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江戸時代の日本の消防士「火消し」の衣装が粋でいなせでカッコいい!

火災発生時には、その身を犠牲にするリスクを負ってまでも人命救助に奔走する消防士たち。 時代を問わず、彼らの活躍にはただただ敬意を表するばかりだが、19 世紀、日本の江戸時代にも消防組織があり、当時「火消し」と呼ばれた消防士たちが活躍していた。

彼らが着る消防服(半纏)には独自の美しいデザインが施されており、粋でいなせなものが多かったようだ。 そんな日本の火消したちの衣装が海外サイトで話題となっていたので、見ていくことにしよう。

火消し半纏の裏は派手かつ美しいデザインが施されていた

江戸時代(1615 - 1868 年)の後期に活躍した「火消し」と呼ばれていた消防員たちは、一様にリバーシブルの特別な半纏を身に纏っていた。 その半纏の裏には美しいデザインが描かれ、表にはどこの組のどういう役の火消しかが一目でわかるように所属団の名が描かれていた。

刺し子技法と呼ばれるプロセスを使用して、キルティングされた綿の布を複数の層にして作られた半纏は、筒描き染めという染色方法で普段は見えない裏側に様々なデザインが施されていた。 半纏の裏を美しくデザインするようになった理由は、江戸時代に贅沢な美しい着物を着ることを禁じられていたことに対する庶民の抵抗が始まりだったと言われている。

江戸時代は、混雑した生活環境と木造建築が多かったことから、「火事と口論は江戸の花」と呼ばれるほど、頻繁に火災が発生していたという。 そこで、武家の火消しや地域住民らボランティアによる町火消しが構成され、消火活動にあたった。

当時は水の供給が限られており、火消しらは組同士で競い合って消火活動にあたったものの、その方法は火災が起こっている周りの建物や可燃物を破壊し、火事が広がるのを防ぐというものだった。 火消したちは、極寒の中でも半纏一枚で現場に駆け付け、組が描かれている方を表にして完全に水を被ってから火の中へ飛び込んでいった。

(画像は左右にスライドしてください。)

そんな彼らの活動は、勇敢さと大胆さそのものだったといえよう。 それを象徴するかのような美しいデザインの半纏が 19 世紀には広く使用されていた。

(カラパイア = 3-3-20)

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