを印象付けるとして、多くのメディアに取り上げられている。 和装は 1970 年ごろから女子の中で広まり、98 年から男子も羽織、はかま姿で参加するようになった。(山口達也、古賀佑美)

(河北新報 = 4-21-11)

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